LINE AIは相手にバレる?「ムードを分析」と返信提案の見え方

LINEのトーク画面でAIの「返信を提案」や「ムードを分析」を使ったら、相手に分かるのでしょうか。LINEヤフーの公式の説明では、分析結果や提案は使った本人の画面に表示されるもので、相手に知らせる仕組みは書かれていません。ただし公式が「相手にはバレない」と言い切っているわけでもなく、相手のメッセージも含めた直近のトークがAIに渡る点は知っておく必要があります。本記事では、今の機能の名前、AIが見る範囲、相手にも見える予定の別機能、使いたくないときの設定を、LINEヤフーの発表・使い方ガイド・利用規約をもとに整理します(2026年11月1日時点で確認)。
結論:分析結果や提案は使った人の画面に表示される
結果は使った本人のトーク画面に出る
「ムードを分析」の使い方は、メッセージ入力欄の下にある[ムードを分析]をタップするだけです。LINEみんなの使い方ガイドは、その後の動きを次のように説明しています。
AIがメッセージを分析した結果が表示されます。
操作するのも結果を見るのも、ボタンを押した本人です。返信の提案も同じ入力欄の下から呼び出す機能で、利用規約では「トークで送信するスタンプもしくはメッセージ内容を提案する機能」と書かれています。提案された文をどう使うかは、使った人が決める形です。
公式の説明に相手へ知らせる仕組みの記載は無い
LINEヤフーの発表、使い方ガイド、利用規約のどれにも、機能を使ったことを相手に通知する、または相手の画面に表示するという説明はありません。
一方で、「相手には伝わりません」と明言した公式の文も見当たりません。この記事では「相手に知らせる仕組みは公式の説明に無い」までを事実として扱い、それ以上は断定しません。
また、ガイドには「段階的にリリースされています」と書かれており、同じバージョンのアプリでも機能が出ている人と出ていない人がいます。
「LINE AI」は今「Agent i」という名前になっている
2025年4月に始まった「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」は、その後名前が変わっています。2026年4月20日の発表で、「LINE AI」はYahoo! JAPANの「AIアシスタント」と統合され、AIエージェントの新ブランド「Agent i」になりました。
トーク画面の入力欄の下に出るAI機能は、今は「トークルームのAgent i」と呼ばれています。ただし利用規約の題は「LINE AIトークサジェストの利用規約」のままです。検索で「LINE AI」と呼ばれているのは、多くの場合このトークルームのAgent iのことです。
5つの機能とAIが見るもの
返信を提案・話題を提案・ムードを分析・口調を変換・誤字を修正
トークルームのAgent iには5つの機能があります。2026年7月2日のLINEヤフーの発表をもとに、何をする機能か、AIが何を見るかを並べると次のとおりです。
| 機能 | 何をするか | AIが見るもの(公式の書き方) |
|---|---|---|
| 返信を提案 | 会話の内容に合った返信を提案 | 最近のメッセージ(規約では最新15件) |
| 話題を提案 | 会話の内容に合った話題を提案 | 最近のメッセージ |
| ムードを分析 | 相手とのコミュニケーションの傾向を分析し、アドバイスする | 最近のメッセージ(ガイドでは直近のトーク内容) |
| 口調を変換 | 入力した下書きを任意の口調に変える | 入力した下書きメッセージ |
| 誤字を修正 | 入力した下書きの誤字を直す | 入力した下書きメッセージ |
返信・話題・ムードの3つは、自分が打った文だけでなく、トークに届いている相手のメッセージを材料にします。口調の変換と誤字の修正は、入力欄に書いた下書きだけが対象で、どちらも300文字を超えるメッセージには使えません。
1日の回数は5つの機能の合計で数える
トークルームのAgent iには1日あたりの回数上限があります。無料で使う場合は3回、LYPプレミアム会員は10回、使い放題プラン(ガイドの表記はAI unlimited plan)の会員は無制限です。
この回数は5つの機能を合わせて数えます。たとえば無料で「返信を提案」を3回使うと、その日は「ムードを分析」も使えなくなります。発表によれば、「ほかの提案を見る」をタップした場合も1回に含まれます。
「ムードを分析」の結果は参考情報にとどまる
「ムードを分析」は2026年4月27日から提供されている機能で、LINEアプリのバージョン26.6.0以上が必要です。メッセージの履歴が少ないトークでは分析できません。
結果の扱いについて、利用規約は出力を「自己理解の促進や円滑なコミュニケーションを支援するための参考情報」と位置づけ、「他者との比較や客観的評価を目的とするものではありません」としています。ガイドにも、生成AIの回答は「事実を確定するものでもありません」とあります。分析結果は相手の本心を示すものではなく、自分の言葉選びを見直すためのヒントとして読むのが公式の想定です。
相手のメッセージもAIに渡る範囲
使えるのはトーク履歴の分析に同意した人だけ
トークルームのAgent iは、使う人が先に同意しないと動きません。設定は、[ホーム]タブ右上の設定アイコン →「設定」→[Agent i]→[情報利用に関するポリシーへの同意]をオンにする流れです。
LINEヤフーは、過去のトーク内容を分析して返信をすすめる機能のため「トーク履歴の分析に同意した利用者に限りご利用可能」と説明しています。ここで同意するのは機能を使う本人だけで、トークの相手に同意を求める手順はありません。
規約では同じトークの最新15件が対象
返信やスタンプを提案する機能でLINEヤフーが受け取る情報について、利用規約は次のように書いています。
利用するトークルーム内で送受信した最新15件のメッセージのテキストなどのコンテンツ
「送受信した」とあるとおり、自分が送った文と相手から届いた文の両方が含まれます。あわせて、送り手と受け手を区別する内部の識別子や送受信の日時も取得の対象です。
規約によれば、LINEヤフーはこの処理にGoogleとOpenAI(いずれも所在国はアメリカ)の生成AIサービスを使っており、サービスの提供に必要な範囲で情報を共有する場合があります。また、自分や他人の氏名・住所・電話番号などの個人に関する情報を入力することは禁止事項です。口調を変換する下書きに、相手の連絡先などを書き込まないようにしてください。
トーク履歴はAIの学習に使われない
学習への利用については、7月2日の発表とガイドの両方に同じ趣旨の一文があります。
※トーク履歴がAIの学習に利用されることはありません
ただし、学習に使わないことと、情報を受け取らないことは別です。規約では、取得した情報をサービスの提供・維持や不正利用の防止に使うとしています。

