採用は「口説き」の時代へ。採用AIエージェントが生成する「アトラクトレター」の効果とは

2025年10月31日、クラウド型採用管理システム「採用一括かんりくん」を提供するHRクラウド株式会社が、同システムに搭載された「採用AIエージェント」の第三弾アップデートを発表しました。

今回のアップデートは、単なる業務効率化に留まらず、候補者の入社意欲を高める「魅力づけ」に特化している点が最大の特徴です。AIが「口説き」のプロセスを支援する、新しい採用DXの形が見えてきました。

採用DXの次なる課題：「効率化」の先にある「魅力づけ」

人材獲得競争が激化する現代において、企業の採用活動は大きな転換点を迎えています。AIの導入により、応募者管理や日程調整といった作業の「効率化」は進んできました。しかし、それだけでは優秀な人材を確保することはできません。次の重要な課題は、「いかにして候補者に入社意欲を持ってもらうか」という、採用プロセスの「質」の向上、すなわち「魅力づけ（アトラクト）」です。

HRクラウド株式会社が発表した「採用一括かんりくん」の最新アップデートは、まさにこの「魅力づけ」の課題をAIエージェントの力で解決しようとする、HR Tech分野の先進的な取り組みです。

AIが「口説き」を支援する新機能「アトラクトAI」とは

今回のアップデートで中核をなすのが、新機能「アトラクトAI」です。この機能は、採用担当者の工数を削減しつつ、候補者一人ひとりへのきめ細やかな対応を可能にし、候補者体験の質を劇的に向上させることを目的としています。具体的には、2つのアシスタント機能が搭載されました。

1. 候補者一人ひとりに響く「AIアトラクトレター」

面接後、候補者に送る次選考の案内メールは、単なる事務連絡になりがちです。しかし、「AIアトラクトレター」機能は、面接官が記録した評価や会話内容をAIエージェントが解析。その候補者個人に最適化された「あなただからこそ次に進んでほしい」という、特別感のある選考案内（お礼メール）を自動で生成します。

パーソナライズされた心のこもったメッセージは、候補者の候補者体験を向上させ、「この会社は自分をしっかり見てくれている」という信頼感を醸成し、入社意欲（アトラクト）を強力に高めます。

2. 面接官の連携を強化する「AI申し送り作成アシスタント」

候補者が選考プロセスでストレスを感じる瞬間の一つに、「前の面接で話したことを、また次の面接官に説明しなければならない」というものがあります。「AI申し送り作成アシスタント」は、この問題を解決します。

一次面接官がシステムに入力した評価やコメントをAIエージェントが自動で要約し、次の面接官が知るべき重要な申し送り事項を的確に作成します。これにより、面接官間の情報共有がスムーズになり、候補者は二度手間を感じることなく、より深いレベルでの対話が可能になります。これもまた、候補者体験の質を向上させる重要な要素です。

AIが拓く、次世代のHR Techと採用DX

「アトラクトAI」の登場は、AIエージェントの役割が、採用の「裏方」業務から「表舞台」のコミュニケーション支援へと、その領域を拡大していることを明確に示しています。

「効率」と「質」の両立

この新しいAIエージェントは、採用担当者の業務工数を削減するという「効率化」の側面と、候補者へのパーソナライズされた対応を実現するという「質の向上」の側面を両立させています。採用担当者は、AIが作成したドラフトを基に、より本質的な候補者との関係構築や、採用戦略の立案といった、人間にしかできない業務に集中できるようになります。

まとめ

HRクラウド株式会社の「採用一括かんりくん」に搭載された新機能「アトラクトAI」は、採用DXの最前線を示すものです。AIエージェントが、単なる作業の自動化ツールに留まらず、候補者の心に響く「魅力づけ」という、高度なコミュニケーション領域までを支援する。この動きは、HR Techの新たなトレンドとなるでしょう。

人手不足が深刻化する中で、いかにして優秀な人材に選ばれる企業になるか。その答えの一つが、AIエージェントを活用した、効率的かつ高品質な候補者体験の提供にあるのかもしれません。

出典：PR TIMES