OpenAIが画面操作を自動化する新機能Record & Replayを公開

画像:AIエージェントナビ編集部

日々のルーチンワークに追われ、本来注力すべき戦略的業務に時間を割けていないという課題を抱えるDX担当者は少なくありません。このたびOpenAIが発表した新機能は、AIが画面上の操作を直接学習することで、これまで自動化が困難だったPC上の定型作業を代行可能にするものです。

本記事では、この技術の仕組みと、企業における業務効率化への影響を詳しく解説します。

画面操作をAIが学習するRecord & Replayの仕組み

見せて覚えさせる直感的な自動化

OpenAIが公開した「Record & Replay」は、同社のコーディング支援ツールにおいて、ユーザーのPC操作を記録し、それを再利用可能な「スキル」として変換する機能です。プログラミングの知識は一切不要で、ユーザーがMac上で一度作業を実演するだけで、AIがその手順を観察・記憶します。これにより、複雑なAPI連携やシステム開発を介さずとも、既存の業務フローをそのままAIエージェントに移植することが可能となります。

Computer Use機能による実効性

本機能の基盤となっているのは、AIが画面を認識し、マウス操作やキーボード入力を実行する「Computer Use」機能です。AIは単にテキストを生成するだけでなく、OS上のアプリケーションを直接操作できるため、ブラウザ上の操作はもちろん、デスクトップアプリを横断した一連の業務を完結させることができます。現在はmacOS環境での提供となっており、AIがユーザーの作業環境を正確に把握することで、高い再現性を実現しています。

業務効率化を加速させる対象領域と活用シーン

定型業務の自動化による工数削減

Record & Replayが特に威力を発揮するのは、頻繁に発生する繰り返し作業です。具体的には、経費精算の提出、休暇申請、駐車スペースの予約、定例レポートのダウンロード、動画の公開といった業務が対象となります。これらの作業は、一つひとつは短時間であっても、積み重なると大きな工数となります。AIがこれらを代行することで、従業員はより付加価値の高い業務に集中できる環境が整います。

業務フローの標準化と属人化の解消

これまで、特定の担当者しか知らない「PC操作のコツ」や「手順」が業務の属人化を招くケースが多く見られました。Record & Replayを活用して業務フローを「スキル」として保存・共有することで、組織全体での業務標準化が促進されます。一度作成したスキルは再利用可能であるため、新入社員のオンボーディングや、担当変更時の引き継ぎコストを大幅に削減する効果も期待できます。

導入に向けた留意点と今後の展望

利用環境と提供範囲の制限

現時点では、本機能はmacOS版のみの提供となっており、Computer Use機能の有効化が必須条件です。また、欧州経済領域(EEA)、英国、スイスは当初の提供対象外とされています。企業導入を検討する際は、自社のOS環境やセキュリティポリシーとの整合性を確認する必要があります。AIが画面を操作するという特性上、機密情報を取り扱う業務での利用には、適切な権限管理とガバナンスの策定が不可欠です。

AIエージェント時代の業務設計

Record & Replayの登場は、AIを「ツール」として使う段階から、AIを「エージェント(代理人)」として業務に組み込む段階への移行を象徴しています。今後は、どの業務をAIに委ね、どの業務を人間が担うべきかという「業務の再定義」が経営層に求められます。まずは小規模な定型業務からAIによる自動化を試し、徐々に適用範囲を広げていくアプローチが、リスクを抑えつつ最大の効果を得るための鍵となるでしょう。

まとめ

  • Record & Replayは、画面操作を実演するだけでAIが業務を学習・代行する新機能です。
  • プログラミング不要で、経費精算やレポート作成などの定型業務を自動化できます。
  • macOS環境で利用可能であり、業務の属人化解消と効率化に大きく貢献します。
  • 導入時はセキュリティとガバナンスを考慮し、まずは小規模な業務から適用を開始してください。

💡 編集部の見解

PC操作を直接AIに学習させる本機能は、業務自動化のハードルを劇的に下げ、AIエージェントの実用化を加速させる転換点となります。

  • 操作の直接学習:Computer Use機能により、AIが画面を認識してマウスやキーボードを操作するため、API連携が不要な既存アプリの自動化が可能です。
  • 導入の簡便さ:プログラミング不要で業務を「スキル」として移植できるため、専門的な開発リソースがない企業でも即座に導入を検討できます。

まずは自社の定型業務を棚卸しし、AIに委ねるべき作業を特定することから始めてみるのが賢明です。

出典:OpenAI

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