【比較検証】AIエージェント診断サービス8選|脆弱性を専門家に検証してもらう方法

【比較検証】AIエージェント診断サービス8選|脆弱性を専門家に検証してもらう方法

AIエージェントの導入が急速に進む中、自社システムに潜む脆弱性をどのように防ぎ、安全に運用していくべきかは多くの企業の課題となっています。特にMCP(Model Context Protocol)を活用したシステム連携が進む今、従来のWebアプリケーション診断だけではカバーできないリスクが増大しています。

本記事では、AIエージェント特有のリスクを診断する専門サービス8選を徹底比較します。それぞれのサービスが持つ強みやアプローチの違いを整理し、自社のニーズに合ったパートナー選びを支援します。

診断以外も含めたAIセキュリティ対策の全体像は AIセキュリティ企業一覧(カオスマップ付き) にまとめています。

なぜ「専門家による診断」が必要なのか

AIエージェント特有のリスクは自動チェックだけでは見えない

AIエージェントは、プロンプトインジェクション(悪意ある指示による操作)や権限の乗っ取り、意図しないデータ持ち出しといった、AI特有の攻撃経路を持っています。これらの論理的な脆弱性は、従来のシグネチャベースのセキュリティ対策だけでは防ぎきれないため、専門家による実地の検証が極めて重要です。

なお、当メディアのMCPセキュリティチェッカーで、既知の報告がないかまず手早く確認することもできるため、本格的な診断の前に活用を検討してください。
関連記事:MCPサーバーのセキュリティは大丈夫?MCP対応ツールの脆弱性チェック

「診断」にも種類がある

自動診断(SaaS型)

AI技術を活用して効率的かつ網羅的に脆弱性をスキャンする方式です。コストを抑えつつ、開発初期段階から継続的にセキュリティを確認したい場合に向いています。

実攻撃型ペネトレーションテスト

ホワイトハッカーが実際の攻撃者と同じ手法を用いて、システムへの侵入や情報の奪取を試みる実践的な診断です。システムを外部公開する直前の最終的な安全性確認に最適です。

継続監視型ガバナンス

AIモデルの品質、公平性、セキュリティをリリース後も継続的に監視・評価する方式です。長期運用におけるモデルの劣化や、新たなリスクの発生を管理したい組織に適しています。

AIエージェント診断サービス比較一覧

会社名 サービス名 アプローチ 提供元
GMO Flatt Security Takumi byGMO 自動診断(SaaS) GMOグループ
ChillStack AI Safetyソリューション MCPサーバー診断 ChillStack
Citadel AI Citadel Lens 継続監視(ガバナンス) Citadel AI
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ AIエージェントペネトレーションテスト 実攻撃型 GMOグループ
NRIセキュアテクノロジーズ AI Red Team 等 体系的・総合診断 NRIグループ
サイバーセキュリティクラウド AIアプリケーション脆弱性診断サービス 自動診断+AIレッドチーミング サイバーセキュリティクラウド
CoWorker 生成AI・LLM脆弱性診断 AI×専門家ハイブリッド診断 CoWorker
EYストラテジー・アンド・コンサルティング エンドツーエンドAIレッドチーミング シナリオベースの実践検証 EY Japan

各社の詳細解説

GMO Flatt Security(Takumi byGMO)

GMO Flatt Securityの公式サイトトップページ

出典:GMO Flatt Security 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

AIエージェント自体がセキュリティ診断(ブラックボックス/ホワイトボックス)を自動で行うSaaS型ツールです。最新のAI技術を診断プロセスに組み込むことで、高度な検知を実現しています。

診断の範囲・進め方

CI/CDパイプラインに組み込むことで、開発プロセスの中で自動的に診断を実行できます。コードの変更が発生するたびにスキャンを回すような運用が可能です。

できること・具体的な活用例

Vim、Next.js、7-Zipといった著名なオープンソースソフトウェア(OSS)において、合計10件以上のゼロデイ脆弱性を発見した実績があります。また、見つかった脆弱性に対して自動で修正プルリクエスト(PR)を生成する機能も備えています。

