DeepSeek V4.1-Flash更新、大半の項目でGPT-5.6 Sol超え・出力料金は17分の1以下

画像の出典:DeepSeek公式APIドキュメント
AIエージェントを業務で動かす企業にとって、性能と料金のバランスはモデル選びの大きな判断材料です。DeepSeekは2026年10月17日、9月10日に公開したモデル「DeepSeek-V4.1-Flash」の更新版となる「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を公開しました。公式の比較表ではOpenAIのGPT-5.6 Solを11項目中9項目で上回る一方、料金は据え置きのままです。
本記事では、他社モデルと並べた性能と料金の差、新たに全ユーザーへ開放された検索APIについて解説します。
公式の比較表で他社モデルと並べた結果
今回の更新は、既存の「DeepSeek-V4.1-Flash」に対するマイナーアップデートとして位置付けられています。モデルの重みはHugging FaceとModelScopeでMITライセンスのもと公開されました。Hugging Faceの比較表には、前バージョンのほか、OpenAIのGPT-5.6 SolやAnthropicのClaude Opus 5など他社モデルの点数も並んでいます。
前バージョンから大きく伸びた
Terminal-Bench 4.0(ターミナル操作で課題を解く試験)は31.2から42.3へ、ProgramBenchは20.3から29.1へ、Automation-Bench v1.0.6は54.8から60.5へ、HLE(ツールなし・難問をそろえた総合試験)は36.8から42.6へ上がりました。公式はあわせて、前バージョンよりタスクが早く終わり、出力も短くなったと説明しています。ただし、速度の改善幅は数字で公表されていません。
GPT-5.6 Solとは11項目中9項目で上回る
Terminal-Bench 4.0は42.3対39.9、DeepSWE v1.1(ソフトウェア開発の課題)は77.0対73.0、Automation-Bench v1.0.6は60.5対45.8、Apex Bench v1.1は72.1対54.3と、1017が上回りました。
下回ったのはHLE(ツールなし・42.6対44.5)とZeroBench-main(51.0対53.0)の2項目です。
Claude Opus 5とは4項目で上回り7項目で下回る
DeepSWE v1.1(77.0対74.0)、Automation-Bench v1.0.6(60.5対50.3)、Agents' Last Exam(35.4対28.6)、Apex Bench v1.1(72.1対65.8)の4項目は1017が上回りました。
一方、Terminal-Bench 4.0(42.3対51.8)、ProgramBench(29.1対37.0)、HLE(42.6対56.3)などの7項目はClaude Opus 5が上回っています。
表の見方の注意点
表の点数はDeepSeekが自社で公開したものです。また、比較相手のGPT-5.6 SolとClaude Opus 5には、すでに後継のGPT-6.1 SolとClaude Opus 5.5が出ていますが、この2つは表に載っていません。
ゲーム制作や3Dモデリングの作例を公開
DeepSeekは今回の更新で、強化学習と自己フィードバック(self-feedback=モデル自身の評価を学習に使う手法)を使い、ゲーム制作から3Dモデリングまで、ひとつのプロジェクトを最初から最後まで作り上げる力を高めたとしています。
公式ページでは、紫禁城の3Dモデル、Webブラウザで遊べるレースゲーム、ゲームエンジン「Godot」で再現した「Portal 2」、先史時代から現代までをたどる3Dシーンの4つを作例として紹介しています。
料金は据え置き、他社モデルの十数分の1
今回の更新で、APIの呼び出し方法とトークン単価は変わっていません。利用者は「deepseek-flash」のモデル名を指定するだけで最新版を使えます。出力が短くなったぶん、1回の作業あたりの費用は下がります。
他社モデルとの単価比較
DeepSeekの料金は、混み合う時間帯(日本時間の平日10時〜13時と15時〜19時)が高い方、それ以外の時間帯がその半額です。各社の公式料金ページの単価を並べると次のとおりです。
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| DeepSeek V4.1-Flash(1017) | $0.15〜$0.30 | $0.60〜$1.20 |
