tsuzumi 2の料金はなぜ個別見積もり?Azure版とオンプレミスの比較

AI導入を検討する際、「GPTのような汎用モデルはコストやセキュリティの面で不安」と感じる経営者やDX担当者は少なくありません。機密情報を守りつつ、日本のビジネス特有の曖昧なニュアンスを理解できるAIを求めているなら、NTTの「tsuzumi 2」が有力な選択肢となります。

本記事では、2025年リリースの「tsuzumi 2(30B)」や2026年5月リリースの「tsuzumi 2 Vision」を軸に、その料金構造や、なぜ一律の価格表が存在しないのか、そしてオンプレミスとクラウドのどちらを選ぶべきかという判断基準を解説します。

この記事に対する編集部の見解

  • 競合大型LLMに比べGPU投資が1/5〜1/20で済む軽量設計が自治体・医療・金融の採用理由
  • 学習データを完全フルスクラッチで構築した純国産の法的クリーンさがデジタル庁採用の決め手になった
  • 地域病院の診断支援AIで医師の業務時間40%削減など、閉域ネットワーク前提の現場で実績が出ている

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tsuzumi 2に一律の料金表がない理由

tsuzumi 2は、Webサイトから申し込んで即座に使い始めるSaaS(サービスとしてのソフトウェア)とは異なり、企業の業務基盤として統合するソリューションビジネスとして提供されています。

ソリューション提供の理由

tsuzumi 2は、単なるチャットボットではなく、企業の既存システムや内部データと密接に連携する「AI基盤」です。セキュリティ要件が厳しい金融機関や公共機関での利用を前提としているため、単にモデルを利用するだけでなく、ネットワーク構成やデータ保護の仕組みを個別に構築する必要があります。そのため、標準価格という概念よりも、プロジェクトの内容に応じた個別見積もりが基本となります。

カスタマイズ前提の背景

導入検討時には、以下の要素がコストに直接関わります。
- 導入規模(全社展開か、特定の部署のみか)
- セキュリティ要件(インターネットからの完全分離、あるいは閉域網接続の必要性)
- システム連携(既存の基幹システムや社内ドキュメント管理システムとの接続)

これらの要件が固まることで初めて、最適な構成とそれにかかる費用が算出されます。

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図解:なぜ「tsuzumi 2」には一律の料金表がないのか?

導入形態別のコスト構造と特徴

tsuzumi 2の導入形態には大きく分けて、クラウドを活用する「Azure版」と、自社環境で構築する「オンプレミス版」の2パターンがあります。

導入形態 特徴 主な活用シーン
Azure版(MaaS経由) 従量課金・迅速な導入 PoC(概念実証)、試験導入
オンプレミス版 資産化・データ完全秘匿 本格運用、極秘文書の取扱い

Azure版の活用と費用感

Microsoft AzureのMaaS(Model as a Service)経由で提供されるtsuzumi 2は、迅速な試験導入に適しています。初期のインフラ構築コストを抑え、実際の業務データでの精度検証(PoC)を行いたい場合に最適です。利用した分だけ料金が発生する従量課金モデルであるため、まずは少人数のチームで「どれほど日本語のニュアンスを理解できるか」を試すのに適しています。

オンプレ版の投資と運用費

オンプレミス環境での構築は、自社専用のサーバーにtsuzumi 2をインストールする形態です。データの外部流出リスクを極限まで低減できるため、取り扱う情報に厳しい機密性が求められる場合に適しています。初期投資にはサーバーのハードウェア費用が含まれますが、長期的にはAPI利用料の変動に左右されない安定した運用コストを実現できる点がメリットです。

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図解:【導入形態別】コスト構造と特徴を比較

tsuzumi 2のコストパフォーマンス

tsuzumi 2の最大の強みは、超大型の汎用LLM(大規模言語モデル)と比較して、はるかに少ないリソースで高いパフォーマンスを発揮できる「軽量設計」にあります。

1GPUで動作する軽量設計

通常、数千億パラメーターを超えるような超大型モデルを運用するには膨大なGPUリソースが必要となり、インフラコストが青天井になりがちです。一方で、tsuzumi 2は30B(300億パラメーター)というサイズでありながら、1基のGPU(A100相当)で十分な推論速度を確保できます。これにより、競合モデルと比較してインフラ投資額を1/5〜1/20程度まで抑制できる可能性があります。

日本特有の文書理解とコスト削減

AIの運用コストは、インフラ費だけではありません。生成された回答が不適切だった場合、人間が修正を加える「手直しコスト」が発生します。tsuzumi 2は日本特有のビジネス文書や行間を読む能力に長けているため、人間による修正工数を最小限に抑えることができ、結果として業務プロセス全体のコスト削減に寄与します。

