Migooはどこの国の会社?規約で運営元とデータの扱いを確認

調べもの・資料・動画づくりをまとめて任せられるAIアプリ「Migoo」は、公式サイトに会社の説明がほとんど無く、どこの国の会社か分かりにくいサービスです。結論から言うと、日本の利用者の契約相手はシンガポールの「InfiniteAI Private Limited」です。本記事では、利用規約とプライバシーポリシーの記述をもとに、運営元と、入力した情報の行き先・学習への利用を整理します。

Migooはどこの国の会社が運営しているのか

Migooは仕事をまとめて任せるAIアプリ

Migooは、公式サイトの日本語ページで「リサーチ、コンテンツ、デザイン、プレゼン資料、データなど、あなたの文脈を理解してすぐに動き出す、AIエージェントのエキスパートチーム」と自らを紹介しています。日本語のページがあり、Googleアカウントで登録して使い始められます。

アプリについては、同じサイトの中に「アプリをダウンロード」と「近日公開...」の表示が混在しており、日本でどこまで配信されているかはページからは読み取れません。同じように調べもの・資料・動画をまとめて任せる型のAIエージェントと比べたい場合は、次の記事も参考になります。

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日本の利用者の契約相手はシンガポールのInfiniteAI

Migooの利用規約は、契約の相手を住んでいる場所で分けています。規約13.1条の英語版の原文は次のとおりです。

Our contracting entity that is a party to these Terms is Marvelous Technology, Inc. if you reside within the United States, and InfiniteAI Private Limited if you reside outside of the United States.(訳)本規約の当事者となる当社の契約事業体は、米国にお住まいの場合はMarvelous Technology, Inc.、米国外にお住まいの場合はInfiniteAI Private Limitedです。

日本語版の規約にも同じ内容が書かれています。英語版の規約では、InfiniteAI Private Limitedはシンガポールで設立された会社で、登録住所はシンガポールの1 Raffles Placeとされています。

住んでいる場所 契約の相手 所在地(プライバシーポリシーの記載)
日本など米国以外 InfiniteAI Private Limited シンガポール(1 Raffles Place, #36-01, One Raffles Place, Singapore 048616)
米国 Marvelous Technology, Inc. 米国デラウェア州(9 East Loockerman Street, Suite 311 Dover, DE 19901)

規約の準拠法は米国ニューヨーク州法です。契約相手がInfiniteAIの場合、紛争は英語で行う仲裁で、仲裁地はシンガポールと定められています。利用できるのは18歳以上(または住んでいる地域で契約できる年齢のうち高い方)です。

米国の利用者は米国のMarvelous Technologyと契約する

米国に住む利用者の契約相手は、米国のMarvelous Technology, Inc.です。公式サイトの下部にも、ページによって「©2026 Migoo by InfiniteAI Private Limited」と「©2026 Migoo Marvelous Technology Inc.」の2つの表記が出てきます。

同じMigooでも、住んでいる国で契約する会社が変わる仕組みです。日本から使う場合は、シンガポールの会社が相手だと考えておけば足ります。

日本語の規約は英語版より更新が古い

規約とプライバシーポリシーは、日本語版と英語版で最終更新日が違います。2026年10月29日時点で、利用規約は英語版が2026年10月24日、日本語版が2026年8月11日です。プライバシーポリシーは英語版が2026年10月20日、日本語版が2026年6月1日でした。

日本語版に無い条文が英語版にだけ入っていることがあるため、本記事で英語版にしか無い内容を紹介するときは「英語版の規約では」と書き分けています。

「Seaのアプリ?」と言われる理由

Bloombergが「Seaが米国で試している」と報じた

Migooが「Seaのアプリでは」と言われるのは、2026年6月のBloombergの報道がきっかけです。Seaは、ネット通販のShopeeを持つシンガポールのIT企業です。Bloombergの記事(Yahoo!ファイナンス シンガポール転載)は、関係者の話として、Seaが米国などで生成AIのチャットボット「Migoo」を展開し始めたと伝えました。

同じ記事は、米国のMarvelous Technology Inc.の届け出がシンガポールの法人とつながっているとも書いています。

Seaは所有を公表していない

ただし、Sea自身はMigooが自社のものだとは公表していません。Bloombergの記事も、次のように書いています。

Migoo's website is up and running and the app is downloadable, but Sea has yet to publicly claim ownership of the project.(訳)Migooのサイトは稼働しており、アプリもダウンロードできるが、Seaはこの事業を自社のものだとまだ公に認めていない。

Seaの広報は、この記事の取材にコメントを控えています。Seaとの関係は報道の段階で、規約に名前が出てくる契約相手はInfiniteAI Private LimitedとMarvelous Technology, Inc.の2社だけです。

