Codexでgpt-5.6 lunaがサブエージェントに出ない原因

Codexでサブエージェントを作ろうとしたとき、モデルの一覧にgpt-5.6 lunaが出てこない。メインのモデル選択では選べるのに、サブエージェントのときだけ消える。この現象はあなたの設定ミスではなく、Codex側で報告済みの不具合です。
本記事では、その根拠となる公式リポジトリの報告内容を示したうえで、いま取れる対処を3つ、優先順に整理します。
⚠️ 設定の問題か、OpenAI側の障害かをまず切り分け
モデルの選択肢が出ない現象は、OpenAI側で障害が起きているときにも発生します。設定を触る前に、稼働状況を確認しておくと切り分けが早く済みます。
gpt-5.6 lunaとは?GPT-5.6の3モデルの中での位置づけ
GPT-5.6は用途別に3つのモデルへ分かれている
GPT-5.6は2026年7月9日に公開されたモデル群で、Sol・Terra・Lunaの3つの系統で構成されています。Codexのサブエージェントに関する公式ドキュメントでは、それぞれの使いどころが次のように説明されています。
| 指定する値 | 公式ドキュメントでの位置づけ |
|---|---|
gpt-5.6 |
要求の重いエージェント向け。曖昧で多段階の作業、計画・ツール利用・検証を伴う長い文脈の作業に最も強い |
gpt-5.6-terra |
深さより速度と効率を優先する用途向け。調査、読み込み中心の走査、大きなファイルのレビュー、補助資料の処理など |
gpt-5.6-luna |
速く、範囲を絞ったエージェント向け。内容がはっきりした作業、繰り返しの作業、量の多い作業に使う |
なお最上位のモデルは、公式ドキュメントではgpt-5.6、後述する不具合報告の画面上ではgpt-5.6-solと、表記が分かれています。
lunaは「範囲のはっきりした作業を数多くこなす」担当
3つのうちlunaは、判断の幅が狭い作業を数多く片づける役割です。公式ドキュメントの原文では「fast, narrowly scoped agents handling clear, repeatable, or high-volume work」と表現されています。
サブエージェントを使う場面では、親エージェントが全体の段取りを考え、子エージェントが決まった手順の作業を並行して進める形になります。そのため、子側にlunaを割り当てたいという需要が生まれます。今回の不具合は、まさにこの割り当てができないという内容です。
サブエージェントの一覧にlunaが出ない症状
メインのモデル選択には出るのに、サブエージェントでは選べない
報告されている症状は次のとおりです。Codexのモデル選択画面ではgpt-5.6 lunaが表示されるのに、サブエージェントを起動するspawn_agentの設定では、選べるモデルがgpt-5.6-solとgpt-5.6-terraの2つだけになります。
この内容は、OpenAIの公式リポジトリに次のタイトルで登録されています。
spawn_agent does not expose gpt-5.6-luna
起票は2026年7月23日で、本記事の確認時点(2026年8月2日)でもOpen(未解決)のままです。bug・subagentのラベルが付いており、報告者の環境はCodex 26.715.72028・Pro契約・macOSと記載されています。
公式からの回答も修正の告知も、現時点では確認できない
この報告に対して、OpenAI側の回答や修正版の告知は、2026年8月2日時点では確認できませんでした。つまり利用者側でできることは、不具合を避けて指定する方法を取るか、修正を待つかのどちらかになります。
Xでも同じ内容が共有されています。ある開発者は2026年8月1日の投稿で「なんと、luna はサブエージェントとしてはまだ使えないのね」と書き、あわせて「gpt-5.6 luna は利用可能一覧にはありません」と、サブエージェントで指定できるのがgpt-5.6-solとgpt-5.6-terraの2つだけである状況を伝えています。この投稿は表示1,442件・いいね17件と、同じ症状に当たった人に読まれている様子がうかがえます。
原因は2つある(まず切り分ける)
「サブエージェントでlunaを指定できない」と一口に言っても、報告されている原因は2つあります。どちらに当たっているかで打つ手が変わるため、先に切り分けてください。
| 原因 | 画面で起きること | 報告 |
|---|---|---|
| A:候補にlunaが無い | モデルを選ぶ欄はあるが、solとterraしか並ばない | Issue #34964(未解決) |
| B:モデル欄そのものが無い | 親をsolにするとモデルや推論設定の項目自体が消える | Issue #31814(解決済み) |
原因A:サブエージェント生成時のモデル候補にlunaが載っていない
モデルを選ぶ欄は表示されているのに、そこにlunaだけが並ばない場合は原因Aです。これがIssue #34964として報告されている状態で、報告者の環境ではメインのモデル選択にlunaが表示されることも同時に確認されています。
同じ画面で表示が食い違っている以上、利用者側の権限や契約プランの問題ではありません。実際に報告者はPro契約で発生しています。
原因B:親をsolにするとモデル指定欄そのものが消える
モデルを選ぶ欄が見当たらない場合は、原因Bの可能性があります。こちらは別の報告として登録されており、タイトルは次のとおりです。
GPT-5.6 Sol cannot specify subagent models, forcing all subagents to also be Sol instances
報告内容によると、solを使うとMultiAgent V2という仕組みが有効になり、hide_spawn_agent_metadataという設定が既定で有効になります。その結果、サブエージェント側の指定項目からagent_type・model・reasoning_effort・service_tierが消え、子エージェントが親solの設定をそのまま引き継ぐしかなくなる、という説明です。