料金・依頼の流れ

料金は非公開となっており、個別見積もりが前提となります。詳細な費用や導入フローについては、公式サイトでご確認ください。

こんな企業におすすめ

・開発のスピード感を損なわずにセキュリティを担保したい組織
・CI/CDの中で自動的に脆弱性チェックを回したい方
・最新のAI診断技術による効率化を求める方

ChillStack

ChillStackの公式サイトトップページ

出典:ChillStack 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

AIセキュリティ専業のスタートアップとして、教育・診断・防御の3本柱からなる「AI Safetyソリューション」を提供しています。ISMS認証を取得しており、信頼性の高い診断体制を構築しています。

診断の範囲・進め方

特に「MCPサーバー診断」に強みを持ち、AIエージェント環境特有のリスクを一気通貫で検証します。サーバーの権限設定やデータ連携の安全性など、多角的な視点でチェックを行います。

できること・具体的な活用例

AI専門企業としての深い知見に基づき、AIエージェントの構造に踏み込んだリスク抽出が可能です。また、提供サービスとして不正検知AI「Stena」シリーズを展開しており、AI運用における異常検知のノウハウも豊富です。

料金・依頼の流れ

料金は非公開となっており、診断対象の規模に応じた個別見積もりとなります。まずは公式サイトより問い合わせを行い、ヒアリングを通じてプランを決定する流れとなります。

こんな企業におすすめ

・MCPサーバーの接続環境を含め、AIエージェント特有の構造に踏み込んだ検証を求める組織
・AIセキュリティの専門スタートアップによる高度な知見を借りたい方
・ISMS認証取得済みの企業に依頼したい組織

Citadel AI

Citadel AIの公式サイトトップページ

出典:Citadel AI 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

モデルの品質、公平性、セキュリティを継続的に監視する「ガバナンス」に焦点を当てたツールです。ISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得しており、国際基準に基づいた管理体制を提供します。

診断の範囲・進め方

開発時のスポット診断のみならず、運用中のAIモデルを24時間体制でモニタリングし、入力データの変化(データドリフト)や精度の低下をリアルタイムで検知します。

できること・具体的な活用例

技術・コンプライアンスに関するレポートを自動生成し、ガバナンスの可視化を支援します。デロイトトーマツや日鉄ソリューションズとの協業実績があり、大規模なエンタープライズ環境への導入実績も豊富です。

料金・依頼の流れ

料金は非公開で、ライセンス形式や監視対象に応じた個別見積もりとなります。導入に向けたPoC(概念実証)を含めた相談が推奨されています。

こんな企業におすすめ

・長期運用におけるAIモデルの品質管理や公平性の「継続監視」を最重視する組織
・デロイトトーマツ等の大手企業との実績を重視し、高い信頼性を求める方
・コンプライアンスレポートの作成を自動化したい組織

GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

GMOサイバーセキュリティ byイエラエの公式サイトトップページ

出典:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

世界的なホワイトハッカー集団を擁する、脆弱性診断・ペネトレーションテストの専業企業です。2026年4月27日より「AIエージェントペネトレーションテスト」という新サービスを開始します。

診断の範囲・進め方

AIエージェント、チャットボット、RAG(検索拡張生成)システムのデータ管理、権限設定、外部システムとの連携リスクを、実際の攻撃手法を用いて徹底的に検証します。

できること・具体的な活用例

攻撃者の視点で「どこまで侵入できるか」「どのような情報が盗み出せるか」を実証します。システムが複雑に連携するAIエージェント環境において、予期せぬ攻撃シナリオをあぶり出すことができます。

料金・依頼の流れ

料金は非公開・個別見積もりが前提です。具体的な診断範囲を定義するためのヒアリングから始まり、高い技術力を持つエンジニアが個別に対応します。

こんな企業におすすめ

・本番公開前に、トップレベルのホワイトハッカーによる実戦形式の攻撃テストを受けたい組織
・AIと既存システムが複雑に連携しており、実環境での耐性を知りたい方
・2026年4月以降に大規模なAIプロジェクトの公開を予定している組織

