Gensparkの安全性は大丈夫?利用前に知るべきリスクと具体的な3つの対策

複数の高性能AIを統合した次世代検索エンジン「Genspark(ジェンスパーク)」。
その画期的な利便性が注目される一方で、ビジネスでの導入を検討する多くの人が抱くのが「セキュリティは本当に大丈夫なのか?」「情報漏洩のリスクはないのか?」という強い懸念です。
結論から言えば、Gensparkはエンタープライズレベルの堅牢なセキュリティ基盤を採用していますが、ユーザー自身の「使い方」や「設定」を誤ると、取り返しのつかない情報漏洩につながる重大なリスクも潜んでいます。
本記事では、Gensparkの運営元の信頼性や技術的な安全対策を検証し、利用者が絶対に知っておくべき3つのリスクと、安全に利用するための具体的な設定・運用ルールを徹底解説します。
目次
1. Gensparkの運営会社と信頼性:どこの国のサービス?
まず、サービスを提供している運営元の信頼性について確認します。
米国シリコンバレー発のスタートアップ
Gensparkを運営しているのは、米国カリフォルニア州パロアルト(シリコンバレーの中心地)に拠点を置くスタートアップ企業「MainFunc Inc.」です。
創業メンバーには、元Googleのエンジニアや、Baidu(百度)の元幹部など、検索技術のスペシャリストが集結しています。「検索の再発明」を掲げ、2024年には約6,000万ドル(約90億円規模)の大型資金調達を実施するなど、技術力と将来性が高く評価されている企業です。
日本国内でのサポート体制
日本市場においては、ソースネクスト株式会社と業務提携を行っています。これにより、日本国内のユーザー向けのサポート体制や、日本円での決済環境などが整備されつつあり、海外発のサービスでありながら国内ユーザーが安心して利用できる環境作りが進んでいます。
懸念される「地政学的リスク」について
一方で、創業メンバーに中国大手IT企業(Baidu)出身者が含まれていることから、一部のセキュリティ専門家や企業からは、将来的なデータ提供義務などの「地政学的なリスク」を懸念する声もあります。
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2. 技術的なセキュリティ対策:システムは安全か?
次に、Gensparkのシステム自体の安全性について見ていきます。Gensparkは、大手IT企業と同等の標準的なセキュリティ対策を講じています。
堅牢なクラウド基盤の採用
サービスのインフラには、Microsoftが提供するクラウドプラットフォーム「Azure」を採用しています。Azureは世界最高水準の物理セキュリティとコンプライアンス基準(Privacy in Azure)に準拠しており、データ保存の基盤としての信頼性は高いと言えます。
強力なデータ暗号化
ユーザーとサーバー間の通信(SSL/TLS)はもちろん、サーバー上に保存されるデータ自体も強力な方式で暗号化されています。これにより、第三者による盗聴やデータの不正な読み取りを防いでいます。
アクセス管理(MFA)
アカウントの乗っ取りを防ぐため、多要素認証(MFA)の設定が可能です。ビジネス利用の場合は、必ず設定すべき基本的な対策です。
システム側のセキュリティ対策としては一定の水準を満たしていますが、問題は「ユーザーの使い方」にあります。

3. 【重要】利用者が注意すべき3つの重大リスク
システムが安全でも、使い方が間違っていれば情報漏洩は起こります。Genspark特有の機能がもたらす、以下の3つのリスクを正しく理解する必要があります。
リスク①:公開範囲設定ミスによる情報漏洩
最も注意すべきなのが、Gensparkの最大の特徴である「回答ページの共有機能」で、デフォルトで「リンクを知っている全員(Anyone with the link)」になっている場合があります。
もし、社外秘の情報を含んだ質問をし、そのページのURLを誤って社外の人に送ったり、SNSに投稿したりしてしまうと、世界中の誰でもその情報にアクセスできる状態になってしまいます。最悪の場合、検索エンジンにインデックスされ、ネット上に情報が公開されてしまうリスクもあります。
リスク②:入力データがAIの学習に利用される可能性
多くの生成AIサービスと同様に、ユーザーが入力したテキストデータ(プロンプト)は、AIモデルの品質向上や再学習のために利用される可能性があります。
もし、自社の未発表製品の情報や顧客データなどを入力してしまうと、それがAIに学習され、将来的に他のユーザーへの回答として出力されてしまう(情報流出)リスクがゼロではありません。これを防ぐには、後述する「オプトアウト(学習拒否)」の設定が必要です。
リスク③:情報の正確性(ハルシネーション)
これは情報漏洩とは異なりますが、ビジネス利用における重大なリスクです。
Gensparkは、事実に基づかないもっともらしい嘘(ハルシネーション)を出力する可能性があります。特に最新のニュースや専門的な数値データなどについて、誤った情報を生成することがあります。AIの回答を鵜呑みにしてそのままビジネスの意思決定や資料に利用すると、重大なトラブルにつながりかねません。

4. 【実践編】Gensparkを安全に利用するための必須対策
上記のリスクを回避し、安全にGensparkを活用するためには、以下の運用ルールと設定を徹底してください。
対策①:機密情報の入力を禁止する(鉄則)
AIツール利用における最大の防御策は、「公開されて困る情報は絶対に入力しない」という運用ルールを徹底することです。
入力NGリスト
「匿名化すれば大丈夫だろう」という過信も禁物です。複数の情報を組み合わせることで特定されるリスクもあります。
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個人情報(氏名、住所、電話番号など)
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顧客名や取引先に関する非公開情報
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未発表のプロジェクト、新製品に関する資料
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自社のソースコードやパスワード、APIキー
対策②:公開範囲設定を毎回確認する(習慣化)
回答ページを生成した後は、必ず画面右上の「Share(共有)」アイコンを確認する習慣をつけてください。
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チェックポイント: Access設定が「Private(自分のみ)」になっているか確認する。
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運用ルール: チーム内共有のために一時的にリンクを公開した場合でも、用が済んだら速やかに「Private」に戻す。放置された共有リンクをなくすことが重要です。
対策③:AI学習へのデータ利用をオフにする(設定)
設定画面から、自分の入力データをAIの学習に利用させないように設定(オプトアウト)できる場合があります。ビジネス利用の場合は、必ずこの設定を確認し、可能な限り学習利用をオフにすることを推奨します。(※設定項目はアップデートにより変更される可能性があります。常に最新の設定画面を確認してください)
対策④:二重チェックの徹底(人間による検証)
AIの回答を重要な業務に利用する場合は、必ず人間が「ファクトチェック」を行ってください。
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Gensparkが提示した参照元ソースのURLを直接開き、内容が正しいか、文脈が合っているかを確認する。
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重要な数値やデータは、公式サイトや一次情報を別途検索して突き合わせる。

5. まとめ:リスクを正しく恐れ、賢く活用しよう
Gensparkは、標準的なセキュリティ対策を備えた信頼できるサービスですが、その便利な共有機能などが、使い方次第で情報漏洩の引き金になるリスクをはらんでいます。
「システムが安全だから大丈夫」と過信するのではなく、「最終的な安全管理はユーザー自身の手に委ねられている」という意識を持つことが重要です。
本記事で紹介したリスクを正しく理解し、機密情報を入力しないなどの適切な対策を講じた上で、この強力なツールをビジネスの効率化に役立ててください。
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