生成AIの月間利用が15億回に到達、ゼロクリック検索が定着か

画像の出典:similarweb.com
生成AIの活用がビジネスの現場で不可欠となる中、従来のWebマーケティング手法が大きな転換期を迎えています。AIプラットフォームが検索体験を統合するにつれ、外部サイトへのトラフィック(流入)が伸び悩む「ゼロクリック検索」の傾向が顕著になっています。
本記事では、Similarwebが公開した最新の調査レポートに基づき、AI検索時代のトラフィック構造の変化と、企業が取るべき戦略について解説します。
AI検索が直面するトラフィックの構造的変化
月間15億回に達したAIプラットフォームの利用規模
Similarwebの調査によると、過去18ヶ月間で生成AIプラットフォームへの月間訪問数は急増し、2026年1月時点で15億回という規模に達しました。2024年後半には一部の先進的な企業が注視する対象であった生成AIは、現在ではビジネスにおける必須のインフラへと進化を遂げています。ユーザーは単なる情報収集だけでなく、複雑なリサーチや意思決定のプロセスをAIチャットボット内で完結させるようになっています。
外部サイトへの送客数が横ばいとなる背景
一方で、AIプラットフォームから外部サイトへ送客されるリファラル(参照元)の数は、2025年中盤以降、2億4,000万から2億8,000万の間で停滞しています。AIの利用者が増加しているにもかかわらず、外部サイトへの流入が比例して増えていないこの事実は、検索体験の構造的な乖離を示唆しています。ユーザーがAIとの対話を通じて回答を得ることで満足し、わざわざ元のソースサイトへ遷移する必要がなくなっているためです。
ゼロクリック検索が定着するAI時代の検索行動
リサーチから意思決定までを完結させるAI
現代のAIチャットボットは、単なる検索エンジンから、リサーチから意思決定までをワンストップで支援する「オールインワン型」のツールへと進化しました。ユーザーは複数のWebサイトを巡回して情報を比較検討する手間を省き、AIが要約・統合した回答を直接受け取ることを好むようになっています。この行動様式は、従来のGoogle検索において定着していた「ゼロクリック検索」の傾向を、AI検索においても加速させています。
従来のSEO手法が抱える限界
これまで多くの企業が注力してきたSEO(検索エンジン最適化)は、ユーザーを自社サイトへ誘導することを主目的としてきました。しかし、AIが回答を生成する過程でユーザーの検索意図を完結させてしまう現状では、従来のキーワード対策だけでは集客の維持が困難になりつつあります。トラフィックを前提としたマーケティングモデルは、AIによる回答生成プロセスを考慮した新たな指標へとアップデートする必要があります。
AI検索時代に求められるブランド可視性の最適化
AIプラットフォーム内での存在感を高める戦略
AI検索経由の流入が頭打ちとなる中、企業は「自社サイトへの流入数」以外の指標を重視すべき段階に来ています。具体的には、AIが回答を生成する際に、自社の情報やブランドがどれだけ参照・引用されているかという「AIプラットフォーム内でのブランド可視性」を測定することが重要です。AIが信頼する情報源として自社が選ばれるためには、正確で構造化されたデータ提供や、AIモデルが学習・参照しやすい形式でのコンテンツ整備が不可欠となります。
今後のマーケティング指標の再定義
今後は、AIの回答の中に自社の製品やサービスが適切に組み込まれるための戦略的最適化が、マーケティングの最優先事項となるでしょう。AIがユーザーに対してどのような文脈で自社ブランドを提示しているかを分析し、AIとの対話の中で自社の価値が正しく伝わるようなコンテンツ戦略を構築することが、これからのビジネス成長を左右する鍵となります。
まとめ
- 生成AIプラットフォームの利用は月間15億回規模へ急増している。
- 外部サイトへの送客数は2025年中盤から停滞し、ゼロクリック傾向が定着した。
- AIはリサーチから意思決定までを完結させるツールへと進化した。
- 従来のSEOに加え、AIプラットフォーム内でのブランド可視性を高める戦略が不可欠である。
AI検索時代においては、サイト流入数だけでなく、AIが回答を生成する際に自社が選ばれるための「AI最適化」へのシフトを検討してください。
💡 編集部の見解
AI検索の普及により、Webサイトへの流入を前提とした従来のマーケティングモデルは限界を迎えています。
- 流入の構造変化:AIが回答を完結させることで、外部サイトへの送客数が2025年中盤から横ばいとなっているデータがその変化を裏付けています。
- 行動様式の変容:ユーザーがリサーチから意思決定までをAI内で完結させる「ゼロクリック」行動が、検索エンジンと同様にAI検索でも定着しています。
今後はAIプラットフォーム内でのブランド可視性を高める新たな指標を導入し、AIに選ばれるためのコンテンツ戦略へ舵を切ることが問われます。




