アクセンチュアがAIエージェント導入を加速！「AI Refinery」拡充と業界特化型ソリューション

アクセンチュア株式会社は2025年4月15日、企業によるAIエージェントの導入と活用を一層加速させるため、同社のAIプラットフォーム「AI Refinery™」の拡充を発表しました。
プログラミング不要でAIエージェントを構築できる新機能や、50を超える業界特化型ソリューションの開発が明らかにされ、AIエージェントの導入が「試行」の段階から「本格的な産業利用」の段階へと移行しつつあることを強く印象付けました。

AIエージェント導入の「工業化」へ：アクセンチュアの新たな一手

AIエージェントがビジネスの現場で注目を集める中、世界有数のプロフェッショナルサービス企業であるアクセンチュアが、その普及を加速させるための大きな一手を打ちました。今回の発表は、AIエージェント開発を一部の専門家の手に委ねるのではなく、より多くの企業が、より簡単に、そしてより効果的にAIを導入できる「工業化」の時代の到来を告げるものです。

AIエージェント開発の新たなフェーズ

これまで、AIエージェントの開発には高度な専門知識や多大な時間が必要とされ、多くの企業にとって導入のハードルは高いものでした。アクセンチュアは、この状況を変えるべく、同社のAIプラットフォーム「AI Refinery™」を拡充。プラットフォーム、開発ツール、そして具体的なソリューションをエコシステムとして提供することで、AIエージェント開発の民主化と大規模な展開を目指します。

アクセンチュアの「エコシステム」アプローチ

アクセンチュアのアプローチは、以下の3つの要素で構成されています。

1. AIプラットフォーム「AI Refinery™」: AIエージェントの実行と管理を行うための基盤。
2. AIエージェントビルダー: プログラミング不要でAIエージェントを構築・カスタマイズできるツール。
3. 業界特化型ソリューション: 特定の業界や業務ですぐに使えるAIエージェント群。

このエコシステムにより、企業は自社のニーズやスキルレベルに応じて、最適な方法でAIエージェントの導入を進めることが可能になります。

コーディング不要でAIエージェント開発：「AIエージェントビルダー」の衝撃

今回の発表で特に注目されるのが、新たに追加された「AIエージェントビルダー」です。このツールは、AIエージェント開発の常識を覆す可能性を秘めています。

ビジネスユーザーが主役のAI開発

「AIエージェントビルダー」の最大の特徴は、プログラミングの知識がないビジネスユーザーでも、高度な推論機能を備えたAIエージェントを迅速に構築・カスタマイズできる点にあります。これにより、現場の業務プロセスや課題を最も深く理解している担当者が、自らの手でAIエージェントを開発し、業務改善を進めることが可能になります。IT部門や外部ベンダーへの依存を減らし、よりスピーディーで現場のニーズに即したAI開発が実現します。

迅速なプロトタイピングとカスタマイズ

このビルダーを使えば、アイデアをすぐに形にし、試行錯誤を繰り返しながらAIエージェントを洗練させていくことができます。従来の開発手法に比べ、開発サイクルが劇的に短縮されるため、市場の変化や新たなビジネスチャンスにも迅速に対応することが可能になります。まさに、AI開発におけるアジャイルなアプローチを可能にするツールと言えるでしょう。

多様な業界・事例に対応：50超の業界特化型ソリューションと具体的な活用例

アクセンチュアは、汎用的なプラットフォームの提供に留まらず、具体的な業界課題を解決するためのソリューション開発にも力を入れています。これにより、企業はゼロからAIエージェントを開発する手間なく、自社の業務に最適化されたAIを迅速に導入できます。

NVIDIA技術を活用した業界特化ソリューション

アクセンチュアは、NVIDIAの推論機能などの先進技術を活用し、通信、金融サービス、保険といった多岐にわたる業界向けに、現在50以上の業界特化型AIエージェントソリューションを開発中であり、年末までにその数を100以上に増やすことを目指しています。例えば、保険業界向けのソリューションでは、複雑な保険引受業務の自動化を実現し、業務効率の大幅な向上が期待されます。

多様なグローバル活用事例とその効果

アクセンチュアは、既に世界中の様々な企業や組織と協力し、AIエージェントの価値を実証しています。

• ESPN: スポーツファン一人ひとりの嗜好に合わせたコンテンツを提供するなど、ファン体験の向上にAIエージェントを活用。
• ヒューレット・パッカード エンタープライズ（HPE）: 部品調達プロセスをAIエージェントで効率化し、サプライチェーンを強化。
• 国際連合: 複数の言語に対応した調査エージェントを開発し、グローバルな情報収集・分析業務を支援。

これらの事例は、AIエージェントが顧客エンゲージメントの向上、業務プロセスの最適化、そして社会課題の解決といった、多様なビジネス価値を生み出す強力なツールであることを示しています。

まとめ

アクセンチュアによるAIプラットフォーム「AI Refinery™」の拡充と、業界特化型ソリューションの大量投入は、AIエージェントが実験的な段階を終え、本格的なビジネス活用期に入ったことを明確に示すものです。「AIエージェントビルダー」による開発の民主化は、現場主導のDXを加速させ、企業のイノベーションを促進するでしょう。

BtoB企業は、このようなプラットフォームや業界特化型ソリューションの登場により、これまで以上に容易に、かつ効果的にAIエージェントを導入できるようになります。自社の業界や業務に特化したソリューションを活用し、具体的な課題解決とROI向上を目指す。そんなAI活用の新たなスタンダードが、今まさに生まれようとしています。

出典：PR TIMES