| GPT-5.6 Sol(OpenAI) | $4.00 割引価格・少なくとも2026年11月21日まで |
$20.00 |
| Claude Opus 5(Anthropic) | $5.00 | $25.00 |
| GPT-6.1 Sol(OpenAI・GPT-5.6 Solの後継) | $2.00 | $10.00 |
| Claude Opus 5.5(Anthropic・Opus 5の後継) | $4.00 | $20.00 |
高い方の料金で比べても
混み合う時間帯の料金で比べても、出力の単価はGPT-5.6 Solの約17分の1、Claude Opus 5の約21分の1です。後継のGPT-6.1 Sol・Claude Opus 5.5と比べても、約8分の1・約17分の1にとどまります。
ただし、これは100万トークンあたりの単価の比較です。実際の費用は、同じ作業でモデルがどれだけ文字を出力するかによって変わります。
Web版・アプリでも利用できる
今回の1017は、Webサイト、アプリ、APIのすべてで利用が始まっています。9月の初回発表のときは、Web版やアプリで使えるかについて公式の言及がありませんでした。今回は「Webサイト・アプリ・APIで利用可能」と明記されています。
関連記事:DeepSeekがV4.1-Flashを発表し値下げ|V4 Proの退役予告は撤回
検索・Web取得APIの一般開放
モデルの更新と同時に、DeepSeek独自の検索エンジンを活用した「Search API」および「Fetch API(Webページ取得)」が全ユーザーに開放されました。
APIの利用料金と仕様
今回開放された各エンドポイントの料金は、1,000回あたり0.75ドルに設定されています。DeepSeekはこの検索エンジンについて、世界中で1日に数億件のリクエストを処理していると説明しています。
他社の検索APIとの比較
当メディアが料金を比べている検索・ツール系のAPIの中では、1,000回あたりの単価が最も低い水準です。
関連記事:【2026年最新】Deep Research・エージェントツールAPI料金比較|OpenAI・Google・xAI・Anthropic
ツール経由の呼び出しについて
DeepSeek Harness、Claude Code、Codexといったサーバー側ツールを経由した呼び出しについては、現在無料で提供されています。ただし、これらのツール経由の利用については、日本時間2026年11月1日午前1時(UTC 10月31日 16:00)より課金が開始される予定です。公式が無料と案内しているのは、この3つのツールのサーバー側機能から呼び出した場合です。
まとめ
- DeepSeek-V4.1-Flash-1017を公開し、前バージョンより主要ベンチマークの点数が上がり、出力も短くなった。
- 公式の比較表では、GPT-5.6 Solを11項目中9項目で上回り、Claude Opus 5とは4項目で上回り7項目で下回る。
- トークン単価は据え置き。出力の単価は高い方の料金でもGPT-5.6 Solの約17分の1、Claude Opus 5の約21分の1。
- 自社検索エンジンを活用したSearch API・Fetch APIを各1,000回あたり0.75ドルで一般開放。
- 外部ツール経由の利用は現在無料だが、日本時間11月1日午前1時より課金開始。
💡 編集部の見解
DeepSeekがV4.1-Flashの更新版「1017」を公開しました。公式の比較表ではGPT-5.6 Solを11項目中9項目で上回る一方、料金は据え置きで、出力の単価はGPT-5.6 Solの約17分の1です。
- 既報との接続:当メディアは9月11日にV4.1-Flashの初回発表を報じましたが、当時はWeb版・アプリでの提供については言及がありませんでした。今回はこれらが明記され、モデル名を変更せずに中身を刷新する形式がとられています。
- 比較相手は1つ前の世代:表に並ぶGPT-5.6 SolとClaude Opus 5には、後継のGPT-6.1 SolとClaude Opus 5.5が出ていますが、表には載っていません。後継の出力単価(10ドル・20ドル)と比べても、DeepSeekは高い方の料金で約8分の1・約17分の1です。
出典:DeepSeek公式APIドキュメント/Hugging Face/DeepSeek公式X(2026年10月)/DeepSeek公式料金ページ/OpenAI公式料金ページ/Anthropic公式料金ページ



