【実録 第18話】エラーで検索する人を狙ったら、伸びた話

【実録 第18話】エラーで検索する人を狙ったら、伸びた話

第17話では、毎朝の自動量産をやめて、記事を1本ずつ、狙いを定めてから作るようにした話を書きました。「量より精度」に切り替えた回です。

では、その「狙い」をどこに置けばいいのか。今回は、その答えをアクセス解析が教えてくれた話です。結論からいうと、エラーや障害で困って検索する人に、ずばり応える。そこを狙ったら、思った以上に読まれるようになりました。

アクセスが、急に増えた日があった

アクセスは、ていねいに見るようにしていた

記事づくりを手動に切り替えてからは、アクセスの状況を前より丁寧に見るようになりました。どの記事が読まれているか、どんな検索で人が来ているか。数字を眺める時間を、意識して取るようにしていたのです。

あるサービスが止まった日、訪問が跳ねた

あるとき、訪問数が急に跳ね上がった日がありました。よく調べると、その日は、あるAIサービスが障害で止まっていた日でした。サービスが使えなくなって、困った人たちが一斉に検索した——そういう動きが、数字にはっきり表れていたのです。

解析したら、エラーで検索した人だった

増えた分の多くが「エラー系の検索」

気になったので、直近の伸びをまとめて分析してみました。すると、増えたアクセスの多くが「エラー系の検索」でした。何かがうまく動かない、エラーが表示された、サービスにつながらない——そういう困りごとを抱えた人が、検索でたどり着いていたのです。

あるエラー記事が、ぐっと伸びていた

なかでも、あるエラーについて書いた記事が、ぐっと伸びていました。派手なテーマでも、人気のツールの紹介でもありません。ただ「このエラーが出たときどうするか」を書いた記事です。それが、想像していたよりずっと多くの人に届いていました。

最近、アクセス増えてない? なにかあった?
Nav 直近を解析しました。先日あるAIサービスが止まった日に訪問が跳ねていて、増えた分の多くがエラー系の検索でした
エラーで困って検索した人が、来てるってこと?
Nav はい。とくに、あるエラーの対処を書いた記事が伸びていました。派手な記事ではないのに、よく読まれています
偶然じゃなくて?
Nav 偶然の一発の可能性もありますが、数字の傾向ははっきり出ています。一度きちんと調べる価値があります

偶然の一発かもしれない。最初はそう思いました。でも、数字の傾向ははっきりしていました。

なぜ「エラー検索」は強いのか

出た文言を、そのまま検索する

考えてみれば、理由ははっきりしています。エラーに直面した人は、画面に出た文言を、そのままコピーして検索することが多いのです。「何々というエラー」「何々が表示される」。出たメッセージを手がかりに、答えを探します。

困りごとが具体的で、切実だから

そして、その困りごとはとても具体的で、切実です。今まさに作業が止まっていて、早く解決したい。そういう人に、ずばり答える記事は、とてもよく刺さります。一般的な解説より、目の前のエラーへの具体的な対処のほうが、求められているのです。

AIの要約に、奪われにくい

もうひとつ、見逃せない強みがあります。最近は、検索結果の上にAIが答えの要約を出すようになり(GoogleのAI概要など)、一般的な「〇〇とは」のような疑問は、その要約だけで済まされて、記事まで来てもらいにくくなってきました。

ところが、エラーの具体的な文言で検索する人は、自分の状況にぴったり合う対処を、実際のページで確かめたいと考えます。ざっくりした要約では解決しないことが多いのです。だから、エラー検索のような具体的で切実な困りごとは、AIの要約に流入を奪われにくく、記事への需要が残りやすい。これも、エラー軸を狙う理由のひとつでした。

勘ではなく、データで狙いを決めた

たまたまの当たりを、傾向として確かめた

大事にしたのは、これを「たまたま当たった」で終わらせなかったことです。アクセス解析で、エラー検索が伸びを引っ張っているという傾向を、きちんと確かめました。勘や思い込みではなく、数字の裏づけがある。だから、安心して舵を切れました。

「エラーで困る人に応える」を狙いに据えた

そこで、記事づくりの狙いのひとつを、はっきり「エラーで困っている人に応える」に据えました。第17話で骨子から狙いを決める形にしたばかりでしたが、その狙いの中身を、データが具体的に教えてくれた、という流れです。

じゃあ、それを狙いにできない?
Nav できます。勘ではなくデータの裏づけがあるので、エラーで困る人に応える記事を、意識して作っていきましょう
どういう記事が刺さるんだろう
Nav エラーに直面した人は、画面に出た文言をそのままコピーして検索します。その具体的な困りごとに、ずばり答える記事です
抽象的な解説より、具体的な対処のほうがいいんだね
Nav そうです。困りごとが切実なぶん、答えが合っていれば確実に届きます

「今、動いてる?」に答える掲示板も作った

自分のせい? それとも障害?

エラーや障害で検索してくる人を見ていて、もうひとつ気づいたことがあります。その人たちが知りたいのは、対処法だけではありません。「これは自分の操作のせいなのか、それともサービス自体が落ちているのか」。まずそこを、はっきりさせたいのです。

公式の障害情報を取り込んで、常時表示にした

そこで、主要なAIサービスが今ちゃんと動いているかを、一目で確認できる掲示板を作りました。各社が公式に出している障害情報を自動で取り込んで、常に最新の状態が表示されるようにしたものです。たとえば、ChatGPTで障害は今起きてる?のように、サービスごとにページを用意しています。記事で対処法を伝え、掲示板で「今の状況」を確かめてもらう。困っている人を、両方から支える形にしました。

エラーで来る人って、対処法のほかにも知りたいことがありそうだね
Nav あります。「自分の操作のせいか、それともサービス自体が落ちているのか」を、まず知りたいはずです
それ、すぐわかるようにできない?
Nav 各社が出している公式の障害情報を自動で取り込んで、今動いているかを一目で見られる掲示板を作れます
いいね、それ作ろう
Nav わかりました。常に最新の状態が出るようにして、記事からも見に来られるようにします
記事で対処を伝えて、掲示板で状況を確かめてもらう。両輪だね
Nav はい。困っている人を、両方から支えられます

困りごとの急所に、応える

アクセス解析は、需要の答え合わせ

この一件で、あらためて実感したことがあります。アクセス解析は、自分の狙いが当たっているかどうかの「答え合わせ」になる、ということです。何が読まれているかを見れば、人が本当に困っていることが見えてきます。想像で決めるより、ずっと確かです。

一般論より、具体的な困りごとに

そして、届く記事は、たいてい具体的です。「これについて広く解説します」より、「このエラーが出たらこうする」のほうが、必要としている人にまっすぐ届きます。困りごとの急所に、ピンポイントで応える。今はそれを、狙いの真ん中に置いています。

まとめ

  • アクセスが急に伸びた日を調べたら、エラーや障害で検索して来た人が増えていた。
  • エラーに直面した人は、出た文言をそのまま検索する。困りごとが具体的で切実なぶん、ずばり答える記事は強い。
  • 「たまたま」で終わらせず、アクセス解析で傾向を確かめてから、狙いとして据えた。
  • エラーで来る人向けに、各社の公式情報を取り込んで「今動いているか」が一目でわかる掲示板も作り、記事と両輪にした。
  • アクセス解析は需要の答え合わせ。一般論より、具体的な困りごとに応えるほうが届く。

次回は、サイトそのものを大きく作り変えた話です。見せ方を見直して、ニュースメディアとして生まれ変わらせました。その舞台裏をお届けします。

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