マネーフォワード、AI利用コストを可視化する新サービスを提供開始

画像の出典:株式会社マネーフォワード

企業における生成AIの導入が加速する一方で、トークン課金型の利用料金がブラックボックス化し、投資対効果の把握が困難になるケースが増えています。株式会社マネーフォワードは2026年8月17日、法人のAI利用コストと利用量を一元管理する新プロダクト『マネーフォワード クラウドAIトークン管理』の提供を開始しました。

本記事では、AI投資の適正化を目指す企業が注目すべき、可視化と決済統制の仕組みについて解説します。

AI利用の可視化とコスト管理の現状

トークン課金がもたらす管理の複雑性

現在、多くの企業がChatGPTやClaudeといった生成AIツールを業務に取り入れていますが、その多くは利用量に応じたトークン課金モデルを採用しています。IDC Japanが2026年3月に発表した「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide 2026V1」によると、国内のAIインフラ支出は2026年に8,210億円に達し、前年比で18%超の増加が見込まれています。また、2029年までの5年間で年平均成長率は約13%と予測されており、企業が負担するAI関連コストは今後も拡大の一途をたどる見通しです。

このような状況下で、誰が、どのAIツール・LLMモデル(大規模言語モデル)に、どれだけのコストを投じているかを正確に把握することは、経営層やDX担当者にとって喫緊の課題となっています。利用実態が見えないままでは、予算の最適化や投資対効果(ROI)の最大化を図ることは困難です。

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無償で利用可能な可視化ダッシュボード

新プロダクト『マネーフォワード クラウドAIトークン管理』は、API連携やCSVデータを取り込むことで、AIツールやLLMモデル、ユーザーごとの利用量とコストをダッシュボード上で可視化します。特筆すべきは、マネーフォワードIDを取得すれば『マネーフォワード クラウド』の契約有無を問わず無償で利用できる点です。これにより、AI導入初期の企業や、まずは利用実態を把握したいというニーズを持つ企業でも、手軽にガバナンスの第一歩を踏み出すことが可能になります。

決済環境の統合による支出統制

ビジネスカードを活用した支出の一元化

可視化と並んで重要なのが、決済プロセスの統制です。マネーフォワードは、グループ会社のマネーフォワードケッサイ株式会社が発行する『マネーフォワード ビジネスカード』を活用し、AIツール専用の決済環境を構築する仕組みを提供します。同社ビジネスカードのAI関連決済額は、2025年6月から2026年6月までの1年間で4.47倍に急増しており、企業におけるAI支出の重要性が高まっていることが裏付けられています。

カードコントロール機能によるガバナンス強化

『マネーフォワード ビジネスカード』には、カードごとに利用上限額や用途を設定できる「カードコントロール機能」が備わっています。AIツールごとに専用のバーチャルカードを発行し、この機能を活用することで、AI関連の支出を特定のカードに集約し、用途外の利用や予算超過を未然に防ぐことが可能です。可視化ツールで「利用量」を把握し、ビジネスカードで「支出」を制御するという2つのアプローチを組み合わせることで、企業のAI活用におけるガバナンス体制を強固に構築できます。

まとめ

マネーフォワードが提供を開始した本ソリューションは、AI投資の透明性を高め、適正な運用を支援するものです。以下のポイントを参考に、自社のAI活用環境を見直してみてください。

  • AI利用量とコストをツール・モデル・ユーザー単位で可視化する
  • マネーフォワードIDを取得し、まずは無償の可視化ツールで現状を把握する
  • AIツール専用のビジネスカードを発行し、カードコントロール機能で支出を統制する

AI投資のROI最大化に向け、まずは「見える化」から着手し、管理体制の整備を進めることが推奨されます。

💡 編集部の見解

AI投資のブラックボックス化を防ぐため、可視化と決済統制をセットで提供する本サービスは、企業のAIガバナンス構築における現実的な解となります。

  • 市場の成長背景:国内AIインフラ支出が2026年に8,210億円に達する予測など、企業におけるAI投資が急速に拡大している背景があります。
  • 実態の急増:同社ビジネスカードにおけるAI関連決済額が1年間で4.47倍に増加しており、支出管理の必要性が高まっています。

AI導入が全社規模に広がる前に、利用実態の把握と決済ルールの策定を済ませておくことが、中長期的なコスト最適化の鍵となりそうです。

出典:株式会社マネーフォワード(2026年8月)

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