博報堂「Shomei AIO」始動、AIへの問いを起点に新聞・出版社とタイアップ記事

画像の出典:株式会社博報堂(PR TIMES)
生成AIに商品やサービスのことを尋ねる人が増え、広告主にとっては「AIの回答の中で自社のブランドがどう語られるか」が新たな関心事になりつつあります。
博報堂は2026年10月26日、新聞社・出版社の編集部と組み、生活者がAIに投げかける「問い」を起点にしたタイアップ記事を企画・制作するプロジェクト「Shomei AIO(ショウメイ・エーアイオー)」を始動しました。
本記事では、プロジェクトの狙いと3段階の進め方、開発中の診断ツールについて解説します。
Shomei AIOとは
新聞社・出版社の編集力を広告主のブランド発信に生かす
Shomei AIOは「AIO時代のパブリッシャーの価値を証明する」をコンセプトに、新聞社・出版社を中心とするメディアが培ってきた取材・編集の力を、生成AI時代の広告主のブランドコミュニケーションに生かすプロジェクトです。名称は商標登録の出願を準備中としています。
AIO(AI Optimization)とは、AEO(回答エンジン最適化)、GEO(生成エンジン最適化)、LLMO(大規模言語モデル最適化)などを含む、生成AIの回答における情報の表示・引用を最適化する手法を指します。
「Shomei」に重ねた3つの意味
名称の「Shomei」には、取材と事実確認に裏打ちされた編集コンテンツの価値をAI時代にも示していくこと、誰が書きどの媒体が責任を持つ情報なのかが明らかであることの価値を高めること、情報があふれる時代に価値あるコンテンツに光を当てること、の3つの意味を重ねています。
また、Signature of Human Originality(人の独創性の署名)とMedia Editorial Intelligence(メディアの編集知)の頭文字にも由来するとしています。
始動の背景:AIに尋ねる生活者が増えている
AIの回答の中で語られるブランド
生成AIを使った検索や、AIが回答をまとめて示すサービスが広がり、生活者が商品やサービスについて「AIに尋ねる」場面が増えています。博報堂は、広告主にとってAIの回答の中で自社のブランドがどのように語られるかが新たな関心事になりつつあると説明しています。
一方で新聞社・出版社は、取材と事実確認にもとづいて記事をつくり、読者の関心や悩みに長年向き合ってきました。博報堂は、この編集の力が、AI時代に生活者から信頼される情報をブランドが届けるうえで大きな役割を果たすと考え、プロジェクトを始動したとしています。
第一弾:AIへの「問い」を起点にしたタイアップ記事
「問い」の設計から展開までの3段階
第一弾では、パブリッシャーの編集部と連携し、生成AIへの「問い」を起点にしたタイアップ記事を企画・提供します。進め方は次の3段階です。
- 「問い」の設計:編集部が持つ読者理解をもとに、生活者があるカテゴリーでAIに投げかける問いを、カテゴリーエントリーポイント(商品・サービスを思い浮かべて検討を始めるきっかけとなる状況や動機)の観点から整理する
- 企画・制作:その問いに応える記事を、各編集部の知見を生かしてタイアップ記事として企画・制作し、AIO知見と掛け合わせる
- 展開:媒体の特性に合わせ、複数の媒体・プラットフォームで読者に届ける
広告であることは明示する
取り組みにあたっては、各メディアの編集方針や生成AIへの対応方針を尊重し、読者に役立つ記事づくりを前提とします。記事が広告であることは明示するとしています。
なお、発表時点では参画する新聞社・出版社の社名や料金は公表されていません。
開発中の「Shomei AIO プランナー(仮)」
AIの引用状況を診断し、記事づくりの判断を支える
博報堂は、タイアップ記事のプラニングを最適化し、AIに実際にどれだけ引用されたかを可視化するためのツール「Shomei AIO プランナー(仮)」を開発中です。生活者がAIに相談する場面で自社商品と競合商品の引用状況を診断し、どの場面の記事をどの編集部とつくるかの意思決定と、制作後の情報資産化を支援するとしています。
対象と推進体制
対象とするカテゴリーや参画するメディアは順次拡大する予定です。本プロジェクトは、博報堂DYグループ横断のAI専門家集団「HCAI Professionals」の活動の一環としても推進されています。
まとめ
博報堂は、新聞社・出版社の編集部と組み、生活者がAIに投げかける問いを起点にタイアップ記事をつくるプロジェクト「Shomei AIO」を始動しました。
第一弾は「問い」の設計、企画・制作、複数媒体での展開の3段階で進め、記事が広告であることは明示します。対象とするカテゴリーと参画する新聞社・出版社は、今後順次広げる予定です。
💡 編集部の見解
博報堂のShomei AIOは、新聞社・出版社の編集部が書くタイアップ記事をAIの回答の引用元にする取り組みです。引用されたかを測るツールは開発中で参画媒体も未公表のため、広告主にとっては小さく試す段階の商品だと編集部は見ています。
- 広告枠でなく記事が引用元:当メディアが2026年6月22日に報じたChatGPT広告の国内展開(博報堂DYグループのHakuhodo DY ONEなど3社がパートナー)は、広告を「スポンサー」と明示して回答と分ける仕組みでした。今回は、広告と明示したタイアップ記事そのものがAIの回答に引用されることを狙う点が違います。
- 効果を確かめる道具はこれから:AIにどれだけ引用されたかを可視化する「Shomei AIO プランナー(仮)」は開発中です。発表時点では、組める新聞社・出版社の社名も料金も出ていないため、検討する広告主は媒体名と引用の確かめ方を先に聞くことになります。