NRIセキュアテクノロジーズ

NRIセキュアテクノロジーズの公式サイトトップページ

出典:NRIセキュアテクノロジーズ 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

野村総合研究所(NRI)グループの知見を活かし、AIのライフサイクル全体をカバーする包括的なセキュリティ支援を提供します。コンサルティングから実務的な診断まで、幅広いラインナップが特徴です。

診断の範囲・進め方

設計段階の脅威分析から、リリース前の脆弱性診断、運用後の監視まで体系的に対応します。また、2026年からはフロンティアAIモデル(非常に大規模で高度な能力を持つAIモデル)向けの診断サービスも開始予定となっています。

できること・具体的な活用例

「AI Red Team」による模擬攻撃や、ガイドライン策定支援など、金融機関等の厳しいセキュリティ要件が求められるプロジェクトでの実績が豊富です。最新のAI規制動向にも精通しています。

料金・依頼の流れ

料金は非公開となっており、プロジェクトの要件に応じた個別見積もりが必要です。NRIグループのネットワークを活用した広範なサポートが受けられます。

こんな企業におすすめ

・野村総合研究所グループの信頼背景のもと、設計から運用までライフサイクル全体の対策を求める組織
・金融・公共など、極めて高いセキュリティ水準と説明責任が求められる企業
・2026年以降、フロンティアAIモデルの導入・診断を計画している組織

サイバーセキュリティクラウド

サイバーセキュリティクラウドの公式サイトページ

出典:サイバーセキュリティクラウド 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

クラウド型WAF(Webアプリケーションファイアウォール)「攻撃遮断くん」などで知られるセキュリティメーカーです。2026年7月28日に「AIアプリケーション脆弱性診断サービス」の提供を開始しました。MCPのデータフローを可視化・制御する「AI MONBAN」に続く、同社のAIセキュリティ領域における第二弾のサービスです。

診断の範囲・進め方

診断対象にLLM・RAG・MCP・AIエージェントを明記している点が特徴です。国際基準「OWASP Top 10 for Large Language Model Applications」に基づく診断項目をベースに、対象システムの用途・利用モデル・権限・外部連携の状況に応じて、診断範囲と攻撃シナリオを個別に設計します。自動診断ツールによる体系的な検査と、専門家によるAIレッドチーミング(攻撃者視点の検証)を組み合わせる方式です。

できること・具体的な活用例

プロンプトインジェクションや情報漏洩に加えて、AIエージェントの権限管理や不正なツール実行、MCPサーバーの認証・認可やクレデンシャル(認証情報)管理まで検証できます。WebアプリケーションやAPI、クラウド基盤など接続面も含めて評価し、診断後には脆弱性の重要度・想定される影響・具体的な改善策をまとめた診断報告書を受け取れます。

料金・依頼の流れ

料金は公開されておらず、システム構成に応じた個別設計・個別見積もりです。公式サイトからの問い合わせが起点になります。

こんな企業におすすめ

・MCPやTool Calling(AIによるツール呼び出し)を組み込んだシステムを名指しで診断してほしい組織
・WAF運用で実績のある会社に、Web基盤も含めてAIアプリケーション全体を見てほしい組織
・OWASP準拠の体系的な診断項目を求める組織

CoWorker

CoWorkerの公式サイトページ

出典:CoWorker 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

AI企業としての知見を診断に活かすスタイルで、自社開発の診断AI「Red Agent」と専門家によるレビューを組み合わせたハイブリッド診断を提供しています。Webアプリケーション診断とAI・LLM層の診断をワンストップで依頼できる点を掲げています。

診断の範囲・進め方

診断は3方向からのアプローチです。①LLMペネトレーションテスト(直接・間接のプロンプトインジェクション、情報漏洩、システムプロンプト保護の確認)②MCPサーバー診断(認証・認可、権限昇格テスト、ツール呼び出しの安全性を最大30ファンクションまで検証)③LLM統合部分のソースコード静的解析、の3本立てで、MCPサーバー診断を独立メニューとして持つ数少ない1社です。

