【HRテックの未来】エンゲージメント調査はもう古い？行動データで組織を診断するAIエージェント

2025年8月27日、メタリアル・グループの株式会社ロゼッタは、組織改革を支援するAIエージェント「Metareal オートカルチャー（Metareal AC）」の提供を開始しました。

このサービスは、従来のアンケートベースの組織診断とは一線を画し、客観的な「行動データ」を基に組織の状態を可視化し、改善までをAIが支援します。
AIエージェントが、ついに組織文化や働き方という、複雑な経営課題にまで踏み込みます。

メタリアル・グループが投じる、組織改革の新たな一手

AI技術で多様な業界のDXを支援するメタリアル・グループが、今度は「組織」という、企業にとって最も重要かつ複雑なテーマに切り込む、先進的なAIエージェントをリリースしました。「Metareal オートカルチャー（Metareal AC）」は、HRテックの新たな可能性を切り拓くソリューションとして注目されます。

従来の組織診断の課題

多くの企業では、従業員の満足度や働きがいを測るために、定期的なエンゲージメント調査などを実施しています。しかし、これらの手法は従業員の「意識」や「感情」といった主観的な回答に依存するため、必ずしも組織のリアルな状態を正確に反映しているとは限りませんでした。また、経営層が組織全体の状況を肌感覚で把握しようとすると、意思決定のボトルネックとなり、CEOやマネジメント層の過剰な稼働に繋がるという課題もありました。

「意識」ではなく「行動」を分析：Metareal ACの革新的なアプローチ

「Metareal AC」が革新的である理由は、主観的な「意識」ではなく、客観的な「行動データ」に基づいて組織を分析する点にあります。AIエージェントが、日々の業務プロセスの中で生まれるデータを直接測定・分析することで、よりリアルで正確な組織診断を可能にします。

組織の「自走性」をスコア化

このAIエージェントが着目するのは、チームの「自走性」、すなわち、どれだけ自律的に業務を遂行できているか、という指標です。具体的には、以下のような客観的な行動データを分析します。

• タスクの完了速度: チームがタスクをどれくらいのスピードで完了させているか。
• 指示への依存度: 上長からの詳細な指示がなくても、業務を進められているか。

AIはこれらのデータを指数化し、「自走性マップ」として組織の状態を自動で可視化します。これにより、経営層や人事担当者は、どのチームが順調に機能し、どのチームがサポートを必要としているのかを、一目で把握することができます。

診断から「処方箋」まで：AIによる自律的な組織改善

「Metareal AC」は、単に組織の状態を診断して終わりではありません。その先にある「改善」のプロセスまでを、AIエージェントが自律的に支援します。

AIによる「処方箋ワークフロー」の提案

分析の結果、自走性が低いと判断されたチームに対して、AIは具体的な改善策を盛り込んだ「処方箋ワークフロー」を自動で提案し、展開します。例えば、情報共有のプロセスを見直すための新しいツール連携を提案したり、意思決定の権限移譲を促すための新しい会議体を設定したりといった、具体的なアクションプランを提示します。

これは、AIが組織の「健康診断」を行うだけでなく、改善のための「治療」までを担うことを意味します。これにより、経営層や人事担当者は、問題解決のための具体的な施策立案にかかる負担を大幅に軽減し、より戦略的な組織改革に集中できるようになります。

まとめ

株式会社ロゼッタが提供を開始した「Metareal オートカルチャー」は、AIエージェントの活用が、単純な業務自動化から、組織の文化や働き方といった、より高度で複雑な経営課題の解決へと進んでいることを示す、先進的な事例です。

客観的な「行動データ」に基づいて組織の自走性を診断し、AIが改善のための「処方箋」までを提案する。この新しいアプローチは、従来のエンゲージメント調査が抱えていた課題を乗り越え、データに基づいた真の組織改革を実現するための、強力な武器となるでしょう。HRテックの未来を占う上で、このMetarealの挑戦から目が離せません。

出典：PR TIMES