Google、音声合成Gemini 3.8 Flash TTSを公開|30秒の音声で声を再現

画像の出典:Google
多くの企業が顧客対応の自動化やコンテンツ制作の効率化を模索する中、音声合成技術の表現力と導入コストは重要な検討課題となっています。Googleが新たに発表した音声合成モデルは、自然言語による指示でキャラクター性を付与できるほか、短時間のサンプルから特定の声を再現できる点が大きな特徴です。
本記事では、新モデルの機能詳細と、企業が活用する際の技術的背景について解説します。
キャラクター設計と高度な表現力を備えた新モデル
Googleは9月23日、テキスト読み上げ(TTS:Text-to-Speech)の新モデルとして「Gemini 3.8 Flash TTS」および「Gemini 3.8 Flash-Lite TTS」を公開しました。Googleは2つを「これまでで最も表現力の高い音声生成モデル」と説明しています。
自然言語による声の設計と再現機能
Gemini 3.8 Flash TTSは、キャラクター設計に特化したモデルです。ユーザーは役柄やなまり、声質などを自然言語で指示するだけで、ゼロから新しい声を生成できます。対応言語は100以上におよび、既存の2,000以上の声を選択することも可能です。さらに、本人の声か利用する権利を持つ声であれば、30秒の音声から同じ声を再現できます。再現するには、声の持ち主が口頭で同意した録音を提出する必要があります。生成された音声にはすべてSynthIDの電子透かしが付き、AIが作った音声だと後から判別できるようにしています。声の再現では、これに加えてC2PA(コンテンツの来歴を示す規格)の情報も付くと説明しています。
感情表現と長尺生成への対応
新モデルは、単なる読み上げにとどまらない高度な演技指示に対応しています。1行ごとに細かな演技のニュアンスを指定できるほか、笑い声やため息といった非言語的な表現も生成可能です。1つの台本から2人の話者の掛け合いを作れるほか、数時間に及ぶ長尺の音声でも声質を保てるとしています。Googleによると、Flash TTSはHume AIの声の設計に関する評価(Voice Design Benchmark)で1位(71.4)、目隠しで聞き比べる評価(Voice Arena)では日本語を含む主要言語で上位に入りました。
大量処理とコスト効率を重視したFlash-Lite TTS
同時に公開されたFlash-Lite TTSは、大量処理とコスト効率を重視したモデルです。
吹き替えや音声エージェントへの最適化
Gemini 3.8 Flash-Lite TTSは、大量の吹き替えや音声コンテンツ制作、表現力のある音声エージェント向けに作られています。声のトーンや話す速さを細かく指定でき、1行ずつの演技指示や笑い・ため息などの表現もFlash TTSと同様に使えます。
開発者および企業向け提供形態
提供開始時点では、開発者向けにGemini APIおよびGoogle AI Studioを通じてアクセス可能です。一般ユーザー向けには、Flash TTSがGemini Notebookで、Flash-Lite TTSがGoogle Vidsで利用可能となっています。企業向けのGemini Enterpriseでは、APIでの提供が近日予定です。
まとめ
今回の発表により、企業は以下の機能を活用できるようになります。
- 自然言語によるキャラクター設計と、30秒のサンプルによる声の再現
- 笑い声やため息を含む、感情豊かな非言語表現の生成
- 大量処理に適したFlash-Liteモデルによるコスト効率の高い運用
- 電子透かしと来歴情報による、生成音声の安全性確保
自社のサービスやコンテンツ制作に音声合成を導入する際は、まずはGemini APIを通じて各モデルの表現力を検証し、用途に応じたモデルの選定を進めることを推奨します。
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💡 編集部の見解
Googleが、自然言語で声質を設計し、30秒の音声から本人を再現できる音声合成モデル「Gemini 3.8 Flash TTS」を公開しました。大量処理向けのFlash-Lite TTSも同時に公開され、開発者はGemini APIから使えます。
- API料金の比較:当メディアの「音声合成(TTS)API料金比較」に、今回の2モデルを9月24日から掲載しています。他社の音声合成との料金の比較はそちらで確認できます。
- 技術的特徴の整理:一部の紹介は「低遅延でリアルタイム性が高い」ことを特徴に挙げていますが、Googleの発表は表現力を前面に出しており、遅延の数値は示していません。応答の速さが重要な用途では、自社で試して測る必要があります。