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図解:競合と比較して見えてくる「tsuzumi 2」のコストパフォーマンス

導入検討者が取るべき判断ロジック

導入を成功させるためには、自社の要件に合わせた冷静な判断が求められます。以下の2つのステップで検証を進めましょう。

PoCでの日本語適合性の検証

まずは、自社の業務で扱う特有の文書を用いて、tsuzumi 2の回答精度をテストしてください。デジタル庁の「源内(Gennai)」への選定実績があることからもわかる通り、行政機関レベルの厳格な基準を満たす性能を有しています。特に、曖昧な指示に対する理解力や、規程集に基づいた正確な要約ができるかを重点的にチェックしましょう。

Visionモデルによる資料自動化

2026年5月にリリースされた「tsuzumi 2 Vision」は、図表やグラフを直接読み取れる機能を持っています。これまで人間がExcelやPDFから手入力していた情報をAIが即座に構造化データへ変換するため、これまで自動化が困難だったオフィス業務の効率化が期待できます。

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図解:導入検討者がまず取るべき「判断ロジック」

tsuzumi 2でDXを加速させるには

オンプレ構築と見積もりのコツ

稟議をスムーズに進めるためには、以下の項目を事前に整理しておきましょう。
- AIに処理させたいデータの機密レベル(社外秘か、一般公開情報か)
- 想定する利用人数とアクセス頻度
- 連携が必要な既存システムの種類
これらが明確であれば、見積もり依頼がスムーズに進み、適切な構成プランの提案を受けられます。

個別相談による構成プラン策定

AI導入は、ツールの選定以上に「自社のどの業務をAIに担わせるか」という設計が重要です。まずは専門の相談窓口を通じ、自社の現状課題をヒアリングしてもらい、PoCから本格運用までのロードマップを描くことを推奨します。

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図解:tsuzumi 2の導入でDXを加速させるために

まとめ

tsuzumi 2は、機密性を保ちながら運用コストを最適化できる、日本企業に最適なAI基盤です。

  • tsuzumi 2はSaaSではなくソリューションとして提供されるため、要件に応じた個別見積もりが基本です。
  • 導入初期はAzure版でPoCを行い、運用環境が整ったらオンプレミス版へ移行するのが理想的です。
  • 1GPUで動作する軽量性能と、日本特有の日本語理解力により、インフラ投資と運用工数の両面で高い費用対効果が見込めます。
  • まずは自社の機密レベルと業務要件を整理し、最新のVisionモデルを含めた導入プランを相談してみましょう。

今すぐ自社の具体的な導入要件を整理し、専門チームへの相談を始めてみてください。

AIエージェントナビ編集部の見解

AIエージェントナビでは、各記事のテーマについて編集長が「実際どうなの?」という素朴な疑問を「Nav」と名付けたAIエージェントにぶつけています。エンジニアではなく、経営者・ビジネス視点からの率直な見解をお届けします。

編集長の率直な感想

編集長

正直、「高精度・安全・日本語対応」を謳うオンプレLLMはどれも似たり寄ったりに見えるんですよ。tsuzumiが実際に選ばれている理由は何ですか?

Nav

一番の差別化はハードウェアコストです。LlamaやDeepSeekの大型モデルを動かすには5,000万〜1億円のGPU投資が必要ですが、tsuzumi 2は約500万円の構成で動く。自治体や地方病院が導入できている理由はここにあります。

編集長

「純国産」も他社が言っていますよね。何が違うんですか?

Nav

「純国産」の中身が違います。tsuzumi 2はLlamaやMistralを土台にしたファインチューニングではなく、学習データの選定から完全フルスクラッチで構築されています。デジタル庁が源内のLLMを選定した際に「学習データの法令遵守状況」を審査基準にしたのも、この点が評価されたためです。

編集長

民間の導入実績はどうですか?デジタル庁だけだと公共向けのイメージが強くて。

Nav

引き合いは累計2,000件を超えており、医療と金融が中心です。地域の中核病院がオンプレで診断支援AIとして使い、医師の業務時間を40%削減した事例があります。患者データを外部ネットワークに一切出さずに使えるという点が、コンプライアンス重視の現場での決め手になっています。

編集部のまとめ

  • 競合大型LLMに比べGPU投資が1/5〜1/20で済む軽量設計が自治体・医療・金融の採用理由
  • 学習データを完全フルスクラッチで構築した純国産の法的クリーンさがデジタル庁採用の決め手になった
  • 地域病院の診断支援AIで医師の業務時間40%削減など、閉域ネットワーク前提の現場で実績が出ている

 
 
 

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