DeepSeekに学習させない方法は?設定手順とデータ保存先

DeepSeekは、何もしなければ入力した内容を学習に使います。止める窓口は設定とメールの2つありますが、日本語で表示される利用規約には設定でオフにする方法が書かれておらず、英語版にだけ載っています。この記事では公式の規約とプライバシーポリシーから、止め方・止めても残るもの・データの保存先を確認します。
DeepSeekは既定で入力を学習に使う
まず、公式の文書に何が書かれているかを確認します。
収集対象の入力と履歴
集めるものとして挙げられているのは「テキスト入力、音声入力、プロンプト、アップロードされたファイル、写真、フィードバック、チャット履歴」です。DeepSeekプライバシーポリシー(2026年2月10日更新版)では、これらの情報が広範囲に及ぶことが示されています。
やり取りの中で入力した内容そのものが対象になる、という書き方です。
技術トレーニングへの利用
プライバシーポリシーは、利用目的のひとつをこう定めています。
利用規約はこの利用について「厳格な匿名化処理」と「特定の個人を識別できないようにする不可逆性」を前提と定めていますが、入れた内容が自社の外で扱われること自体は変わりません。ポリシーは行使できる権利のひとつとして「当社モデル訓練または技術最適化のための個人データ利用を拒否する権利。」を挙げており、止めるには利用者側の手続きが要ります。

学習を止める2つの窓口
止める方法は「設定でオフにする」と「メールで申し出る」の2つです。どちらを案内されるかは、読む規約の言語によって変わります。
設定でのオフ手順
英語版の利用規約は、学習への利用を拒否する方法として、設定でオフにする項目を名指ししています。
(上記の方法でデータを処理することを拒否する場合は、「Improve the model for everyone」をオフにすることでオプトアウトできます。)
規約が名指ししているのは項目名だけで、画面のどこにあるかまでは書かれていません。設定のなかのデータに関する項目を探すことになります。日本語表示では別の名称になっている場合があります。
メールでの拒否申請
一方で、日本語版の利用規約では、設定画面のスイッチではなく、個別のフィードバックを通じた申し出が案内されています。
規約内の第10条を確認すると、権利行使の窓口として「当社にメールを送信することにより、リクエストを提出できます」と記載されており、指定の連絡先は privacy@deepseek.com です。日本語環境で利用しているユーザーが確実に学習を停止させたい場合、このメール窓口への連絡が推奨されます。
言語版による案内差異
同じURLの規約ページでも、開く環境によって表示される言語と最終更新日が変わることがあります(2026年9月16日時点)。
| 版 | 最終更新日 | 学習を止めるための案内 |
|---|---|---|
| 日本語表示の規約 | 2025年1月20日 | 第10条に基づきメールでフィードバック |
| 英語表示の規約 | 2026年3月27日 | 設定の "Improve the model for everyone" をオフ |
案内が割れている以上、設定をオフにしたうえでメールでも拒否を伝える二段構えが確実です。

