Cometに学習させない方法は?AIデータ保持とメモリの止め方

PerplexityのAIブラウザ「Comet」は閲覧中のページをAIが直接読み取るため、「入力した内容や閲覧履歴が学習に使われないか」が仕事で使ううえでの心配ごとになります。

この記事では、学習を止める設定がAIデータ保持・メモリ・Comet側の閲覧データという3つに分かれていることと、それぞれの止め方を公式ドキュメントに沿って説明します。

Cometの「学習させない」は3つに分かれる

閲覧ページをAIが読む仕組み

Cometは、Perplexityの検索技術を中核に据えた次世代のAIブラウザです。一般的なブラウザ拡張機能とは異なり、ブラウザそのものにAIが統合されているため、ユーザーが現在開いているタブの内容をAIがリアルタイムで把握し、要約や特定の情報抽出を瞬時に行うことができます。

便利な反面、AIが「何を読んでいるか」というデータの扱いが問題になります。AIブラウザ特有の挙動を理解したうえでの対策が求められます。

必要な設定は3層構造

Cometでデータのプライバシーを確保しようとする際、多くのユーザーが「設定画面にあるトグルを1つオフにすれば済む」と考えがちですが、実際にはそうではありません。Perplexityの公式ドキュメントによれば、データ管理は以下の3つの独立した層に分かれています。

設定項目 停止の対象 主な操作場所 デフォルト設定
AIデータ保持 大規模言語モデルの再学習 アカウント設定 > 環境設定 有効(Free/Pro/Max)
メモリ パーソナライズされた文脈保持 メモリ設定画面 有効
Comet閲覧データ ブラウザの挙動・履歴ログ comet://settings/privacy 端末内保存(一部送信あり)

関連記事:Cometの危険性は?AIブラウザで実際に起きた攻撃と安全な設定

モデルの学習を止める設定

公式の4ステップ手順

Perplexityにおけるデータ収集(2026-08-25確認)によると、「Free 、 Perplexity Pro 、および Perplexity Max のユーザーの場合、AIデータ保持はデフォルトで有効になっています。」これを停止するための公式手順は以下の4ステップです。

  • アカウントの設定を開きます:画面左下のユーザーアイコン等から設定メニューにアクセスします。
  • 環境設定 ページを開きます:設定項目の中から「環境設定(Preferences)」のタブを選択します。
  • AIデータ保持 のトグルを探します:ページ内にある「AI Data Retention」の項目を確認します。
  • トグルをオフにする:「AIトレーニングデータの収集を停止するには、トグルをオフにしてください」。

この設定変更にあたっては、重要な制約が2点あります。まず、「オプトアウトは、オプトアウト日以降に収集されたデータにのみ適用されます。」つまり、過去に学習されたデータを遡って消すことはできません。また、「オプトイン/オプトアウトの設定は、個人ユーザーにのみ適用されます。」とされており、組織単位での一括制御は後述するEnterpriseプランが必要になります。

オフでも残るデータ

AIデータ保持をオフに設定したとしても、それによってすべてのデータが即座にシステムから抹消されるわけではありません。過去の履歴については厳しい現実があります。

以前に収集されたトレーニングデータは削除または除去できません。

オフでも続く処理

データの「学習(トレーニング)」への利用を停止したとしても、AIがサービスとして機能するために必要な「処理(プロセシング)」は継続されます。

データは、サービス運用、法令遵守、製品改善のために引き続き処理される場合があります。

つまり止まるのは「モデルの学習に使うこと」であって、データが一切扱われなくなるわけではありません。なお公式は、アップロードしたファイルについて「アップロードされたファイルは7日間のみ保持されます」としています。

AIデータ保持をオフにする手順(設定を開く→環境設定→項目を確認→トグルをオフ)

メモリを止める設定

学習データ扱いの明言

Perplexityには、ユーザーの好みや過去の対話を覚える「メモリ」機能があります。これは、モデルそのものの再学習(Training)とは技術的に異なる仕組みです。

Instead of treating your history as training data, Perplexity retrieves relevant context from your memory store and uses it directly in crafting better, more accurate answers.

(履歴をトレーニングデータとして扱う代わりに、Perplexityはメモリストアから関連するコンテキストを取得し、より適切で正確な回答を作成するために直接使用します。)出典=Perplexity公式ブログ「Introducing AI assistants with memory」(2025年11月26日付)

つまりメモリは、全ユーザー共通のモデルを鍛える「学習」ではなく、あなた専用の保管場所から文脈を引き出す仕組みです。そして公式は、これがAIデータ保持とは別のスイッチであることも記しています。

All data is encrypted, and you can even opt out of contributing to model improvement via the AI Data Retention settings.

