古い記事をAIにリライトさせてみた

古い記事をAIにリライトさせてみた

毎朝5時に記事が自動生成されるようになってから、気持ちに少し余裕が生まれました。「今日は何を書こう」と考えなくていい。起きたらもう5本の下書きができている。

ただ、その余裕が別のことに目を向けさせました。

積み上がっていく新しい記事の一方で、以前に書いた記事はどうなっているのか。調べてみると、検索順位が2ページ目あたりに停滞している記事が、思った以上にたくさんありました。

検索データが教えてくれたこと

「惜しい記事」が可視化された

SEO分析の自動化を進める中で、毎週月曜に検索データのレポートが届くようになりました(第4話参照)。そのレポートを見ていると、あるグループの記事が気になり始めました。

検索順位が11〜20位にある記事です。1ページ目まであと一歩のところにある。インプレッション数もそれなりにあるのに、なぜかクリックされない。

こういう記事は、少し手を入れるだけで順位が上がる可能性がある。でも量が多くて、手動でリライトしていたら時間がいくらあっても足りない。

Navに「リライトも自動化できないか」と聞いた

リライトも自動化できないかな。
Nav できます。検索データで優先度の高い記事を特定して、競合の上位記事を調査した上で構成を組み直す流れです。ただし、公開済み記事を直接上書きするのは避けたほうがいいと思います。
どういうこと?
Nav リライト後は必ず下書き状態に変更します。オーナーが確認してから公開ボタンを押す設計です。自動で公開まではしません。
それなら安心してお願いできるね。やってみて。

AIにリライトを任せることへの抵抗感

公開済みの記事を触ることへの慎重さ

正直に言うと、最初は少し怖かった。

新しい記事を書くのとは違います。リライトは「すでに存在しているもの」を書き換える作業です。失敗したとき、元に戻せるのか。SEO的に影響が出ないか。そういう不安がありました。

だから「下書きに変更してから確認する」という設計を最初に確認したのは、自分にとって重要なポイントでした。公開の判断は自分がする。この一線を引くことで、任せる気持ちになれた。

「最近書いた記事」を除外するルールが必要だった

実際に動かしてみると、思わぬことが起きました。リライト候補のリストに、つい最近書いたばかりの記事が入ってきたのです。

検索データは過去28日間を集計しています。新しく公開した記事でも、インプレッションがつき始めればリスト入りしてしまう。でも公開から数週間しか経っていない記事は、まだ検索エンジンが評価しきれていない段階です。そのタイミングでリライトするのは早すぎる。

最近書いたばかりの記事もリライト候補に入ってきてるんだけど。
Nav 公開から一定期間以内の記事はリライト対象から除外する設計に変更しましょうか。新記事はSEOデータが安定するまで様子を見るべきです。
そうして。60日以内の記事は外してほしい。

この調整で、「データが十分に蓄積された記事だけをリライトする」という運用に落ち着きました。

やってみてわかったこと

元の記事とは「別物」になる

リライトが完了した下書きを読み返したとき、最初に思ったのは「構成がかなり変わったな」ということでした。

AIは競合の上位記事を調べた上で、読者が求めている情報を整理して構成を組み直します。元の記事の「流れ」を引き継ぐというより、テーマだけ共通の新しい記事に近い。図解も内部リンクも全部作り直されます。

悪いわけではありません。むしろ元の記事より読みやすくなっているケースがほとんどでした。ただ「リライト」という言葉から想像していた「少し手を加える」感覚とは違う。そこは最初に驚いた点です。

確認作業に思ったより時間がかかる

下書きができてから公開するまでの確認作業は、自分でやる必要があります。

「内容は合っているか」「元の記事にあった重要な情報が抜けていないか」「アイキャッチ画像のデザインはおかしくないか」——こうした確認を1本ずつやっていると、それなりの時間がかかる。自動化で時間が生まれた分が、確認作業に流れていく感覚がありました。

これは自動化の限界ではなく、性質だと思っています。AIが作ったアウトプットに責任を持つのは人間の側です。確認をゼロにはできない。

「直す」仕組みができると、「作る」仕組みの見え方が変わった

リライトの自動化が動き始めてから、記事の量産に対する考え方が少し変わりました。

以前は「最初からいい記事を書かなければ」というプレッシャーがありました。公開したらそれで終わり、という感覚があったからです。

でも「あとで直せる仕組みがある」とわかると、心理的な重さが変わります。まず出す。データを見る。必要なら直す。このサイクルが回せるとわかると、最初の一本を出すハードルが下がる。

量産しながら改善し続ける、という運用が見えてきたのは、リライトの自動化があったからだと感じています。

第5話のまとめ

  • 検索2ページ目の「惜しい記事」を検索データで特定し、AIリライトの対象にした
  • 公開済み記事は必ず下書きに変更してから確認する設計にした——公開判断は人間が行う
  • 新しく書いた記事は一定期間リライト対象から除外するルールが必要だった
  • リライト後は「別物になる」感覚があった。確認作業は省けない
  • 「直せる仕組み」があると、「作る」ことへの心理的なプレッシャーが変わった

記事を作る自動化と、記事を直す自動化。この両輪が揃ったことで、コンテンツ運用の考え方が少し変わった気がします。