ビットフォレスト、AIエージェントによるサイト攻撃を観測|最長8時間弱

画像:AIエージェントナビ編集部
Webサイトのセキュリティ対策において、攻撃者がAIエージェントを活用するケースが現実のものとなっています。AIエージェントは、従来の自動化ツールとは異なり、状況に応じて柔軟に判断し、攻撃の軌道を修正する能力を備えています。この新たな脅威に対し、企業はどのような対策を講じるべきなのでしょうか。
本記事では、株式会社ビットフォレストが公開した国内Webサイトへの攻撃観測レポートをもとに、AIエージェントによる攻撃の特性と、企業が取るべき基本的な防御策について解説します。
AIエージェントによる攻撃の観測事例
3つのIPアドレスから確認された攻撃
株式会社ビットフォレストは、2026年10月10日夜から14日にかけて、同社が提供するクラウド型WAF(Web Application Firewall:Webサイトへの攻撃を検知・遮断する仕組み)である「Scutum」において、AIエージェントによる攻撃を観測しました。今回の観測では、少なくとも3つのIPアドレスから攻撃が行われていることが確認されています。
同社の分析によると、これらの攻撃は単純なスキャンにとどまらず、AIエージェント特有の柔軟な判断や軌道修正能力を駆使した高度な手法が用いられていました。検知ロジックについては、すべてのAIエージェントを網羅的に列挙することは困難であるものの、一度検知した場合には、それがAIエージェントによるものであると断定できる性質のものだとしています。
8時間弱に及ぶ段階的な攻撃推移
観測された攻撃の中で最も長期間に及んだ事例では、8時間弱にわたって攻撃が継続されました。この攻撃は10段階のフェーズに分かれて進行しました。
具体的には、高速スキャンによる第1波では毎秒約35件、合計で約10,000件ものリクエストが送信されました。また、ログイン総当たりのフェーズでは約250件の試行が確認されています。さらに、別のIPアドレスからの攻撃では、複数のツールを切り替えながら段階的に侵入を試み、問い合わせフォームに対して約210件の自動POST連投を行うといった挙動も観測されました。
AIエージェント時代のセキュリティ対策
AIエージェントを見分ける仕組み
ビットフォレストによると、AIエージェントはcurlなどのコマンドの実行結果を読んで、次の行動を修正します。同社はこうした特性などを踏まえて検知の仕組みを開発し、今回の攻撃を特定しました。仕組みの詳細は公表していません。
同社は、AIエージェントの利用有無によって対策の根本が変わるわけではないと指摘しています。
同社が挙げる2つの対策
そのうえで同社が挙げる対策は2つです。1つ目は、バックエンドAPI(システム間でデータをやり取りする窓口)を含めて、脆弱性を事前に解消しておくことです。
2つ目は、既知の攻撃パターンを登録した「シグネチャ」だけに頼らず、攻撃かどうかを見分ける性能(分類性能)の高いWAFを導入することです。同社は、セキュアスカイ・テクノロジーの実践ガイドも参考に挙げています。
まとめ
- ビットフォレストが国内WebサイトへのAIエージェントによる攻撃を観測し、8時間弱にわたる攻撃推移を公開した。
- 攻撃は少なくとも3つのIPアドレスから行われ、高速スキャンやログイン総当たり、フォームへの連投など段階的に進行した。
- AIエージェントの利用有無に関わらず、脆弱性の事前解消とシグネチャに依存しないWAFの導入が重要である。
Webサイトのセキュリティ対策を見直し、最新の脅威に対する防御体制を強化してください。
💡 編集部の見解
ビットフォレストが、国内企業サイトに対するAIエージェントによる攻撃を観測し、その推移を公開しました。AIの柔軟な判断能力を悪用した攻撃が、最長8時間弱にわたって継続した事例が報告されています。
- 検知モデルの事前検証:同社は今回の検知ロジック開発にあたり、Qwen 3.8 Flash NextやGLM-5.3 Flash Nextを含む8種類のモデルを用いて事前検証を行い、すべてにおいて検出可能であることを確認しています。
- 同社が挙げた対策:AIエージェントかどうかで対策は大きく変わらないとしたうえで、バックエンドAPIを含む脆弱性の事前解消と、シグネチャだけに頼らないWAFの導入を挙げています。
出典:ビットフォレスト(Scutum WAF Tech Blog)




