AIエージェントの開発会社は?国内43件の型別一覧と選び方

AIエージェントの開発会社は、今はまだ実績の多さでは選べません。当メディアが公式情報で確認した国内43件のうち、サービスの提供開始が2026年の会社が28社を占め、顧客名を出した事例を公開しているのは6社だけです。本記事では依頼先を5つの型に分け、任せたい範囲から候補を2〜3社に絞る手順を整理します。

AIエージェント開発会社は実績で選べない

顧客の現場に入ってAIの実装まで担う働き方は、FDE(フォワードデプロイドエンジニア)と呼ばれます。当メディアは、この形で支援すると公式サイトやプレスリリースで公表している国内の会社・サービスを43件掲載しています(企業38社・人材マッチング型4件・認定パートナー制度型1件、2026年9月16日時点)。国内の全数ではありませんが、この43件を見ると、比べられるだけの実績がまだ出そろっていないことが分かります。

2026年開始の28社

企業38社のうち、このサービスの提供開始が2026年の会社は28社でした。2025年は2社で、残る8社は開始時期を公式に書いていません。会社としての歴史が長くても、現場に入って実装まで担うサービスとしては始まったばかりの会社が大半です。

なかには、まだ発注できない会社もあります。エクサウィザーズが福岡に設ける新会社エクサフォワード九州は、エクサウィザーズの発表で「事業開始日:2026年11月(予定)」としています。名前を目にしても、今すぐ依頼できるとは限りません。

顧客名公表は6社

顧客の社名を出した事例を公式に公開しているのは、LayerX・Sakana AI・GenX・renue・エイシング・みんなシステムズの6社です。残る32社の事例の出し方は、次のとおりでした。

  • 自社の実績だけを公開:6社
  • 社名を伏せた事例・数値を公開:11社
  • サービス開始の告知のみ:13社
  • 事例の記載なし:2社

みんなシステムズは、2026年8月3日のプレスリリースで最初の支援先を社名入りで公表しています。

その第1号となったのが、長崎県佐世保市で自動車学校・ホテル・レンタカー事業を展開するムラセグループです。

「第1号」という言葉のとおり、社名つきの事例は出始めたばかりです。

第三者報道は7社

記者や編集部が書いた記事でサービスを確認できたのは、SHIFT・LayerX・フォーティエンスコンサルティング・SB OAI Japan・富士通・アクセンチュア・エクサフォワード九州の7社です。残る31社は、会社自身の発表でしか確認できません。

会社自身が出す数字は、誰の実績なのかを読み分ける必要があります。たとえばSHIFTは、アドバンスドFDEの提供開始の発表で次の数字を挙げています。

全社での生成AI利用率は91%に達し、年間約1.5億円のコスト削減効果を見込むまでに至っています。

これはSHIFT社内でAIを使った結果で、顧客企業での成果ではありません。発注先を比べるときは、自社の実績と顧客の事例を分けて読みます。

関連記事:AI導入は内製か外注か?判断の4軸と国内43社の実態

図解:AIエージェントの開発会社はまだ実績で選べません

依頼先は5つの型に分類

実績で比べられない以上、先に決めるのは「どの型の会社に頼むか」です。当メディアは企業38社を、誰が現場に入り、どこまで担うかで5つの型に分けています。型の名前は当メディアの分類で、各社が名乗っているものではありません。掲載は順不同で、優劣の順位はつけていません。

型(社数) 主に担う人 向いている依頼 掲載企業の例
実装常駐型(14社) 現場に入るエンジニアのチーム 製品を限らず、作るところまで任せたい デジライズ、アンドドット、グリーンウォーターズ
自社製品前提型(8社) 自社AI製品の提供元 その会社の製品を使う前提で進めたい LayerX、Sakana AI、GenX
コンサル伴走型(7社) コンサルタント・事業開発の専門家 何に使うかの整理から頼みたい フォーティエンスコンサルティング、FDX、ティースリー
業界特化型(5社) 特定業界の知見を持つチーム 自社の業界・業務に合わせたい エル・ティー・エス、エイシング、ROXX
エンタープライズ型(4社) 大手グループ・海外AI企業との合弁 大企業の規模と体制で進めたい SB OAI Japan、富士通、アクセンチュア

実装常駐型(14社)

エンジニア、またはエンジニアを含むチームが顧客の現場に入り、AIの開発・実装を主体的に担う型です。特定の自社製品には縛られません。同じ型でも、現場への入り方は会社ごとに違います。

  • デジライズ:専属AIエンジニアが週1〜5日常駐
  • アンドドット:週4日の常駐
  • Neurosphere:コンサルタントとエンジニアの基本2名体制で常駐
  • DAIJOBU:週1日の常駐と、それ以外の平日のオンライン伴走

稼働の量がこれだけ違うため、見積もりを取る前に「週に何日、何人で入るか」をそろえておく必要があります。

自社製品前提型(8社)

自社で開発したAI製品の導入を前提に、提供元自身が現場に入って支援する型です。LayerXは生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」、ヘルシーパイレーツは「HELM-AIP」というように、軸になる製品が決まっています。その製品を使う予定の会社には候補になりますが、別の製品を選ぶ余地は小さくなります。

コンサル伴走型(7社)

