LINEヤフーコミュニケーションズ、年30万時間分を効率化し36万時間分の業務増に対応

画像:AIエージェントナビ編集部
生成AIを入れても、浮いた時間を何に使うかまで示せている企業は多くありません。LINEヤフーの100%子会社で、LINEヤフーのサービス運営を担うLINEヤフーコミュニケーションズは2026年10月29日、「生成AI前提の運営モデル」への転換を進めていると発表し、2025年度に年間換算で約30万時間相当を効率化したうえで、約36万時間相当の業務拡大に対応したと公表しました。
本記事では、数字の中身と、品質保証・問い合わせ対応・投稿監視の3つの現場で何が変わったのかを解説します。
年30万時間分を効率化し、36万時間分の業務増に対応
同社によると、2025年度の効率化は年間換算で約30万時間相当で、そのうちAI活用で生まれた時間は約18万時間です。残りは業務プロセスの見直しなど、AI以外の改善によるものです。この余力の活用と人材配置の見直しを組み合わせ、新規受注や既存業務の拡大で増えた年間換算約36万時間(約194人分)相当の業務量に対応しました。
引き受けた仕事として、広告プラットフォーム「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」のリリースに伴うQA(品質保証=リリース前のテスト)、新サービス「LINE AI予約」の立ち上げに伴うヘルプページの構築・運用支援、「LYPプレミアム with Netflix」のカスタマーサポートが挙げられています。
数字は「年度末の1か月分×12」で換算
30万時間は、期初の2025年4月と比べた2025年度末時点の1か月の削減実績を12か月分に換算した数値です。36万時間も同じく、年度末時点で増えた1か月の業務量を12倍したもので、約194人分は1人あたりの月間労働時間を155時間として割った値です。1年間に実際に積み上げた時間の合計ではない点に注意が必要です。
3つの現場で何が変わったか
QA:AIエージェントで年10万時間相当を効率化
仕様の分析やテスト設計を支援するAIエージェント(目的に沿って作業を自律的に進めるAI)を自社で開発・導入し、現在はテストの実行までを含む一連の工程の自動化を進めています。手作業のときの品質を保ったまま、年間換算で約10万時間相当を効率化しました。同部門は2027年度までに、QA工程にかかる工数を最大80%省力化する目標を掲げています。
カスタマーサポート:解決までの時間が約4分の1に
メール対応の自動化やFAQ(よくある質問)の生成にAIを導入し、現場で培ってきた対応の流れや判断基準をAIに反映しました。対象となる問い合わせでは、受付から解決までの時間が従来の約4分の1に短くなり、夜間に未回答のまま残るメールも約10分の1に減りました。効率化は年間換算で約1万4000時間相当です。
モニタリング:目視確認を約35%削減
投稿の監視では、AIが一次判定をし、検出された投稿を人のオペレーターが目視で確認する流れを取っています。投稿傾向の分析や関連キーワードの抽出にAIを使って一次判定の精度を高めた結果、対象サービスでの目視確認件数を品質を保ったまま約35%減らし、年間換算で約5万時間相当を効率化しました。生まれた時間は運用の改善と、監視対象を新しいサービスへ広げることに充てています。
オペレーターがAIの開発担当へ
発表では、これまでオペレーション業務を担ってきた社員が、AIツールの設計や品質改善、業務プロセスの再設計に移った事例も紹介されています。2021年にテストオペレーターとして入社した社員は、QA業務のAIエージェントの試作を経て、2026年4月に技術開発の部署へ異動し、QA向けAIエージェント開発の中心メンバーになりました。
もう1人は、メールでの問い合わせ対応を担当していた社員です。2025年4月にAIの活用を進める部署へ移り、自動返信の仕組みで使うAI用データの作成や品質向上を担っています。同社は今後も、現場の知見をAIに反映しながら生成AI前提の運営への移行を進めるとしています。
まとめ
- LINEヤフーコミュニケーションズが、生成AI前提の運営モデルへの転換を発表
- 2025年度に年間換算約30万時間相当を効率化(うちAI活用は約18万時間)
- 余力と人材配置の見直しで、約36万時間(約194人分)相当の業務拡大に対応
- QAで約10万時間、サポートで約1万4000時間、投稿監視で約5万時間相当を効率化
💡 編集部の見解
要するに、LINEヤフーのサービス運営を担う同社が、AIで浮いた時間を新サービスの立ち上げを支える仕事に回したという報告です。効率化で減らした時間より、新たに引き受けた仕事の量の方が多いと説明しています。
- 何に回したか:広告配信サービスのリリースに伴うQA、新サービス「LINE AI予約」のヘルプページ作り、「LYPプレミアム with Netflix」の問い合わせ対応など、引き受けた仕事を具体的なサービス名で挙げています。
- 時間の数え方:発表の時間数はどれも年度末の1か月分をもとにした年換算で、1年間に実際に積み上げた合計ではありません。人数も、1人の月の労働時間で割った換算値です。
出典:LINEヤフーコミュニケーションズ(PR TIMES)