Shopeeの中に買い物アシスタントとして現れた

2026年10月には、東南アジアのネット業界を扱うMomentum Worksの記事が、ShopeeのアプリにMigooが「Shop AI assistant」として現れたと伝えました。商品を探す・比べるのを手伝う機能で、記事は一部の利用者に向けた限られたテストとみています。

Seaの持つShopeeの中でMigooの名前が使われたことになりますが、Seaの公式な説明は出ていないため、本記事では「Seaの会社」とは書いていません。

図解:「Seaのアプリ?」と言われる理由

入力した情報はどこへ送られるのか

シンガポールや米国など国外で保存される場合がある

Migooのプライバシーポリシー(日本語版)の8.1条は、個人情報が「お客様がお住まいの法域外であって、当社のサーバー、関連会社又は第三者サービスプロバイダーが所在する場所」に移転・保存される場合があるとしています。日本から使っても、データが日本国内に置かれるとは限りません。

具体的な国名は、ブラジルの利用者向けの補足の節に出てきます。そこでは、InfiniteAIがシンガポールの会社であり、情報が「シンガポール、米国及び/又はその他の国・地域」で保存されると書かれています。日本の利用者向けの専用の節はありません。

OpenAI・Anthropic・Googleなどに送られる場合がある

Migooは、外部の会社のAIも使って動いています。プライバシーポリシー(日本語版)7.1条には、次の一文があります。

お客様から提供された入力内容や情報は、OpenAI、Anthropic、Google、及びその他の選定されたプロバイダーなどのAIモデルやプロバイダーに転送される場合があります。

送られた先では、それぞれの会社のプライバシーポリシーに沿ってデータが扱われます。Migooに入力した内容は、Migooの会社だけでなく、こうしたAIの会社にも渡りうると考えておく必要があります。

Googleでログインしてもパスワードは渡らない

Googleアカウントで登録した場合について、プライバシーポリシーは、Googleのログイン認証情報は受け取らず、本人だと確かめるための「トークン」だけを受け取ると説明しています。Googleのパスワードそのものが、Migooに渡るわけではありません。

ただし、これはログインの仕組みの話です。Migooの中で入力した内容は、前の2つの節のとおり国外での保存や外部のAIへの転送の対象になります。

入力はAIの学習に使われるのか

規約にモデルのトレーニングに使うと書かれている

利用規約(日本語版)3.9条は、サービスの改善や新しい製品の開発のために、入力した内容(インプット)や出てきた結果(アウトプット)を使うことがあると定めています。その使い道の中に、「当社が使用するモデルのトレーニングを含みます」とはっきり書かれています。

英語版のプライバシーポリシーにも、利用目的として「to train and improve our or our business partners' models, subject to applicable law」(法律の範囲で、自社または取引先のモデルの学習と改善に使う)と書かれています。学習を止める設定の案内は、規約とプライバシーポリシーの中には見当たりませんでした。

退会しても学習済みのモデルからは消せない場合がある

英語版の利用規約10.4条には、アカウントを終了したあとのデータについて、次の一文があります(日本語版8月11日版にはこの文はありません)。

Termination does not require removal of content already lawfully incorporated into completed model-training artefacts or model parameters where removal is technically infeasible(訳)終了した場合でも、学習が済んだモデルの成果物やパラメーターにすでに適法に取り込まれた内容は、技術的に取り除けない場合には削除を求められない。

つまり、退会すればすべてのデータが消えるとは限りません。学習に使われたあとで、技術的に取り除けないものは残る場合がある、という定めです。

仕事の情報を入れる前に確認すること

規約から分かるのは、Migooに入れた内容が国外で保存され、外部のAIの会社に送られ、学習にも使われうるということです。会社の仕事に使う前に、次の3点を確かめておくと判断しやすくなります。

  • 社内のルール:海外のAIサービスへの業務データの入力が認められているか
  • 入れる情報:取引先の情報や個人情報、契約で秘密にすると約束した情報が含まれていないか
  • 問い合わせ先:データの扱いを確かめたいときは、データ保護責任者の窓口(dpo@migoo.ai)に問い合わせる

個人で試すだけなら、公開されている情報だけで使ってみて、仕事の情報は会社の判断が出てから入れるのが無難です。

まとめ|Migooの運営元とデータの扱い

  • 日本の利用者の契約相手はシンガポールのInfiniteAI Private Limited、米国の利用者は米国のMarvelous Technology, Inc.
  • Seaが関わっているとBloombergなどが報じているが、Seaは公表しておらずコメントも控えている
  • 入力した情報は国外で保存される場合があり、OpenAI・Anthropic・GoogleなどのAIに送られる場合もある
  • 規約には入力をモデルの学習に使うと書かれており、学習を止める設定の案内は見当たらない

使い始める前に、Migooの利用規約とプライバシーポリシーの英語版と日本語版の更新日を見比べ、新しい方の内容を確かめてください。

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