オフにしても残るもの
設定を変更したり拒否を申し出たりすることで、将来的な学習利用は防げますが、それですべての懸念が払拭されるわけではありません。データの保持に関する仕様も理解しておく必要があります。
過去の会話は自動削除不可
設定のオプトアウトは、あくまで「これ以降に送信されるデータ」を学習対象から除外するものです。設定を切り替える前、あるいは拒否のリクエストが受理される前に送信してしまった過去の会話データについては、自動的に学習用データセットから遡って抽出・削除されることは保証されていません。
アカウント保持期間の保管
プライバシーポリシーは「当社はお客様がアカウントを持っている限りこの情報を保持します」と定めており、保持する対象にはアカウント情報・入力情報・支払情報が含まれます。自分で消さないかぎり、入力はアカウントがある限り残ります。
履歴の管理と削除方法
ユーザーが設定画面から実行できる主なアクションは、「ご自身のチャット履歴を管理できます」および「設定を通じてご自身のチャット履歴を削除することもできます」という2点に集約されます。
しかし、履歴の削除は「自分の画面から見えなくなること」と「DeepSeekのサーバーから完全に抹消されること」が必ずしも同義ではない点に注意してください。バックアップや、法的な保存義務に基づいて一定期間データが保持される可能性があります。
データの保存先は中華人民共和国
学習設定の有無にかかわらず、データの物理的な保存場所については、特に法規制や社内セキュリティ規定の観点から慎重な確認が求められます。
ポリシー上の保管場所
DeepSeekのプライバシーポリシーには、収集された情報が中華人民共和国にあるサーバーへ保存される旨が明記されています。
日本の個人情報保護法では、個人データを外国にある第三者へ提供する場合に本人の同意などの手続きが求められます。自社の使い方がこれに当たるかは、扱う情報や契約の形によって変わるため、法務部門と確認しておくと安全です。
会社利用時の判断基準
学習をオフにしても、データが国外のサーバーに保存されること自体は変わりません。個人の判断に任せるより、どの情報までなら入れてよいかを先に決めて配るほうが確実です。
API利用でも学習の扱いは変わらない
開発者がシステムに組み込む目的でDeepSeekのAPIを利用する場合、APIなら学習の対象外だろうと考える人は多いのですが、DeepSeekの規約を読むかぎり、その前提は確かめられません。
学習除外条項の欠如
API利用者向けの規約であるDeepSeek Open Platform Terms of Serviceを詳細に確認しても、入力データを学習から明示的に除外する、といった旨の条項は現在のところ見当たりません。他社のAPI規約では、API経由のデータを学習に使わないと明記している例が多いのですが、DeepSeekの規約にはその区別が見当たりません。
個人情報の取り扱い
API規約上でも、個人情報の収集や処理については通常のプライバシーポリシーに従うと定められています。つまり、APIを利用していても、基本的には前述した「技術トレーニングへの利用」の枠組みに含まれる可能性があると解釈すべきです。API利用時の考え方については、以下の関連記事もあわせてご確認ください。

送信そのものを避ける経路
データの学習利用や保存場所のリスクを根本から解消するには、DeepSeekの公式サーバーへデータを送信しない仕組み、すなわち「経路そのものを変える」アプローチが最も確実です。
| 経路 | 既定で学習に使われるか | 止め方 | データの保存先 |
|---|---|---|---|
| 公式チャット (Web/App) | はい | 設定またはメール | 中国 |
| 公式API | はい(除外条項なし) | 公式サイトでご確認ください | 中国 |
| ローカル環境 (公開ウェイト) | なし | 不要(外部送信なし) | 自社環境 |
| 他社ホスティング経由 | プロバイダーの規約次第 | 契約・設定による | 各プロバイダーの拠点 |
公開ウェイトのローカル実行
DeepSeekはモデルの重み(ウェイト)を公開しています。たとえば、DeepSeek-V4.1-Flashなどの公開ウェイトをダウンロードし、自社内の閉域サーバーで実行すれば、データが外部(DeepSeek社)へ送信されることは物理的にありません。2026年9月10日に更新されたこのモデルはMITライセンスで公開されています。ただし、実用的な速度で動かすには相応のGPUが必要です。
他社ホスティングの活用
自社でサーバーを構築するリソースがない場合は、信頼できるクラウドプロバイダーや他社ホスティングサービスを利用する方法があります。ただし、プロバイダー側の利用規約やデータ保持方針はDeepSeek公式とは異なります。契約内容が随時変更される可能性があるため、導入前に、入力データを学習に使うのか、ログをどれだけの期間保持するのかを、その提供元の規約で確認してください。
関連記事:Qwenに学習させない方法は?設定とデータ管理のポイント
まとめ
- DeepSeekは既定で入力を学習に使います。
- 止める窓口は2つあり、設定の「Improve the model for everyone」をオフにしたうえで privacy@deepseek.com へ拒否を申し出るのが確実です。
- オフにしても過去に送った分はさかのぼらず、アカウントがある限りデータは残ります。
- データは中華人民共和国のサーバーに保存されます。
- API向けの規約にも、学習を除外する条項は見当たりません。
- 送信そのものを避けるなら、MITライセンスの公開ウェイトをローカルで動かす方法があります。
まずは社内でDeepSeekがどの経路で使われているかを確認し、Webとアプリを使っているなら、設定のオフとメールでの申し出を済ませてください。