(すべてのデータは暗号化されており、モデルの改善に提供することを、AIデータ保持の設定からオプトアウトすることもできます。)

メモリの停止方法

メモリ機能を止めるには、次の2つの方法があります。

  • メモリ設定からの個別削除・無効化:管理画面のメモリセクションから、AIに覚えさせた特定の事実を個別に削除したり、機能自体をオフにしたりすることが可能です。
  • シークレットモードの活用:CometやブラウザのシークレットウィンドウでPerplexityを使用すれば、検索履歴もメモリも保存されません。

「AIデータ保持」をオフにしてもメモリ機能が生きていれば、AIはあなたの過去の傾向に基づいた回答を続けます。完全に「さらさらな状態」で使いたい場合は、両方のスイッチを切る必要があります。

メモリと学習は別の設定(メモリ機能は個人の文脈として活用/AI学習データはモデルの再学習に使用)

Cometの閲覧データを止める

端末内保存の仕組み

ブラウザとしてのCometが収集するデータ(閲覧履歴、クッキー、キャッシュなど)の取り扱いについて、公式のFAQでは次のように説明されています。

By default, all Comet data is stored on your device only. Comet does not send personal data to Perplexity until a personal search is asked to Comet.

(既定では、Cometのデータはすべて利用者の端末にのみ保存されます。Cometは、個人的な検索がCometに対して行われるまで、個人データをPerplexityへ送信しません。)出典=Comet Data Privacy & Security FAQ

ただし、Comet内でAI検索を行えば、その検索に関わるデータはPerplexity側へ送られます。また、Perplexityのプライバシーノーティス(2026年7月8日更新)は、Cometのローカルデータについて「当社はこのデータにアクセスしないが、この種の対話データはCometの提供・改善や関連コンテンツの推薦に使われることがある」と記しています。端末内に置かれること自体は、改善目的で使われないという意味ではありません。

外部連携のオプトイン

Comet側の設定は、アドレスバーに次のパスを入れると開きます。

comet://settings/privacy

この画面から、端末に保存された履歴やキャッシュをいつでも削除できます。

公式FAQは、Perplexityに付与する連携アクセスは厳密にオプトインで、いつでもオプトアウトできるとしています。身に覚えのない連携が有効になっていないか、この画面で定期的に確かめてください。

Enterpriseでの制御

ログ・学習の不使用

個人向けのFree・Pro・Maxは既定で学習が有効ですが、Enterpriseは前提が逆です。

公式ヘルプは「Perplexity Enterprise のデータが AI のトレーニング目的で使用されることは 決して ありません。」と明記しています。Comet for Enterpriseのページも同じ趣旨を英語で記しています。

For Enterprise users, no data is ever logged or used to train AI models, ensuring a strong privacy advantage over consumer browsers.

(Enterpriseの利用者については、データがログに記録されることも、AIモデルの学習に使われることも一切なく、消費者向けブラウザに対する明確なプライバシー上の優位性があります。)

あわせて、アップロードしたファイルは7日間のみ保持され、OpenAIやAnthropicなど外部のAI提供元とも「ゼロデータ保持およびゼロデータトレーニング」の契約が結ばれている、と公式は説明しています。

ブラウザポリシー制御

Enterpriseの利点は、社員一人ひとりの設定に頼らず管理側で統制できることです。

Comet Policies and Controlsによれば、Cometは500を超えるChromiumベースのブラウザポリシーに対応しており、管理者が組織全体の挙動をまとめて設定できます。

プラン AIデータ保持の既定 モデル学習への利用
Free 有効 オフにしない限り使われる
Perplexity Pro 有効 オフにしない限り使われる
Perplexity Max 有効 オフにしない限り使われる
Enterprise 対象外(既定で使われない) 使われない

プラン変更時の注意

注意が必要なのは、契約を終了したりダウングレードしたりした場合です。公式ヘルプには、「無料プランまたは Enterprise 以外のプランにダウングレードした場合、データは標準の消費者向けデータポリシーに従い、AI データ保持はデフォルトで有効になります」という警告があります。

解約やダウングレードをした時点で、それまでの前提が消えて既定に戻ります。

💡 エラーで困ったときは

設定を変えても検索や生成が動かないときは、設定ではなくPerplexity側の障害が原因のことがあります。

▶ Perplexityの障害情報をリアルタイムで確認|今起きてる?

法人向けプランと個人・下位プランの違い(学習・ログ一切なし/デフォルトで学習有効)

まとめ:3つの設定確認

Cometで「学習させない」環境を構築するには、以下の3つのステップを順番に確認してください。

ステップ1は、アカウント設定の「環境設定」で「AIデータ保持」をオフにすることです。ここが学習を止める本体にあたります。ただし効くのはオフにした日以降のぶんだけで、それ以前に集められた分は取り消せません。

ステップ2は、メモリを別に止めることです。学習とは別のスイッチなので、片方だけでは残ります。

ステップ3は、ブラウザ側の comet://settings/privacy で閲覧データの保存状況と外部連携を確かめることです。

会社として確実に止めるならEnterpriseになります。まずは自分のアカウント設定を開き、AIデータ保持が今どちらかを確認してください。

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