コンサルタントや事業開発の専門家が主体となって現場に入り、業務の設計から実装・定着までを伴走する型です。開発の体制は会社によって異なります。NTTデータグループのフォーティエンスコンサルティングや、戦略コンサル・AIエンジニア・業務の専門家をプロジェクト単位で組むFDXなどがあります。AIを何に使うかの整理から頼みたい場合の候補です。

業界特化型(5社)

特定の業界・業務領域に絞って支援する型です。エル・ティー・エスはコンタクトセンター・BPO、ROXXは人材・採用、Shunkan AIはSIer・システム開発会社を対象にしています。自社の業界と一致する会社があれば、候補の最初に置けます。

エンタープライズ型(4社)

国内大手グループ、または海外AI企業との合弁・提携で、大企業向けに展開する型です。ソフトバンクグループとOpenAIの合弁会社であるSB OAI Japan、富士通、アクセンチュア、エクサフォワード九州の4社です。先に触れたとおり、エクサフォワード九州は11月の事業開始を待つ段階です。

関連記事:FDEとは?意味とFDE企業一覧|Forward Deployed Engineer

開発会社に頼まない2つの経路

43件のうち残る5件は、会社に開発を頼むのとは依頼の経路が違います。

人材マッチング型(4件)

現場に入ってAIを実装できる人材を、自社のチームに迎えるための経路です。4件とも紹介の仕方が違います。

  • ライトアップ:FDE特化の人材紹介(採用が決まったときだけ費用が発生する成果報酬型)
  • 日本AIセンター:相談窓口「FDE DESK」でのアサイン(SESベースの人材提供)
  • DeFactory:人材のマッチングに加え、自社でも開発案件を直接受注
  • コマースロボティクス:専属チームを顧客に割り当てるラボ型の「Global AI Lab」

このうちGlobal AI Labの公式サイトは、AIエージェントの開発を前面に掲げています。

AIエージェント開発に特化したFDE(Forward Deployed Engineer)が、貴社の業務現場に入り込み

料金は職種ごとの概算単金として、コンサル(訪問・現場常駐)150万円、SE(現場常駐)80万円(いずれも国内)などを公開しています。契約は準委任で、最低3名から、1か月から利用できると書かれています。単金は職種別なので、総額は組む人の構成で変わります。

認定パートナー制度型(1件)

海外のAI製品の提供元が「自社製品の導入実装を任せられる」と認めた国内の会社のネットワークです。Salesforceは2026年6月8日の発表で、AIエージェント「Agentforce」の導入を支える制度を日本で本格展開すると公表しました。

パートナーの専門エンジニアが顧客企業のプロジェクトに深く入り込む協働モデルを採用しています。

発注先はSalesforceではなく、認定を受けた各社です。初期パートナーにはアクセンチュア・NTTデータ・富士通などが選ばれています。すでにSalesforceを使っている会社は、この中から探すのが一つの道です。

候補を3社に絞る手順

型と公開情報を順に当てはめると、43件から問い合わせ先を2〜3社に絞れます。

手順1:任せる範囲の決定

最初に、社外にどこまで任せるかを決めます。範囲が決まれば、型は1つに決まります。

  • 何に使うかの整理から頼みたい:コンサル伴走型
  • 作るところまで任せたい:実装常駐型
  • 使う製品が決まっている:自社製品前提型、または認定パートナー制度型
  • 自社の業界に合わせたい:業界特化型
  • 大企業の規模で進めたい:エンタープライズ型
  • 社内にAIの担い手を置きたい:人材マッチング型

型を1つに決めると、候補は最も多い実装常駐型でも14社まで減ります。

手順2:公式情報の比較

次に、同じ型の中で、公式ページに書いてある項目だけを比べます。企業38社の公開状況は次のとおりでした。

  • 料金・契約条件:13社(金額まで公開4社、課金の型のみ9社)
  • 現場への入り方(常駐・訪問など):9社
  • 顧客名つきの事例:6社

金額まで公開しているのは、FDX・ティースリー・グリーンウォーターズ・本質の4社です。書いてある会社同士を比べ、書いていない項目は手順3に回します。

手順3:未公開項目の確認

公式ページにない項目は、最初の問い合わせでまとめて聞きます。企業38社のうち、料金・契約条件を書いていない会社は25社、現場への入り方を書いていない会社は29社あります。聞く項目は次の4つです。

  • 稼働の量(週に何日、何人で入るか)
  • 契約の種類(準委任か請負か)と最低期間
  • 同じ業種・似た業務での支援経験
  • サービスとしての提供開始時期

各社の回答を並べれば、公式ページだけでは見えなかった違いを比べられます。

関連記事:FDEの費用相場は?国内43社の公開料金と見積前の4条件

図解:候補を3社に絞る手順

まとめ:型を決めて会社を見る

AIエージェントの開発会社は、多くが2026年にサービスを始めたばかりで、実績の多さでは比べられません。当メディアが確認した国内43件でも、顧客名つきの事例は6社、第三者の報道で確認できたのは7社でした。

選ぶ順番は、①任せる範囲から型を1つ決める、②同じ型の中で公式に書かれた項目を比べる、③書かれていない項目を問い合わせで聞く、の3段です。まず自社の範囲に合う型を決め、その型の会社から2〜3社に問い合わせてください。

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