1.5億円調達の「スパ電」。AI電話はここまで来た。「割り込み会話」もこなす人間並みの技術とは

2026年1月30日、「コミュニケーションAIエージェント」の開発を行うカイタク株式会社(旧・株式会社イメジン)は、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする総額1.5億円の資金調達を実施したと発表しました。
ホワイトカラーの業務時間の約7割はコミュニケーションに費やされていると言われますが、特に「電話」はデジタル化の最後の砦でした。
今回の資金調達の背景には、深刻化する人手不足と、大企業特有の「導入の壁」を突破するカイタク独自の強みがありました。
社会インフラ企業の「電話DX」を阻む壁
電力・ガス・通信などの社会インフラ業界や大企業において、電話業務の効率化は待ったなしの課題です。しかし、これらの企業では、セキュリティ要件の厳しさや、APIを持たない古い基幹システム(レガシーシステム)の存在が障壁となり、一般的なクラウド型AI電話ツールを導入できないケースが多発していました。
「業務効率化はしたいが、システムは変えられない」。このジレンマに対し、カイタクは独自の解決策を提示しています。
1,000社の現場ノウハウと「繋ぐ技術」
カイタクは創業以来、1,000社を超える営業・電話業務支援を行ってきました。その現場で培ったリアルな対話データとノウハウが、AIエージェントの「人間らしさ」の源泉です。
さらに特筆すべきは、APIが未整備な環境でも連携可能にする独自技術です。既存の業務フローやシステムを大きく変えることなくAIを導入できるため、これまでDXを諦めていた大企業やインフラ企業でも、電話業務の完全自動化が可能になります。
マニュアルを読ませるだけ。「高精度ミニRAG」の威力
現場導入を加速させるもう一つの要因が、企業の独自ルールへの対応力です。
カイタクが強みとする「高精度ミニRAG(検索拡張生成)」技術は、PDFのマニュアルや規定集を読み込ませるだけで、AIエージェントがその内容を学習します。顧客からの複雑な質問に対しても、AIはその場で社内ドキュメントを参照し、正確な回答を生成します。
今回の調達資金は、こうした技術基盤のさらなる高度化と、それを支える開発・事業人材の採用強化に充てられる予定です。
「えっと、あ、ごめん」が通じる。人間レベルの会話体験
「スパ電」の技術的な高さも、投資家から評価されています。国内屈指のマルチエージェント型「Speech-to-Speech」モデルを採用することで、従来のAIにありがちな数秒のタイムラグを解消し、人間同等の反応速度を実現しました。
人間同士の会話特有の「被り(オーバーラップ)」や「割り込み」にも対応しており、AIが説明中に顧客が話を遮っても、即座に反応して軌道修正します。このストレスのない会話体験こそが、品質を重視する企業の採用基準をクリアする鍵となっています。
電話業務の「完全自動化」へ
電話対応のゴールは「楽しく話すこと」ではなく「業務を完了させること」です。「スパ電」は、会話の文脈から日付、氏名、数量といった重要情報を高精度に認識・抽出します。
聞き取った内容は、顧客の受注システムやCRMへ自動入力されるため、オペレーターが電話を切った後に行う入力作業(ACW)を実質ゼロにすることが可能です。人手や運用に依存してきた電話業務を、AI起点で再設計するフェーズが来ています。
まとめ
カイタク株式会社による1.5億円の資金調達は、電話というアナログかつレガシーな領域において、AI電話エージェントによる変革が本格化することへの期待の表れです。
Speech-to-Speech技術と現場への深い理解を武器に、人手不足時代の企業の社会基盤(インフラ)として、「スパ電」の導入はさらに加速していくでしょう。
出典: PR TIMES




