ChatGPT Computer Historyをオフにする方法|履歴は残ります

macOS版ChatGPTに、利用者の操作を文脈として読み取る「Computer History(コンピュータ履歴)」が加わりました。自分のMacも勝手に記録されているのでは、と不安になった方もいるかもしれません。しかしOpenAIの公式ドキュメントは、既定でオフだと明記しています。

Computer History is off by default for ChatGPT Pro, Business, and Enterprise users in the ChatGPT desktop app on macOS.

(Computer Historyは、macOS版ChatGPTデスクトップアプリのChatGPT Pro、Business、Enterpriseの利用者に対して、既定でオフです)

自分でオンにしていなければ、記録は始まっていません。本記事では、記録が動く条件の確かめ方、止める3つの方法、そしてオフにしただけでは残るデータの消し方までを解説します。

Computer Historyの概要と確認

Computer Historyは、許可したアプリとサイトでの操作をメモリとタイムラインに変え、ChatGPTとCodexが後から参照できるようにする機能です。以前のChronicleがスクリーンショットを使っていたのに対し、こちらは操作イベントを記録します。

ただし、何もかもを記録するわけではありません。記録されるものと、公式が記録しないと明記しているものを整理します。

記録されるもの 記録されないもの(公式が明記)
マウスのクリック スクリーンショット
キーボードでの文字入力 画面録画
キーボードショートカットの使用 マイク入力
アプリケーションの切り替え システム音声
macOSのアクセシビリティ機能が渡す文脈 プライベートモードでの閲覧

画面を撮っているわけではないため、画面録画の権限は不要だと公式は記載しています。そのうえで注意点も2つ自ら挙げています。ひとつはプロンプトインジェクションで、悪意ある指示が書かれたサイトを閲覧すると、ChatGPTやCodexがその指示に従ってしまう可能性があるというものです。もうひとつは、相手の事前の明示的な同意がない限り、他者とのやり取りの最中はオフにするよう求めている点です。機能の全体像は次の記事で扱っています。

関連記事:OpenAIがmacOS版ChatGPTに「Computer History」を追加

記録開始の5条件

記録が動くには、次の5つがすべて揃っている必要があります。

  1. 対象プラン:ChatGPT Pro、Business、Enterpriseのいずれかであること
  2. 利用環境:macOS版のChatGPTデスクトップアプリであること
  3. 提供地域:欧州経済領域(EEA)、スイス、英国以外であること(日本は対象)
  4. 管理者の許可:BusinessとEnterpriseでは、管理者がアクセスを許可していること
  5. 本人のオプトイン:Memories(メモリ)をオンにしたうえで、自分でオンにしていること

APIキー経由とAmazon Bedrock経由では提供されません。ひとつでも欠けていれば、記録は動いていないということです。

設定画面の場所

確認する場所は1か所です。macOSのChatGPTデスクトップアプリを開き、Settings(設定)の中のIntegrationsにあるComputer historyを選びます。公式ドキュメントも、オンにする手順としてこの経路だけを示しています。

なお、この機能の公式ドキュメントに日本語版はありません。本記事では画面の項目名を英語表記のまま記載します。

オフ・一時停止・除外の違い

記録を止める方法は3つあり、効き方が違います。

操作 止まる範囲 操作場所 すでにある履歴
オフにする 今後の収集すべて Settings > Integrations > Computer history 消えない
一時停止(Pause) 新しい操作イベントの収集 macOSのメニューバー 消えない
除外・限定 指定したアプリとサイトのみ Settings > Computer history > Permissions 消えない

3つに共通するのは、いずれもこれから先の記録にしか効かない点です。すでにある履歴を消すには別の操作が要ります。

完全オフの手順

今後の記録をすべて止めるなら、Settings > Integrations > Computer history でオフにします。公式の説明も、オフにすると今後の活動の収集が止まる、という書き方です。過去の履歴が消えるとは書かれていません。

なお、この機能はMemories(メモリ)を必要とするため、Memories自体をオフにしても動かなくなります。ただしMemoriesは他の場面でも使う設定なので、通常はComputer History側をオフにするだけで足ります。

一時停止の方法

会議の間だけ止めたい場合は一時停止が向いています。macOSのメニューバーにあるChatGPTのアイコンからComputer Historyのメニューを開き、Pauseを選ぶと新しい操作イベントの収集が止まります。戻すときは同じメニューのResumeです。

アプリ・サイトの除外

機密性の高いアプリやサイトだけを対象外にすることもできます。Settings > Computer history > Permissions には、次の4つの項目があります。

  • Exclude these appsExclude these websites:指定したアプリとサイトを除外する
  • Include only these appsInclude only these websites:指定したものだけを含める

履歴のタイムライン上でアプリのアイコンを選び、そのアプリを今後の履歴から外すこともできます。ただし権限の変更が効くのは今後の履歴だけで、すでにある項目は削除するしかないと公式は明記しています。

