【比較検証】AIに任せる脆弱性診断・侵入テスト4選|WebアプリをAIで診断する方法

Webアプリやシステムの脆弱性診断は、専門家が時間をかけて行うのが一般的で、費用や期間の都合から実施の回数が限られがちです。2026年に入り、AIが攻撃者の視点でWebアプリやソースコードを調べる診断・侵入テストのサービスが、国内でも相次いで提供されるようになりました。
本記事では、AIが診断や侵入テストを担うサービス4選を、同じ観点で比較します。AIに任せる範囲や進め方の違いを整理し、自社に合った依頼先を選ぶ手がかりにしてください。
なぜ脆弱性診断をAIに任せるサービスが増えているのか
診断の回数や速さを上げたいというニーズがある
Webアプリは機能を追加するたびに、新しい弱点が生まれる可能性があります。一方で、専門家による診断は回数を増やすほど費用がかさみます。そこで、診断対象の分析や攻撃シナリオの作成をAIに任せ、診断の頻度を上げたり期間を短くしたりするサービスが出てきています。AIだけで自動的に診断するもの、AIの結果を専門家が確認したり手動で検査したりするものなど、進め方は各社で異なります。
「AIを診断する」サービスとの違い
名前が似ていて紛らわしいのが、AIそのものを診断するサービスです。当メディアのAIセキュリティ カオスマップでは、まず「何を診断するか」を見て区分を分けています。
AIに任せる診断・侵入テスト(本記事)
診断や侵入テストをAIが行うサービスです。診断する対象はAIに限らず、Webアプリ・API・ソースコードなど一般のシステムです。
生成AIアプリ診断/AIエージェント・MCP診断
自社のチャットボットやAIエージェントなど、AIそのものを診断の対象とするサービスです。AIを使って診断するかどうかではなく、診断する対象がAIかどうかで分けています。自社のAIの安全性を確かめたい場合は、こちらを確認してください。
関連記事:【比較検証】生成AIアプリ診断サービス8選|チャットボットの脆弱性を専門家に検証する方法
関連記事:【比較検証】AIエージェント診断サービス7選|脆弱性を専門家に検証してもらう方法
AIに任せる脆弱性診断・侵入テスト比較一覧
| 会社名 | サービス名 | 特徴 | 提供元 |
|---|---|---|---|
| GMO Flatt Security | Takumi byGMO | アプリを自動診断するAIエージェント | 国産 |
| IssueHunt | AIエージェント×診断員による次世代型・手動脆弱性診断サービス | AIと診断員でWebアプリを診断 | 国産 |
| NTTアドバンステクノロジ | AIハイブリッドWeb診断サービス | AIがコードから脆弱性候補を抽出 | 国産 |
| NTP | NeSC | AIエージェント型の侵入テスト | 国産 |
各社の詳細解説
GMO Flatt Security(Takumi byGMO)

サービスの概要・アプローチ
Takumi byGMOは、AIエージェントが脆弱性の検知・修正とマルウェア対策を自動化するセキュリティ診断サービスです。公式では、診断の精度を「シニアセキュリティエンジニアレベル」、速度を1回あたり数時間〜1日程度としています。
AIに任せる範囲・進め方
AIエージェントがAI-SASTやAI-DASTを用いて、脆弱性の網羅的な検出から修正パッチの作成までを担当します。さらに、AIが実際に侵入を試みるペネトレーションテストを行い、現実に起こりうるリスクを検証します。
できること・具体的な活用例
公式では、ロジックの脆弱性や認証・認可の不備まで検出できるとしています。具体的には、検出した脆弱性に対してユニットテスト付きのPull Requestを作成したり、悪性パッケージのインストールを未然にブロックしたりすることが可能です。
料金・依頼の流れ
基本料金は月額70,000円(税抜)で、診断機能に利用できる250クレジットやマルウェア対策機能が含まれます。250クレジットは脆弱性診断・自動修正・ペネトレーションテストの3機能をあわせた枠です。導入を検討する際は、公式サイトから資料ダウンロードやお問い合わせ、試用を申し込む流れとなります。
こんな企業におすすめ
・開発スピードとセキュリティ品質の両立を目指す企業
・多数のリポジトリがあり手動診断のコストが課題の組織
・認証やアクセス制御の不備を自動で検知したいチーム
IssueHunt(AIエージェント×診断員による次世代型・手動脆弱性診断サービス)

サービスの概要・アプローチ
AIエージェントの速さと経験豊富な診断員による深い検証を組み合わせた、ハイブリッドな脆弱性診断サービスです。AIがコードを解析して攻撃シナリオを生成し、診断員が複雑なロジックを手動で確認することで品質とコストの両立を図ります。公式では、診断プロセスを100%開示するとしています。
AIに任せる範囲・進め方
AIはソースコードを解析してエンドポイントや権限を抽出し、攻撃コードと診断シナリオの生成を担います。AIの生成物をセキュリティ専門家が精査・修正した上で、診断員の手動診断と同等の質で調査を実行します。AIが対象分析などの工程を自動化することで、人手による準備工数も大幅に削減されます。
できること・具体的な活用例
インジェクション対策や認証不備の確認に加え、AIだけでは対応が難しいビジネスロジックの検証まで幅広く対応可能です。開発サイクルに合わせ、初回以降の継続診断を低コストで柔軟に実施できます。発見された脆弱性だけでなく、安全が確認された項目についても、実行した攻撃シナリオを含めて詳細に確認可能です。
料金・依頼の流れ
料金は問い合わせで確認します。導入に際しては、公式サイトから資料請求や無料の要件ヒアリングを申し込むことができ、通常2営業日以内に回答が得られます。AIがコードから直接エンドポイントを分析するため、従来のようなExcelでのリスト作成といった手間をかけずにスムーズに診断を開始できます。
こんな企業におすすめ
・週次でデプロイするなど、リリースのたびに診断したい企業
・診断コストを抑えつつ、手動診断による高い品質も確保したい企業
・診断の過程や実行した攻撃シナリオを詳細に可視化したい企業
NTTアドバンステクノロジ(AIハイブリッドWeb診断サービス)

