特許業務を変革するAIエージェント:「MyTokkyo.Ai」がロボット制御の発明抽出を自動化

2025年11月28日、リーガルテック株式会社は、同社の知財DXプラットフォーム「MyTokkyo.Ai」を活用した最新の導入事例を発表しました。
今回の事例では、ロボット制御技術の開発現場において、実験データからAIエージェントが「発明」を自動抽出し、特許出願までの検討プロセスを劇的に短縮させることに成功しました。
これは、AIが単なる事務処理だけでなく、高度な知的生産活動を支援できることを証明する画期的な成果です。
テキストだけじゃない。音声や動作データから「発明」を発掘
特許調査や発明発掘といえば、これまでは技術者が作成した提案書(テキスト)をベースに行うのが一般的でした。しかし、最先端の研究開発現場には、まだ言語化されていない「発明の種」が膨大な実験データの中に眠っています。
非構造化データの壁を突破
今回の事例で対象となったのは、「音声とジェスチャーを統合したロボット制御技術」です。MyTokkyo.Aiに搭載されたAIエージェントは、テキストデータだけでなく、実験で得られた音声波形データやジェスチャー動作ログといった「非構造化データ」を直接解析しました。
相関関係から「新規性」を特定
AIは、音声コマンドとロボットの動作反応の時系列的な相関関係を分析し、「特定の音声と動作の組み合わせにおいて、従来技術にはない新規な制御ロジック(発明のポイント)が存在する」ことを自動的に抽出・特定しました。人間が感覚的に捉えていた事象を、AIが論理的な発明要素として定義したのです。
開発と知財の橋渡し:検討期間を60%短縮
開発エンジニアにとって、自らの技術成果のどこに「特許性(新規性・進歩性)」があるのかを判断し、言語化することは容易ではありません。一方で、知財担当者は技術の細部や実験データのニュアンスを完全に把握することが難しく、両者のコミュニケーションには多大な時間がかかっていました。
コミュニケーションギャップの解消
MyTokkyo.Aiは、このギャップを埋める役割を果たしました。AIエージェントが実験データから客観的な技術的特徴を抽出し、特許請求の範囲(クレーム)の草案となる論理構成を提示することで、エンジニアと知財担当者の議論はスムーズに進行しました。
2週間から5日へ
その結果、従来は発明の抽出から出願内容の確定までに2週間以上を要していたプロセスが、わずか約5日間に短縮されました。約60%もの時間短縮は、技術開発のスピードが命であるテック企業にとって、極めて大きな競争優位性となります。
「発明の品質」を高めるAIパートナー
単にプロセスが早くなるだけではありません。AIエージェントの活用は、最終的な特許出願の「質」の向上にも貢献しています。
定量的な裏付けによる説得力
AIエージェントは、抽出した発明ポイントに対し、類似特許との比較や、技術的効果の定量的な裏付けを行うことで、出願書類(ドラフト)の品質を高めました。「なんとなく凄そう」ではなく、「データに基づき、ここが他社と違う」と論理的に説明された出願書類は、審査における説得力を増し、強い権利の取得に繋がります。
まとめ
リーガルテック株式会社が発表したこの事例は、AIエージェントの活用領域が、既存の特許調査(リサーチ)から、発明の創出支援(クリエイション)へと広がっていることを示しています。
R&D部門に眠る膨大な非構造化データをAIが解析し、価値ある知的財産へと変換する。MyTokkyo.Aiのようなソリューションは、日本の製造業やハイテク企業が持つ技術力を、正しく資産価値に変えていくための強力な武器となるでしょう。
出典: PR TIMES






