Box、言葉でAIワークフローを組む「Box Architect」|エージェントの操作制限も提供開始

画像の出典:Box Japan(PR TIMES)
AIエージェントに社内の書類仕事を任せたくても、作り込みの手間や、勝手にファイルを持ち出されないかが気になって踏み出せない企業は多いはずです。ファイル共有サービスのBoxは11月5日、業務の流れを言葉で説明するとエージェントの作業手順を組み立てる「Box Architect」と、エージェントの操作を制限する機能を発表しました。
本記事では、何ができるようになるのか、どの機能がいつ・どのプランで使えるのかを整理して解説します。
Box Architectとは:言葉で業務の流れを組む
Boxの中のファイルと機能を組み合わせる
Box Architectは、Boxに保存したファイルと、すでにあるBoxの機能を組み合わせて、エージェントが動く業務の流れ(ワークフロー)をつくる機能です。書類から情報を抜き出すBox Extract、処理を自動で進めるBox Automate、Box Apps、入力フォームのBox Formsなどをまとめて使えます。ファイルはBoxの中に置いたまま扱い、今のアクセス権限やルールがそのまま適用されます。
説明・試行・公開の3段階で作る
使い方は3段階です。まず業務の手順や目標を言葉で説明すると、Box Architectが工程・判断・引き継ぎを組み立てます。次に実際のファイルや例外的なケースで試し、エージェントの出力を確認して、重要な判断の場面には人の確認や承認を入れます。最後に全社に公開して手順をそろえ、Box Architectが結果を見て改善案を出します。
工程ごとにAIモデルを選べる
工程ごとに使うAIモデルを選べるのも特徴です。Anthropic、OpenAI、Google、NVIDIA、IBMなどのモデルから、簡単な作業には安いモデル、複雑な判断には高性能なモデルというように使い分けられます。Boxのアーロン・レヴィCEOは、OpenAIのAstraやAnthropicのFableのような進歩で、業務の流れ全体をAIで組み直せるようになりつつあると説明しています。
契約書レビューなど5つの使い道
契約書の確認から口座開設まで
Boxは使い道の例として5つを挙げています。契約書レビューでは、過去の契約書から承認済みの基準を学び、新しく届いた契約書と照らし合わせて例外を見つけ、リスクの高い条項を弁護士の最終確認に回します。顧客の受け入れでは、フォームで申込情報を集め、書類を確認し、契約書の作成と署名を経て口座開設までを一続きで進めます。
許認可・保険金・入社手続きにも
ほかに、申請書の不備を確認して不足書類を依頼する許認可の審査、添付書類から情報を抜き出して概要をつくる保険金請求の処理、入社書類を確認して足りない情報を依頼する従業員の受け入れが挙がっています。
セキュリティ機能は「提供開始」と「2027年初め」に分かれる
エージェントの操作の制限は提供開始
今回の発表のうち、すでに使えるのはエージェント向けのセキュリティ制御機能です。エージェントが読める情報を、Boxで付けた分類ごとに絞れます。また「MCPガードレール」で、エージェントが使える操作(ファイルの作成・移動・外部共有など)の範囲を管理者が決められます。
エージェントの操作が、会社で決めた上限を超えたときにチームへ警告する設定もできます。対象はBox ShieldとEnterprise Advancedプランの利用者で、一般提供が始まっています。
攻撃を検知する機能は2027年初めから
Boxはさらに、エージェントを使った攻撃を検知して食い止める脅威保護機能を開発しています。異常なダウンロードをすばやく見つけて自動で制限するほか、盗まれたログイン状態(トークンやセッション)が別の端末で使い回されるのを防ぎ、不審な共有や大量の削除を見つけます。深刻さに応じて、ダウンロードの制限、追加の本人確認、接続(セッション)の打ち切りまでを自動で行います。
この機能は2027年初めに、Enterprise AdvancedとBox Shieldの利用者向けに提供される予定です。Box Architectは2026年11月以降、Enterprise Advancedの利用者向けにベータ版として順次提供されます。Boxは日本でも約23,000社が使っていますが、日本での提供時期は発表に書かれていません。
まとめ
- Boxが11月5日、言葉でエージェントの業務の流れを組む「Box Architect」を発表
- 工程ごとにAnthropic・OpenAI・Googleなどのモデルを選べ、重要な判断には人が関わる
- エージェントが読める情報や使える操作を制限する機能は、Box ShieldとEnterprise Advanced向けに提供開始
- Box Architectは11月以降にEnterprise Advanced向けベータとして順次提供
- 大量持ち出しや乗っ取りを検知する脅威保護機能は2027年初めの予定
💡 編集部の見解
社内の書類がすでにBoxにある会社なら、ファイルを移さず、今の権限のまま契約書の確認などをエージェントに任せられる、というのが今回の要点です。まず試せるのは、エージェントに許す操作を絞る設定のほうです。
- ファイルを外に出さない:組んだ手順の中でも、ファイルはBoxの中に置いたままで、今のアクセス権限やルールがそのまま適用されます。
- 許す操作は管理者が先に決める:作成・移動・外部共有のうち、どれをエージェントに許すかを管理者が決められ、決めた上限を超えたら警告も出せます。




