【Google Cloudレポート】AIエージェントが創出する1兆ドル市場とパートナーの新たな役割

2025年7月18日 2025年7月18日 AIエージェントナビ編集部

AIエージェントナビ編集部

Google Cloudは2025年7月18日、エージェント型AI（Agentic AI）がもたらす未来に関する新たな戦略レポートをパートナーエコシステム向けに発表しました。
その中で示されたのは、「パートナー向けに約1兆ドル規模のグローバルサービス市場が創出される」という衝撃的な予測です。

このレポートは、AIエージェントが巨大なビジネスチャンスを生み出すと同時に、その市場で成功するためにはパートナー企業の役割そのものが進化する必要があることを示唆しています。

Google Cloudが投じる未来予測：「1兆ドル」規模のエージェント型AI市場

ITインフラを支える巨人、Google Cloudが、AIエージェント市場の未来に関する壮大なビジョンを提示しました。同社が新たに発表したパートナーエコシステム向けの戦略レポートは、AIエージェントが単なる技術トレンドに留まらず、世界経済に巨大なインパクトを与える存在であることを明確に示しています。

「1兆ドル市場」の衝撃

このレポートで最も注目すべきは、エージェント型AIが創出する市場規模に関する予測です。Google Cloudは、パートナー企業がAIエージェント関連のコンサルティング、開発、運用といったサービスを提供することで生まれる市場が、グローバルで約1兆ドル（日本円にして約150兆円以上）に達する可能性があると指摘しました。

この予測の背景には、AIエージェントが企業のあらゆる業務プロセスに浸透し、根本から変革していくという確信があります。そして、その変革を支援する広範なサービス需要が、この巨大な市場を形成するというのがGoogle Cloudの見立てです。

パートナーに求められる役割の進化：「技術導入者」から「ビジネス変革の主導者」へ

Google Cloudのレポートは、この巨大な市場でパートナー企業が成功を収めるためには、その役割を大きく進化させる必要があると提唱しています。もはや、単に技術や製品を顧客に導入するだけでは不十分なのです。

ビジネスプロセスを再設計する役割

レポートによれば、これからのパートナー企業に求められるのは、顧客のビジネスプロセスそのものを深く理解し、AIエージェントの力でいかに再設計できるかを提案・実行する能力です。どの業務を、どのように自動化し、それによって生まれる時間を人間がどのように活用するのか。そうした、より上流のビジネスコンサルティング領域まで踏み込むことが重要になります。

エージェントのライフサイクル全体を管理

さらに、AIエージェントを導入して終わりではなく、その後の運用、パフォーマンス監視、継続的な改善といったライフサイクル全体を管理し、顧客のビジネス成果にコミットする役割も求められます。これは、パートナー企業が顧客と長期的な関係を築き、共に成長していくビジネスモデルへの転換を意味します。

オープンなエコシステム構築への意志

Google Cloudは、この「1兆ドル市場」の形成を自社だけで独占するのではなく、多くのパートナーと共に、オープンなエコシステムを構築することで主導しようとしています。

オープンソースへの貢献

レポートでは、Googleがオープンソースの「Agent Development Kit (ADK)」や、AIエージェント同士が相互に通信するためのプロトコル「Agent2Agent (A2A)」といったプロジェクトに貢献していることにも触れられています。これは、特定のベンダーの技術に縛られることなく、多様で革新的なAIエージェントが自由に生まれ、連携できる土壌を育もうとする、同社のオープンな姿勢の表れです。

このオープンなエコシステムは、AIエージェントを導入する企業にとってはより多くの選択肢と健全な競争を、そしてソリューションを開発するパートナー企業にとってはより大きなビジネスチャンスをもたらすでしょう。

まとめ

Google Cloudが発表した新たな戦略レポートは、「1兆ドル」という衝撃的な数字と共に、エージェント型AIが創り出す巨大な経済圏の到来を告げるものです。そして、その市場で成功の鍵を握るのは、単なる技術力だけでなく、顧客のビジネスを深く理解し、変革を主導できるパートナーの存在です。

この発表は、BtoB企業に対し、AIエージェントを単なる効率化ツールとしてだけでなく、自社のビジネスを大きく飛躍させるための戦略的な機会として捉えることを促しています。そして、その変革を実現するためには、信頼できるパートナーと共に、自社のビジネスプロセスそのものを見直す覚悟が求められます。Googleが示した未来図は、すべての企業にとって、自社のAI戦略を再考する重要なきっかけとなるでしょう。

出典：Google Cloud