できること・具体的な活用例

ヒアリングから最短3営業日で、改善策を含むレポートが納品されます。重大な問題が見つかった場合の即時通知にも対応します。診断時間は従来比10分の1、コストは3分の1以下(いずれも同社公称値)とスピードとコストを前面に出しており、リリース前の限られた期間での診断に向きます。

料金・依頼の流れ

料金は規模・複雑さに応じた個別見積もりで、無料相談から始められます。

こんな企業におすすめ

・MCPサーバーの権限設計やツール呼び出しを機能単位で細かく検証したい組織
・リリース前の限られた期間で診断を済ませたいスピード重視の開発チーム
・WebアプリケーションとAI層をまとめて1社に依頼したい組織

EYストラテジー・アンド・コンサルティング

EYストラテジー・アンド・コンサルティングの公式リリースページ

出典:EYストラテジー・アンド・コンサルティング 公式リリース

サービスの概要・アプローチ

大手プロフェッショナルファームEY Japanのコンサルティング会社です。2026年5月14日に、攻撃者視点で生成AIのセキュリティリスクを検証する新サービス「エンドツーエンドAIレッドチーミング」を発表しました。ユーザーの入力からAIの出力に至る利用の流れ全体を俯瞰して分析するアプローチです。

診断の範囲・進め方

実際に起こり得る攻撃シナリオを想定し、プロンプトインジェクションやジェイルブレイク(制限の回避)、RAGの汚染・不正誘導、ツールやAPIの不正利用、危険なエージェント挙動や権限逸脱といった観点で検証します。机上のリスク整理にとどまらず、実際に成立する攻撃経路(アタックパス)を確認して、影響範囲と深刻度の根拠を明確にします。

できること・具体的な活用例

検証結果を技術部門だけでなく法務部門や経営層とも共有できる形に整理し、優先順位付けと対応検討につなげるガバナンス視点のレポーティングが特徴です。対策後に再評価を行う再検証(オプション)も用意されています。

料金・依頼の流れ

料金は公開されておらず、問い合わせベースです。

こんな企業におすすめ

・診断結果を経営層への説明やガバナンス対応まで持ち込みたい大企業
・技術的な指摘だけでなく、影響度と優先順位の整理まで求める組織
・監査や規制対応の文脈でAIリスクを評価したい組織

自社に合った診断サービスの選び方

問い合わせ前に整理しておきたいチェックリスト

サービス会社へ問い合わせる前に、以下の項目を整理しておくとスムーズです。
・診断してほしい対象範囲(AIエージェント全体か、特定のMCPサーバーか)
・診断のタイミング(開発中か、公開直前か、運用中か)
・扱うデータの機密度(顧客情報・決済情報等を含むか)
・想定している予算感・スケジュール

関連記事:MCPサーバーの選び方|当メディアの掲載・安全性の基準

相見積もりを取る際のポイント

・各社に同じ条件(対象範囲・タイミング・機密度)を伝え、比較できる状態にする
・見積もりだけでなく、診断後のレポート形式(詳細さや修正アドバイスの有無)や再診断の可否も確認する
・今回紹介した全サービスにおいて、料金は個別見積もりが前提であることを理解しておく

関連記事:【2026年最新】MCPサーバー一覧・おすすめ比較|国内最大113選

まとめ

AIエージェント特有のリスクを正しく把握し、安全なビジネス運用を継続するためには、プロの視点による診断が欠かせません。

・AIエージェントのリスクは従来型の対策では防ぎきれないため、専門的な診断が必要
・アプローチには「自動診断」「実攻撃型(ペネトレーションテスト)」「継続監視型」の3種類がある
・自社の開発フェーズ(開発中か、リリース直前か、運用中か)に合わせて最適な会社を選ぶ

まずは自社の現在のフェーズを確認し、チェックリストを埋めた上で、気になる数社へ具体的な見積もり依頼を出すことから始めてみてください。

メルマガ登録CTA B2(MCPカオスマップ無料プレゼント)