【Sora2の料金体系】招待コードで無料?Web版とアプリ、APIの価格を全解説

OpenAIの動画生成AI「Sora2」は、映像制作の常識を覆す品質を持っていますが、ビジネスで導入する際に最も気になるのが「料金(コスト)」です。
「高額なAPI課金しかないのか?」と思われがちですが、実は無料で利用できるルートも存在します。
しかし、利用デバイス(スマホアプリか、PCブラウザか)によって、その条件は大きく異なります。
本記事では、ブラウザ版の「招待コード」を入手して無料で使う裏ワザから、手軽なアプリ版、そしてビジネス向けのAPI従量課金まで、Sora2の複雑な料金体系と賢い使い分けを徹底解説します。
目次
そもそも「Sora2」とは?
Sora2は、2025年にOpenAIがリリースした最新の動画生成AIです。
テキストで指示(プロンプト)を入力するだけで、最大20秒程度の、驚くほどリアルで高精細な動画を生成します。
初代Soraからの大きな進化点は、映像だけでなく「音声(効果音・環境音)」も同時に生成できるようになったことや、生成した動画の一部だけを後から修正する「動画編集(インペインティング)」機能が搭載されたことです。
これにより、単なる実験的な技術から、プロの制作現場でも使える実用的なツールへと進化を遂げました。
関連記事:【動画生成AI】Sora2とは?初代Soraとの違いをわかりやすく解説
Sora2を利用する「4つのルート」と料金の違い
Sora2を利用するには、目的と予算、そして「招待枠」を持っているかによって、以下の4つのルートに分かれます。
1. Sora Mobile アプリ(一般向け・基本無料)
iOS/Android向けに提供されている公式アプリを利用する方法です。
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料金: 基本無料(App内課金あり)
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特徴:
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リリース当初は完全な招待制でしたが、2025年11月現在は一般開放され、招待コードなしで誰でもダウンロード・利用が可能になっています。
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Cameo機能(自分を動画に登場させる)などが使えますが、生成できる動画の秒数や解像度、商用利用には制限があります。
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最も手軽にSora2を体験できる入り口です。
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2. Sora Web ブラウザ版(招待制・ベータテスト無料)
PCのブラウザからアクセスする、研究用プレビュー版(Sora Labなど)です。
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料金: 無料(※招待コードが必要)
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特徴:
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開発者やクリエイター向けのテスト環境であり、一般公開はされていません。利用にはOpenAIから発行された、または既存ユーザーから譲り受けた招待コード(Invite Code)が必要です。
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テスターとしてフィードバックを提供する代わりに、比較的高機能な生成を無料で試せることが多い「特権的なルート」です。アプリ版よりも詳細なパラメータ設定が可能です。
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3. ChatGPT Plus / Team(定額サブスクリプション)
普段使っているChatGPTの有料プラン内で利用する方法です。
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料金: 月額 $20 (Plus) / $25 (Team)
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特徴:
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追加料金なしで、チャット形式で手軽に動画生成が可能です。
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アイデア出しや、絵コンテ作成の補助としての利用に向いています。
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4. Sora2 API(従量課金制・プロ向け)
自社サービスへの組み込みや、制限のない高品質な制作を行うためのビジネス向けルートです。
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料金: 完全従量課金(秒数 × 画質単価)。
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特徴:
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商用利用が可能で、システム連携や自動化に最適です。
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ビジネス活用の本命となるルートです。
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【無料ルート】Sora Web版の「招待コード」入手方法
PCブラウザでSora2を無料で使える「招待コード」。公式のウェイティングリスト以外に、可能性が高い入手方法がいくつか存在します。
方法①:コミュニティでの「招待コードリレー」に参加する
これが最も現実的かつ可能性が高い方法です。Sora Web版にアクセスできるようになったユーザーには、数枠の「友人招待枠」が付与されることがあります。これをユーザー同士で譲り合う「招待コードリレー(Pay it forward)」が、特定のコミュニティで行われています。
Reddit:
r/OpenAI や r/Sora といった掲示板には、招待コード専用のスレッド(Invite Chain)が立つことがあります。「コードをもらったら、次は自分が誰かに渡す」というルールの下で運用されています。
Discord
OpenAIの非公式ファンサーバーや、AIクリエイターのコミュニティサーバーで、コードの配布が行われることがあります。
X (旧Twitter)
「#SoraInvite」などのハッシュタグで検索すると、余った招待枠を配っているユーザーが見つかることがありますが、後述の詐欺には十分注意が必要です。
方法②:Red Teaming Networkへの参加申請
OpenAIは、AIのリスクや欠陥を調査する専門家ネットワーク「Red Teaming Network」を組織しています。ドメイン専門家やセキュリティ研究者として申請し、採用されれば、Soraを含む最新モデルへの早期アクセス権が付与されます。
方法③:公式コンテストへの参加
OpenAIは時折、クリエイター向けのコンテストを開催しています。XやInstagramで公式アカウントをフォローし、募集告知を見逃さないようにしましょう。
【重要】招待コード詐欺に注意!