相手にも見えるようになる「Agent i in chat」は別の機能
AIの回答がトークの全員に共有される
LINEヤフーは2026年7月2日、トークの中でAgent iを呼び出して質問できる新機能「Agent i in chat」を発表しました。1対1のトークでもグループでも使え、発表は次のように説明しています。
AIの回答や実行結果はトークルーム全体に共有されるため、トークルームに参加しているメンバー全員で一緒に確認したり、結果をきっかけに会話を広げることができます。
こちらは最初から相手にも見える前提の機能です。入力欄の下で自分だけが使う「トークルームのAgent i」とは仕組みが違うので、混同しないようにしてください。会話の要約やタスクの整理なども、この新機能で順次提供される予定です。
2026年内の提供予定で、まだ提供開始の告知は無い
Agent i in chatは「2026年内の提供を予定」と発表されています。LINEヤフーのプレスリリース一覧を2026年10月28日掲載分まで確認したところ、提供開始の告知はまだありませんでした。
始まった後は、相手がトークでAgent iを呼び出すと、その回答が自分の画面にも出ることになります。提供開始の時期や画面の出方は、発表があってから確かめるのが確実です。

使いたくない・分析されたくないときにできること
自分の同意をオフにする
自分のトークをAgent iに読ませたくない場合は、使い始めるときにオンにした[情報利用に関するポリシーへの同意]の設定に戻り、オフにします。場所は、[ホーム]タブ右上の設定アイコン →「設定」→[Agent i]です。
同意をオフにした後の画面の出方は、公式ガイドに明記がありません。オフにした後に入力欄のボタンを押すと同意を求められるかどうかで、状態を確かめてください。
入力欄のAI表示を一時的に隠す
入力欄の下に出るAIのボタンは、表示が「邪魔」だと不評を集めました。ITmedia AI+の2026年5月15日の記事によれば、ホームの設定から[Agent i]を開き、「トークルームのAgent iの表示設定」を「一時的に表示しない」に切り替えると、30日間表示されなくなります。
報道ベースの手順で、公式ガイドでは確認できていません。30日たった後の扱いも記事には書かれていないため、期限が来たら表示を確かめ直してください。
相手の端末での利用は相手の設定で決まる
自分の設定は、自分の端末でのAgent iの利用にしか効きません。相手が自分の端末で同意をオンにしてAgent iを使えば、そのトークの最近のメッセージ、つまり自分が送った文も分析の材料になります。
公式の説明の範囲では、相手の利用を自分の側から止める設定は示されていません。気になる相手には直接伝えるか、人に読まれたくない内容はそもそもLINEで送らないのが確実です。
まとめ|LINE AIの結果は自分の画面に出る・相手の言葉も渡る
トークルームのAgent i(旧LINE AIトークサジェスト)の分析結果や提案は、使った本人の画面に表示され、相手に知らせる仕組みは公式の説明に書かれていません。一方で、使う人が同意すれば、相手のメッセージを含む同じトークの最新15件がAIに渡ります。年内に予定されている「Agent i in chat」は、AIの回答がトークの全員に見える別の機能です。
- 使う側:ムードの分析結果は参考情報として読み、相手の本心と決めつけない。相手の個人情報は入力しない
- 使われる側:自分の端末の設定では相手の利用は止められない。読まれたくない内容はLINE以外で伝える
まずは[ホーム]の設定から[Agent i]を開き、自分の同意がオンかオフかを確認してください。