この報告は2026年7月9日の起票で、すでにClosed(解決済み)として扱われています。設定で戻せる余地があるのは、原因Aと違ってこちらのほうです。
関連記事:GPT-5.6が「Model not found」(404)になる原因と対処
lunaをサブエージェントに使う3つの対処法

対処1:エージェント定義ファイルにmodelを書く
画面の一覧に出てこなくても、設定ファイル側からモデルを指定する方法が公式ドキュメントに用意されています。サブエージェントは、次の場所に置くTOML形式のファイルで定義します。
- 個人用:
~/.codex/agents/ - プロジェクト用:
.codex/agents/
ファイルの必須項目はname・description・developer_instructionsの3つで、そこに任意項目のmodelを書き足す形になります。lunaを指定する場合の記述例は次のとおりです(エージェント名や指示文は当編集部が用意した例なので、用途に合わせて書き換えてください)。
name = "log_scanner"
description = "決まった形式のログを読み取って要点だけ返す"
model = "gpt-5.6-luna"
model_reasoning_effort = "low"
developer_instructions = """
指定されたログだけを読み、該当行と件数を返す。
推測での補足はしない。
"""
model_reasoning_effortに指定できるのは、ultra・max・xhigh・high・medium・lowの6段階です。項目を省略した場合は「ファイルなどでの明示的な指定 → [agents]に書いた既定値 → 親エージェントの設定」の順で決まります。
この書き方は公式ドキュメントに記載された正式な指定方法です。ただし、Issue #34964の症状が出ている環境でこの方法なら通る、という報告は確認できていません。まずは小さなエージェントを1つ作って試してください。
対処2:モデル指定欄が消えている場合は設定で戻す
原因Bに当たっている場合、つまり親をsolにするとモデルの指定欄そのものが消える場合は、設定で表示を戻せたという報告があります。Issue #31814で共有されている記述は次のとおりです。
[features.multi_agent_v2]
hide_spawn_agent_metadata = false
tool_namespace = "agents"
1行目と2行目で、隠されていた指定項目を表示する設定に切り替えます。3行目は、関数名の重複エラーを避けるために添えられている記述です。
これは利用者が報告した回避策であり、OpenAIが公式に案内している手順ではありません。報告にはこの3行をどのファイルへ書くかまでは記載がないため、設定ファイルの場所は公式ドキュメントで確認してください。書き換える前に、元の内容を控えておくことをおすすめします。
対処3:新規スレッドでlunaを指定して代用する
設定を変えずに済ませたい場合は、サブエージェントの代わりに別スレッドを使う方法があります。前出のX投稿では、この回避策が次のように紹介されています。
「回避法としては、新規スレッド(タスク)は luna を指定できるのでそれを subagent 代わりにするといいらしいです」
サブエージェントの一覧にlunaが出なくても、新しいスレッドを立てるときのモデル選択ではlunaを選べます。親エージェントに考える作業を任せ、決まった手順の処理だけlunaのスレッドへ回せば、目的に近い形で作業を分けられます。自動連携はされないため、受け渡しは手作業になる点だけ織り込んでおいてください。
それでも指定できないときの代替と判断基準
terraで代用してよいケース
作業を止めたくない場合の現実的な代替はterraです。公式ドキュメントでterraは「深さより速度と効率を優先する用途向け」と位置づけられており、調査や読み込み中心の走査、大きなファイルのレビューが想定用途として挙げられています。
子エージェントに任せたい作業がこの範囲に収まるなら、lunaにこだわらずterraで進めても目的は果たせます。逆に、量が多く単価を抑えたい作業が中心なら、lunaが使える状態になってから着手するほうが合理的です。なお料金は改定が入ることがあるため、判断の前に公式の料金ページで最新の数字を確認してください。
修正を待つ場合にやっておくこと
原因Aは利用者側の設定では解消できないため、修正を待つ選択も現実的です。待つあいだにできることは次の3つです。
- Issue #34964を購読し、状態がClosedに変わるか確認する
- Codexを最新版に更新し、モデルの一覧が変わっていないか見直す
- 子エージェントへの指示文を別ファイルに切り出しておく
3つ目をやっておくと、lunaが選べるようになった時点でモデル名を書き換えるだけで移行できます。
関連記事:Codexの使用上限がリセットされる時間と確認方法
まとめ
- サブエージェントの一覧にlunaが出ないのは、報告済みの不具合(Issue #34964・2026年8月2日時点で未解決)です
- モデルの指定欄そのものが消える場合は別の原因(Issue #31814・解決済み)で、設定で戻せた報告があります
- 公式ドキュメントには、定義ファイルに
model = "gpt-5.6-luna"と書く指定方法が記載されています - 設定を変えたくない場合は、lunaを指定した新規スレッドをサブエージェント代わりに使えます
まずは自分がどちらの原因に当たっているかを確かめ、原因Bなら設定の見直し、原因Aなら定義ファイルでの指定か別スレッドでの代用に切り替えて、作業を進めてください。



