SCSKが挑む「フィジカルAI」の最前線!次世代ロボット開発『AIRoA』で現場はどう変わる?

2026年1月23日、SIer大手のSCSK株式会社は、次世代ロボット開発プロジェクト『AIRoA』への参画を発表しました。

AIエージェントといえば、これまではチャットボットやPC内の自動化ツールといった「画面の中」の存在でした。
しかし、今回の発表は、AIがロボットの身体(ボディ)を手に入れ、物理的な作業を自律的にこなす「フィジカルAI」時代の本格到来を告げるものです。

画面から現場へ。「フィジカルAI」の衝撃

これまでの製造や物流現場におけるDXは、IoTセンサーでデータを集める「可視化」が中心でした。しかし、深刻化する労働力不足を解決するには、データを見るだけでなく、実際に「モノを運ぶ」「組み立てる」といった物理的な作業を自動化する必要があります。

SCSKが取り組むフィジカルAI(Embodied AI)は、最新のAIモデルをロボット制御に応用することで、サイバー空間の頭脳とフィジカル空間の身体を融合させます。これにより、人間が介在しなくても現場が回り続ける「完全な自律化」を目指します。

「見て、考えて、動く」。VLMが変えるロボット制御

AIRoAの技術的な核となるのが、視覚言語モデル(VLM)です。これは、カメラで捉えた映像と言語を同時に理解し、推論するAI技術です。

「赤い箱を取って」で通じる柔軟性

従来の産業用ロボットは、ミリ単位の座標指定や厳密なプログラミング(ティーチング)が必要で、置く場所が少しでもずれるとエラーで停止してしまいました。

しかし、VLMを搭載したAIロボットは、人間のように目で見て状況を判断できます。「あの赤い箱を取って棚に置いて」といった曖昧な指示でも、自律的に対象物を見つけ、障害物を避けて把持することが可能になります。

環境の変化に柔軟に適応できるため、これまでロボット導入が難しかった多品種少量の生産ラインや、雑多な物流倉庫でも活用が進むと期待されます。

ロボット運用のプラットフォーム化を目指して

SCSKの狙いは、単体のロボット開発だけではありません。現場で稼働する多数の異種ロボットを一元管理・運用するプラットフォームの構築を目指しています。

特定のメーカーに依存せず、多様なAIロボットを適材適所で組み合わせ、AIエージェントがそれらを指揮する。SCSKのシステムインテグレーション力と最新のAI技術が組み合わさることで、製造DX現場自律化は新たなフェーズへ突入します。

まとめ

SCSKによる『AIRoA』への参画は、AIエージェントがオフィスを飛び出し、現場の労働力として機能し始めたことを示しています。

製造業や物流業にとって、AIロボットはもはや未来の技術ではありません。現場のオペレーションをAIエージェントに委ねる未来を見据え、早期の実証実験(PoC)を開始すべき時期が到来しています。

出典: PR TIMES