サービスの概要・アプローチ
NTTアドバンステクノロジが提供する、フロンティアAIと専門家の知見を組み合わせたWeb診断サービスです。ソースコード全体をAIで解析することで、従来の診断では検出が困難だった脆弱性を広く発見します。NTT-ATは、企業向けのセキュリティ診断サービスを25年以上提供してきたとしています。
AIに任せる範囲・進め方
最先端のフロンティアAIがソースコードから脆弱性の候補を自動で抽出します。その結果をOSCPなどの高度な資格を持つ専門家が精査し、実環境における再現性や影響を評価する流れです。AIによる広範な検知と人間による正確な判断を両立させた、ハイブリッドなアプローチを採用しています。
できること・具体的な活用例
Webサイトの更新や機能追加のタイミングで、継続的に脆弱性リスクを把握・管理できます。具体的には、AIが見つけた大量の候補から対処不要な項目を専門家が取り除き、対応が必要な脆弱性を優先度とともに報告します。これにより、現場の担当者は本当に対策が必要な問題だけに集中して対応することが可能です。
料金・依頼の流れ
お客様の環境やご要望に応じた最適なプランを個別に提案しており、相談は無料です。料金は問い合わせで確認します。詳細な診断内容や導入事例については、お問い合わせフォームから相談することで専門スタッフが迅速に対応します。
こんな企業におすすめ
・AIを使った攻撃への備えを強化したい企業
・対応の優先順位を明確にし、現場負担を抑えて効果的に対処したい企業
・継続的にWebシステムのセキュリティリスクを把握・管理したい企業
NTP(NeSC)

出典:NTP 公式サイト
サービスの概要・アプローチ
複数のAIエージェントが攻撃者の視点でWebアプリやAPIを自律的に探索する、AIエージェント型の侵入テストサービスです。従来の脆弱性スキャナでは到達が難しい深層部まで踏み込み、悪用可能なリスクを実証付きで提示するアプローチを採用しています。
AIに任せる範囲・進め方
指揮役のオーケストレーターと複数の探索用エージェントが連携し、人間の診断員のように自律的な反復試行を行います。診断全体をAIが指揮しますが、破壊的な操作についてはオペレーターの明示的な承認を必要とする統制が図られています。
できること・具体的な活用例
認証後の管理APIなどの深掘りや、複数の弱点を連鎖させた攻撃経路の構築が可能です。活用例として、従来のスキャンやコードレビューでは検知できなかったSaaSやマッチングサイトの脆弱性を、実証データとともに洗い出した実績があります。
料金・依頼の流れ
導入を検討する際は、まず診断対象を1つ決定して問い合わせを行います。その後、NeSCがシステムの深層まで探索し、実証付きの結果を報告する流れとなります。料金は問い合わせで確認します。
こんな企業におすすめ
・従来のスキャナでは検知できない深層のリスクを可視化したい企業
・ログイン後の画面や管理APIまで検査したい企業
・脆弱性の指摘だけでなく、悪用可能かどうかの実証を求める企業
自社に合ったサービスの選び方
問い合わせ前に整理しておきたいチェックリスト
・診断してほしい対象(Webアプリ・API・ソースコードなど)と、その規模
・ソースコードを提供できるか(コードを読んで診断するサービスがあるため)
・AIだけの自動診断でよいか、専門家による確認や手動の検査も必要か
・診断の頻度(一度きりか、機能追加のたびか)と、想定している予算感
相見積もりを取る際のポイント
・各社に同じ条件(対象・規模・頻度)を伝え、比較できる状態にする
・見つかった脆弱性の報告の形式(再現の手順や証拠の有無)と、修正後の再診断の条件を確認する
・料金の考え方(対象の数による単価か、一式の見積もりか)を、各社の「料金・依頼の流れ」で確認しておく
関連記事:【無料DL】AIセキュリティ カオスマップ&一覧Excel|全51製品・6区分
まとめ
AIに脆弱性診断や侵入テストを任せるサービスは、診断の回数を増やしたり期間を短くしたりする選択肢として広がり始めています。一方で、AIだけで診断するものと専門家が確認するものがあり、向いている使い方は異なります。
・AIに任せる診断は、AIに限らないWebアプリやシステムの脆弱性を探すサービス
・自社のチャットボットやAIエージェントを診断したい場合は、生成AIアプリ診断やAIエージェント・MCP診断を確認する
・各社に同じ条件を伝え、報告の形式や再診断の条件、料金の考え方まで比べる
まずは診断したい対象と頻度を整理し、気になる数社へ問い合わせることから始めてみてください。




