【生成AI】議事録作成プロンプト術|会議の文字起こしを自動要約

「あの会議、議事録の作成が面倒だ…」。
多くのビジネスパーソンが抱えるこの悩みを、生成AIが劇的に解決します。
会議の録音データと、的確な「プロンプト(指示)」さえあれば、数時間に及ぶ議論も、わずか数分で整理された議事録のドラフトに変わります。
本記事では、生成AIを活用して議事録作成を自動化するための具体的なワークフロー、コピー&ペーストで使える最強のプロンプトテンプレート、そして最も重要な注意点までを徹底解説します。
目次
面倒な議事録作成はもう不要!生成AIがもたらす革命的効率化
リモートワークの普及によりオンライン会議が急増し、その録画データは日に日に蓄積されています。しかし、その内容を振り返り、議事録としてまとめる作業は、依然として大きな時間と労力を要します。生成AIと的確なプロンプトの組み合わせは、この課題に対する最も強力な解決策です。
- 圧倒的な時間短縮: 1時間の会議内容をまとめるのに1時間以上かかっていた作業が、AIを使えばわずか数分で完了します。
- 聞き逃し・書き漏らしの防止: 人間が聞き逃しがちな細部や、メモを取りきれなかった部分も、AIは録音データ全体を網羅的に処理するため、重要なポイントを漏らしません。
- 客観的な要点の抽出: AIは客観的な視点で議論を分析し、決定事項やタスク(ToDo)を自動で抽出・整理してくれます。
- フォーマットの統一: テンプレート化したプロンプトを使えば、誰が作成しても常に一定の品質と形式で議事録を標準化できます。
生成AIによる議事録作成の「3ステップ・ワークフロー」
生成AIで効果的に議事録を作成するには、プロンプト入力の前に重要なステップがあります。以下の3つのステップで進めるのが基本のワークフローです。
Step 1:会議の録音と「文字起こし」
まず大前提として、生成AIは音声ではなくテキストを処理します。そのため、最初のステップは会議を録音し、その音声データをテキストに変換(文字起こし)することです。ZoomやMicrosoft Teamsには標準で文字起こし機能が搭載されていますし、より高精度な専用のAI文字起こしサービスも多数存在します。この文字起こしの精度が、最終的な議事録の品質を大きく左右します。
Step 2:生成AIへの「プロンプト入力」
文字起こしデータが準備できたら、いよいよ生成AI(ChatGPT, Geminiなど)の出番です。この文字起こしテキストをコピーし、後述する議事録作成に特化したプロンプトと共に入力します。ここで入力するプロンプトの質が、AIから得られるアウトプットの質を決定づけます。
Step 3:AI生成物の「確認と修正」
AIは驚くほど高精度な議事録ドラフトを生成しますが、それはあくまで「下書き」です。音声認識の誤りや、文脈の誤解が含まれる可能性もあります。必ず人間の目で最終的な確認と修正を行い、内容の正確性を担保した上で完成させましょう。このステップを怠ってはいけません。
【コピペOK】議事録作成プロンプトの最強テンプレート
ここに、様々な会議で応用できる、議事録作成のためのプロンプトテンプレートを用意しました。[ ] の部分をあなたの会議情報に合わせて書き換え、文字起こしデータを貼り付けて、コピー&ペーストして使ってみてください。
あなたは、会議での議論を正確に記録し、要点を整理することに長けた優秀なビジネスアシスタントです。
# 会議情報
* 会議名: [〇〇プロジェクト 第5回定例会議]
* 日時: [2025年6月10日 14:00-15:00]
* 出席者: [鈴木部長、佐藤マネージャー、高橋さん、田中(私)]
* アジェンダ:
1. [先週のToDo進捗確認]
2. [A機能の開発方針について]
3. [今後のスケジュール確認]
# 指示
以下の会議の文字起こしテキストを基に、上記の会議情報とアジェンダに沿ったビジネス向けの議事録を作成してください。
特に、誰が何を話したかを明確にし、敬称は「さん」付けで統一してください。
# 文字起こしテキスト
[ここに会議の文字起こしデータを全文貼り付け]
# 出力フォーマット
1. 会議サマリー(全体を300字程度で要約)
2. 決定事項(箇条書きで簡潔に)
3. ToDoリスト(担当者、期限を必ず明記)
4. 主要な議論の要点(アジェンダ項目ごとに、主要な発言を要約)
5. その他・ネクストステップ
プロンプトをさらに工夫する応用テクニック
