【Microsoft発表】Copilot Studioの新機能とは?自社のAIをTeamsで使う時代へ

Microsoftは2025年7月16日、企業が独自に開発したAIエージェントを「Microsoft 365 Copilot」に統合できる、「Bring Your Own Agent(BYOA)」という新しいコンセプトを発表しました。

これを実現するツールとして、「Microsoft Copilot Studio」の新機能(プレビュー版)も同時に公開されました。
この動きは、多くのビジネスパーソンが日常業務の中心として利用するMicrosoft 365を、自社の業務に最適化されたAIエージェントが稼働するプラットフォームへと進化させるものです。

Microsoftが提唱する「Bring Your Own Agent」構想

多くの企業がAIエージェントの導入を検討する中、Microsoftがその普及を劇的に加速させる可能性を秘めた、重要な構想を発表しました。それは、AI活用の主戦場が、使い慣れた日常業務ツールの中になることを明確に示すものです。

“Bring your own agents”という新発想

Microsoftが提唱するのは「Bring Your Own Agent(BYOA:自社のエージェントを持ち込む)」という新しいコンセプトです。これは、企業が、自社の特定の業務や知識に合わせて独自に開発したAIエージェントを、Microsoft 365 Copilotという共通の基盤の上に持ち込み、統合できるようにする考え方です。これにより、汎用的なAIの能力に加え、自社特有のニーズに応える専門的なAIの能力を、全従業員が利用できるようになります。

Microsoft 365がオープンプラットフォームになる

この戦略の核心は、Word、Excel、Outlook、そして特にTeamsといった、従業員が毎日使うアプリケーションを、あらゆるAIエージェントを呼び出し、連携させるための中心的なプラットフォームと位置づけている点にあります。従業員は業務の文脈を離れることなく、必要な時に必要なAIエージェントをシームレスに活用できるようになります。

実現の鍵を握る「Copilot Studio」と新機能(プレビュー版)

この「Bring Your Own Agent」構想を実現するための具体的なツールとして、Microsoftはローコード開発ツールである「Microsoft Copilot Studio」の機能を拡張しました。

「Copilot Studio」に新設された「Agent Builder」

今回の発表の中心となるのが、「Microsoft Copilot Studio」にプレビュー版として新たに追加された「Agent Builder」です。このツールを利用することで、開発者は自社で構築したカスタムAIエージェントをMicrosoft 365 Copilotに接続し、Microsoft Teamsなどのアプリケーション内で、まるで標準機能の一部であるかのようにネイティブに動作させることが可能になります。これにより、企業は自社の既存のAI投資を活かしながら、Microsoft 365のエコシステム上でその能力を拡張することができます。

なぜ「自社エージェントの持ち込み」が重要なのか

企業が汎用的なCopilotだけでなく、自社独自のAIエージェントをMicrosoft 365上で利用できることには、大きな戦略的意義があります。

専門業務へのAI適用を加速

企業には、業界特有の専門知識や、社内独自の複雑な業務プロセスが数多く存在します。汎用的なAIでは対応しきれない、こうした専門領域のタスクを自動化・支援するためには、その業務に特化したカスタムAIエージェントが不可欠です。「Bring Your Own Agent」構想は、こうした自社専用のAIエージェントを、全従業員が最も利用するMicrosoft 365というプラットフォーム上で活用できる道を開きます。

導入障壁の低いシームレスな体験

従業員にとっての最大のメリットは、普段使い慣れたTeamsのチャット画面などから、自社の業務に特化したAIエージェントを呼び出せる点です。新しいツールやインターフェースの使い方を学習する必要がなく、導入に対する心理的な障壁が劇的に下がります。これにより、AIの活用が一部の先進的な部門に留まらず、全社的に浸透していくことが期待できます。

まとめ

Microsoftが発表した「Bring Your Own Agent」構想と、それを実現する「Copilot Studio」の新機能(プレビュー版)は、AIエージェントの普及と活用のあり方を大きく変えるものです。企業が日常的に利用するMicrosoft 365を、自社独自のAIエージェントが稼働するオープンプラットフォームとして開放することで、従業員の生産性を飛躍的に向上させます。

使い慣れたTeamsから、自社の専門業務を支援してくれるカスタムAIエージェントを呼び出す。そんな働き方が、もうすぐ当たり前になるかもしれません。BtoB企業は、自社の業務プロセスをMicrosoft 365上でどのように自動化・高度化できるか、その可能性を今から検討し始めるべきでしょう。

出典:Microsoft

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