招待コードを探す際は、以下の点に最大限の注意を払ってください。
「売買」は詐欺
SNSやフリマサイトで「招待コードを売ります」という投稿が見られますが、これらはほぼ100%詐欺か、規約違反で即アカウント停止になるものです。絶対にお金を払ってはいけません。
怪しいリンク
「ここからコードが入手できます」といって、フィッシングサイトに誘導する手口も横行しています。URLをよく確認しましょう。
【ビジネス本命】Sora2 APIの料金体系詳細
招待コードがない企業や開発者が、ビジネスで本格的にSora2を利用する場合は、APIを利用します。
| モデル名 | 解像度 | 単価 (1秒あたり) | 5秒動画のコスト |
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sora-2 (標準モデル) |
720p | $0.10 (約15円) | $0.50 (約75円) |
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sora-2-pro (高品質モデル) |
720p | $0.30 (約45円) | $1.50 (約225円) |
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sora-2-pro (最大解像度) |
1080p | $0.50 (約75円) | $2.50 (約375円) |
※API利用には、OpenAI APIアカウントのTier 1以上(累計$5以上の支払い実績)が必要です。
関連記事:【Sora2 APIが公開】OpenAIの生成AIが動画ビジネスをどう変えたか
【ケース別】ビジネス活用時のコスト試算
APIを利用した場合の現実的なコスト感を見てみましょう。
ケースA:SNSマーケティング(ショート動画の量産)
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目的: Instagramリール用に、標準画質の5秒動画を毎日1本投稿する。
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使用モデル:
sora-2($0.10/秒) -
コスト: 1ヶ月(30本)で $15.00(約2,250円)。非常にリーズナブルです。
ケースB:Web CM制作(高品質な映像素材)
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目的: 30秒CMのために、Proモデル高解像度で5秒カットを20パターン生成する。
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使用モデル:
sora-2-pro最大解像度 ($0.50/秒) -
コスト: 合計100秒生成で $50.00(約7,500円)。従来のCG制作費に比べれば圧倒的な安さです。
コストを抑えてSora2を使いこなす節約術
API課金は青天井になりがちです。以下の方法で賢くコストを抑えましょう。
無料アプリで「プロンプト実験」
まずは無料開放されたスマホアプリ版で、どのようなプロンプトが良い結果を生むかテストします。
標準モデルで「ドラフト」
構図の確認には安いsora-2を使い、本番出力だけsora-2-proを使います。
部分修正(インペインティング)
気に入らない箇所は、動画全体を作り直すのではなく、APIの編集機能を使って部分的に修正し、生成コストを節約します。
まとめ:目的別・Sora2の選び方
Sora2の料金体系は、利用者の属性によって最適解が異なります。
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一般ユーザー: 無料化された「Sora Mobile アプリ」で楽しむ。
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熱心なクリエイター: Redditなどのコミュニティで「Webブラウザ版」の招待コードリレーに参加してみる。
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ビジネス・開発者: 「Sora2 API」(従量課金)で、確実に高品質な成果物を作る。
特にビジネスにおいては、「アプリで試して、APIで本番」というハイブリッドな運用が、コストと品質のバランスを取るための鍵となるでしょう。