基本のテンプレートに慣れてきたら、さらに一歩進んだプロンプトで、より深い分析や特定の情報の抽出をAIに依頼してみましょう。
特定のトピックを深掘りさせるプロンプト
「上記の議論の中から、『予算』に関する部分だけを抜き出し、各出席者の意見と最終的な結論をまとめてください。」
ポジティブ/ネガティブな意見を抽出させるプロンプト
「顧客フィードバックに関する議論について、ポジティブな意見とネガティブな意見(懸念点)に分けてリストアップしてください。」
ネクストステップを提案させるプロンプト
「この議事録のToDoリストに基づき、来週の月曜日までに各担当者が具体的に着手すべきアクションプランを提案してください。」
目的 | プロンプトの応用テクニック例 |
特定の議論を追跡 | 「〇〇に関する議論」に焦点を当てて要約・抽出を指示 |
意見の整理・分析 | ポジティブ/ネガティブ、賛成/反対など、観点を指定して分類させる |
アクションの促進 | ToDoを基に、具体的な次の行動計画を提案させる |
関連記事:【保存版】生成AIのプロンプト術|AIの性能を120%引き出すコツとは
【最重要】議事録作成で生成AIを使う際の注意点
生成AIによる議事録作成は非常に強力ですが、ビジネスで利用する上で、絶対に守らなければならない重要な注意点があります。特に情報セキュリティには細心の注意が必要です。
機密情報の取り扱い
これが最大のリスクです。未公開の製品情報、財務情報、個人情報などを含む会議の文字起こしデータを、セキュリティが担保されていない外部の無料生成AIサービスに絶対に入力しないでください。 入力したデータがAIの学習に利用され、情報漏洩に繋がる可能性があります。必ず、会社のセキュリティポリシーを確認し、許可されたツールを利用しましょう。
音声認識(文字起こし)の精度問題
文字起こしの段階で、専門用語や固有名詞、あるいは音声が不明瞭な部分が誤ってテキスト化されることがあります。間違ったテキストを基にすれば、当然、要約の結果も不正確になります。プロンプトを入力する前に、文字起こしデータにざっと目を通し、明らかな間違いは修正しておくと、要約の精度が向上します。
ファクトチェックとニュアンスの確認
AIが生成した要約は、事実関係を取り違えたり、重要なニュアンス(皮肉や冗談、合意形成の微妙な空気感など)を汲み取れなかったりすることがあります。最終的な議事録の正確性と、会議の雰囲気を正しく伝えているかについては、必ず人間が責任を持って確認する必要があります。
リスク | 対策 |
情報セキュリティ | 機密情報を外部AIに入力しない。社内ルール遵守。セキュアなAI環境を利用。 |
文字起こしの不正確さ | プロンプト入力前に文字起こしデータを確認・修正。高精度なツールを利用。 |
要約の不正確さ | AIの生成物を鵜呑みにせず、必ず人間がファクトチェックと最終確認を行う。 |
ニュアンスの欠落 | 重要な議論については、元の録画や音声を聞き返し、文脈を補完する。 |
まとめ:生成AIとプロンプトで議事録作成を「仕事」から「作業」へ
本記事では、生成AIと的確なプロンプトを活用して、面倒な議事録作成を劇的に効率化するための具体的なワークフローとテクニックを解説しました。これまで数時間を要していた「仕事」が、AIの力を借りることで、アウトプットを確認・修正するだけの「作業」へと変わります。
重要なのは、AIの能力と限界を正しく理解し、特にセキュリティなどの注意点を遵守することです。まずは機密性の低い社内会議などから、本記事で紹介したプロンプトテンプレートを試してみてください。議事録作成から解放されることで生まれる時間を、あなたはきっと、より創造的で価値のある仕事に使えるはずです。
投稿者プロフィール

-
AIエージェントのビジネス活用を支援する専門メディア「AIエージェントナビ」を運営しています。
AI技術やBtoBビジネスに知見を持つ編集者が
◇AIエージェントの最新情報
◇具体的な活用事例
◇ツールの比較検討
◇導入のポイント
など、企業の生産性向上や課題解決に役立つコンテンツを発信しています。
最新の投稿
生成AI2025年6月10日【生成AI】議事録作成プロンプト術|会議の文字起こしを自動要約
生成AI2025年6月9日【プロンプトエンジニアリング入門】生成AIの精度を最大化する技術
生成AI2025年6月8日【保存版】生成AIのプロンプト術|AIの性能を120%引き出すコツとは
生成AI2025年6月7日【コピペで時短】生成AIプロンプト|テンプレート活用術