オフ後の履歴とメモリの残存

本記事でいちばんお伝えしたいのはここです。オフにしても、それまでに作られた履歴とメモリはMacの中に残ります。

残るデータと自動削除

端末に置かれるものは2種類あり、寿命がまったく違います。ひとつは一時的なイベントファイルで、ChatGPTのApp Groupに隔離され、48時間を過ぎると削除されます。

もうひとつがメモリファイルで、こちらは自動では消えません。

Generated memory files remain on your filesystem until you delete or clear them

(生成されたメモリファイルは、削除または消去するまでファイルシステム上に残ります)

オフにするだけでは、この2つ目が手つかずで残ります。OpenAI側の扱いも押さえておきましょう。イベントファイルは公式によれば、法令上必要な場合を除き処理後は保持されず学習にも使われません。ただし、作られたメモリを後のチャットで使うと、そのチャットの内容はデータ管理の設定次第でモデル改善に使われることがある、とも書かれています。

履歴削除と注意点

消すときは Settings > Computer history > History を開きます。直近10分・直近1時間・直近1日・すべて、の4通りから選べるほか、タイムラインの項目を1件ずつ消すこともできます。メニューバーからは、直近のアプリのセッション分を消せます。

ここで注意が要ります。履歴の消去は、該当する操作イベントとそこから作られたメモリを一緒に削除し、元に戻せないと公式が警告しています。消す前に本当に不要かを確かめてください。

メモリファイルの保存先

メモリファイルは、読み書きできるプレーンテキストのMarkdownです。履歴のタイムラインからFinderで実体を開けますが、保存先は次のとおりです(1行目の環境変数が、通常は2行目に解決されます)。

$CODEX_HOME/memories/extensions/skysight/
~/.codex/memories/extensions/skysight/

公式は、このファイルについて次のように注意を促しています。

They are not encrypted by Computer History, and other programs running as your macOS user may be able to access them.

(それらはComputer Historyによって暗号化されておらず、あなたのmacOSユーザーとして動作する他のプログラムがアクセスできる可能性があります)

メモリとの違い

紛らわしいのですが、ウェブ版ChatGPTのメモリと、Computer Historyが作る端末内のメモリは別の保管場所です。公式も両者を区別しています。ウェブ側のメモリを消しても、Macに残ったメモリファイルは消えません。

関連記事:【2026年5月アップデート】ChatGPTメモリ削除とメモリソース活用術

会社のMacでの利用制限

法人契約では、そもそも社員に使わせないという選び方ができます。

管理者による全体停止

BusinessとEnterpriseでは、管理者がアクセスを許可するまで利用できません。管理者は Workspace Settings > Permissions & roles の Enable Computer History で、どのロールに許可するかを決めます。許可しないままにしておけば、社員側が設定をどう変えても有効にはできません。

許可と本人の同意

逆に、管理者が許可したからといって社員の記録が始まるわけでもありません。

公式は、アクセスの許可はメンバーがオンにすることを選べるようにするだけで、誰の機能もオンにはしないと説明したうえで、こう続けています。

Each person must opt in individually, including ChatGPT Pro users.

(ChatGPT Proの利用者を含め、各自が個別にオプトインする必要があります)

許可と、本人がオンにすることは別の操作です。個人でProを使っている場合も、自分でオンにしない限り記録は始まりません。

設定に表示されない場合

設定に項目が見当たらないこともあります。これは不具合とは限らず、対象外であることを示している場合があります。

対象外条件の確認

公式はまず、自分のプランが対応しているか、該当するなら管理者が有効にしているかを確認するよう案内しています。この2点が最初の確認先です。

それでも開始しない場合、公式のトラブルシューティングは3手順です。Memoriesがオンかを確認する、Settings > Computer history で Finish setupResumeTry again のうち表示されているものを選ぶ、アプリを終了して開き直す、の順です。

オンにできない報告

設定項目は見えているのに、オンにしても動きださないという報告もあります。OpenAIの公式コミュニティフォーラムには2026年8月16日付でIntelチップ搭載のMacからの投稿があり、Turn on を選んでもサービスが起動しないと書かれています。挙げられているログは次のとおりです。

Failed to spawn managed Computer Use service

必要なサービスの実行ファイルがIntel版に含まれていない、とも報告されています。ただしこのスレッドへのOpenAIの回答は2026年8月18日時点で確認できず、報告も1件のみです。Intel搭載のMacでは使えないと断定はできませんが、同じ症状が出たときの手がかりにはなります。

まとめ

  • 既定はオフ:自分でオンにしていなければ記録は始まっていません
  • 止め方は3つ:オフ・一時停止・除外はいずれも今後の記録にしか効きません
  • オフでは消えない:作られたメモリファイルは削除するまでMacに残り、暗号化もされていません
  • 消すと戻せない:履歴を消すとそこから作られたメモリも消え、取り消しできません
  • 組織は二段構え:管理者の許可と本人のオプトインの両方が要ります

まずは Settings > Integrations > Computer history を開き、いまオンかオフかを確かめてください。オンにしたことがあるなら、History から履歴を消し、記録させたくないアプリとサイトを Permissions で除外するところまで済ませておくと安全です。

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