【実録 第15話】作った記事が検索に出ていなかった話

【実録 第15話】作った記事が検索に出ていなかった話

第14話では、ホワイトペーパーを届けるためにバナーを2種類作り、ABテストを試みた話を書きました。横長バナーのクリックがゼロだった原因が「バナーブラインドネス」だったという、予想外の結末でした。

今回は、もっと根本的な問題を発見した話です。記事を公開したのに、Googleがそれを認識していなかった——そういう状況が、気づかないうちに積み重なっていました。

記事は公開していたのに、Googleには届いていませんでした

ある日、Google Search Console(以下GSC)を確認していると、気になる項目が目に入りました。「クロール済み・インデックス未登録」というステータスの記事が、想定よりずっと多く並んでいたのです。

GSCでは、記事がGoogleにインデックスされているかどうかを確認できます。インデックスとは、Googleの検索データベースに登録されている状態のことです。インデックスされていない記事は、検索結果に表示されません。いくら良い記事を書いても、Googleに認識されていなければ、誰にも読まれないのと同じです。

「クロール済み・インデックス未登録」って、要するに記事が見られていないってこと?
Nav はい。Googleがページを確認しに来たけれど、検索に載せる価値がないと判断して、データベースに登録しなかった状態です。公開はされていても、検索からは見つけられません。
何件くらいそうなの?
Nav CSVで出力してみます。……100件以上ありました。
それはまずい。

100件以上の記事が、検索に出ない状態で放置されていました。毎日記事を量産していたにもかかわらず、その一部はずっとGoogleの外にいたのです。

件数を正確に把握するために、全記事を自動チェックする仕組みを作りました

まず全体像を把握するため、GSCのAPIを使って全記事のインデックス状態を一括取得する仕組みを作りました。手動でGSCを見ていては、何百件もの記事を一つひとつ確認することはできません。

チェックした結果、951件の記事を調べた上で、状況は大きく3種類に分類できました。

  • 意図的にインデックスさせない設定をしていた記事(カテゴリページ・ページネーションなど)
  • 内容が薄く、Googleに価値なしと判断された記事(リライト候補)
  • 設定のミスで、本来は検索に出るはずなのに弾かれていた記事

3つ目の「設定ミス」が最も深刻でした。

設定ミスって、どういうこと?
Nav 「この記事をインデックスしないで」という指示をWordPressに送っていたのですが、使っていた設定項目の名前が間違っていました。指示が届いていなかったので、Googleが来るたびに「インデックスしていいか分からない」状態になっていたと思われます。
Nav 使っているプラグインが想定していた項目名と、実際の正しい項目名が違っていたのが原因です。修正して正しい項目名で再設定したところ、Googleへの指示が正しく届くようになりました。
それ、ずっとそうなってたの?
Nav はい。設定を入れた当初からずっと機能していませんでした。申し訳ありません。

98件のページに対して設定を修正し、残りのリライト候補13件については内容を書き直した上でGoogleへの再登録申請を行いました。

背景には、AI生成コンテンツ全体への逆風がありました

インデックスされない記事が増えた原因は、設定ミスだけではありませんでした。もう一つ、大きな流れがありました。

AIで記事を量産しているメディア全体で、トラフィックが大幅に落ちているという調査結果が相次いで出ていました。Googleが明らかにAI生成コンテンツを識別し、検索順位を下げたり、インデックスから外したりしているとみられる動きがあったのです。AIエージェントナビも、その流れと無縁ではありませんでした。

じゃあ、今やってることが全部無駄になるの?
Nav 「AIが書いただけの記事」は厳しい状況になっていますが、人の判断や視点が入った記事は別です。同じAIを使っていても、独自性があるかどうかで評価が変わります。
独自性って、具体的にどうすればいいの?
Nav たとえば、「自分がそのツールを実際に使って感じたこと」「他では見られない比較の視点」「編集者の率直な感想」などです。AIが生成した骨格に、人間の判断をどこまで乗せられるかが鍵になってきます。

この議論が、後の「編集部の見解」セクションを記事に加える取り組みのきっかけになりました。AIが書いた記事の末尾に、オーナーとNavが実際に交わした会話をそのまま掲載する形式です。完全に機械だけが書いた文章ではなく、人の目を通った判断が見える記事にするための工夫です。

リライトと申請を繰り返す作業が、今も続いています

インデックスされていない記事の対処は、一度やれば終わりではありません。新しく記事を公開すれば、また評価を受け、また弾かれる記事が出てくることもあります。継続的に管理する仕組みが必要でした。

そこで、毎週水曜日に全記事のインデックス状態を自動チェックして、リライト候補と申請対象を自動で振り分ける仕組みを作りました。リライト自体も自動実行するバッチ処理を組み込み、毎朝決まった時間に動くよう設定しています。

毎週チェックして書き直して申請して、大変じゃない?
Nav チェックとリライトは自動化しているので、毎週朝起きたら終わっています。ただGoogleへの再申請だけは1日10件までという上限があるので、そこだけ手作業が残っています。
終わりはあるの?
Nav 記事を更新し続ける限り、定期的にやっていく作業になります。ただ「Googleに評価される記事か」を継続的に確認する習慣は、長期的に見れば資産になります。

AIで記事を作り続けることと、Googleに評価されることは、自動的にはつながりません。作るだけでなく、「届いているか」を確認し続ける仕組みが必要だと、この経験で改めて実感しました。

まとめ

  • 公開した記事がGoogleにインデックスされていないケースは、気づかないうちに積み重なる。定期的なチェックが不可欠。
  • インデックスされない原因は複数あり、設定ミス・薄いコンテンツ・意図的なnoindexを区別して対処する必要がある。
  • AI生成コンテンツへのGoogleの評価は年々厳しくなっており、独自の視点や人の判断を加えることが重要になっている。
  • チェック・リライト・申請のサイクルは一度で終わらない。自動化して継続できる仕組みにすることが現実的な解決策。

次回は、このシリーズの制作プロセスそのものについて書く予定です。