【比較検証】AIに任せるセキュリティ監視・運用6選|SOCや脆弱性対応をAIで支える方法


【比較検証】AIに任せるセキュリティ監視・運用6選|SOCや脆弱性対応をAIで支える方法

サイバー攻撃の監視や、日々公開される脆弱性への対応は、専門の人材が限られる中で多くの企業の負担になっています。こうした監視・分析・対応の仕事の一部をAIに任せるサービスを、大手IT企業やコンサルティング会社が、国内でも相次いで提供しています。

本記事では、セキュリティの監視・運用をAIで支えるサービス6選を、同じ観点で比較します。AIに任せる範囲や、専門家の関わり方の違いを整理し、自社に合った依頼先を選ぶ手がかりにしてください。

AIを守る対策も含めたAIセキュリティの全体像は AIセキュリティ製品一覧(カオスマップ付き) にまとめています。

なぜセキュリティの監視・運用をAIに任せるサービスが増えているのか

アラートや脆弱性情報の量に、人手が追いつきにくい

セキュリティ製品が出すアラートや、新たに公開される脆弱性・パッチの情報は量が多く、すべてを人が確認して優先度を決めるのは大きな負担です。そこで、AIがログや脆弱性の情報を分析して優先度や対応案を示し、担当者や専門家が判断する形のサービスが出てきています。どこまでをAIに任せ、どこから人が確認するかは各社で異なります。

「AIに任せる」にも範囲がある

本記事で紹介するサービスは、AIに任せる仕事の範囲で大きく次のように分かれます。

監視と対応(SOC)

セキュリティ機器などのログを監視し、脅威の検知や調査、対応案の提示までをAIが担います。

脆弱性情報の分析

公開された脆弱性やパッチの情報を集め、自社のシステムへの影響や対応の優先度をAIが分析します。

セキュリティ業務全体の支援

脅威の発見から修復、継続的な運用まで、AIと専門家が組み合わさって支援します。
なお、AIが攻撃者の視点で自社のシステムを検査して脆弱性を見つけるサービスは「AIに任せる診断・侵入テスト」として、別の記事で比較しています。
関連記事:【比較検証】AIに任せる脆弱性診断・侵入テスト4選|WebアプリをAIで診断する方法

AIに任せるセキュリティ監視・運用比較一覧

会社名 サービス名 特徴 提供元
NEC 生成AI・Agentic AI活用セキュリティサービス AIがセキュリティ業務を伴走支援 国産
NTTデータ フロンティアAI活用サイバーリスク対応サービス AI分析で脅威発見から修復まで支援 国産
アクセンチュア Cyber.AI エージェント型AIでセキュリティ運用を自動化 国産
SHIFT フロンティアAI脆弱性即応支援 重要システムの脆弱性対応を即応支援 国産
日立製作所 脆弱性・パッチ探索分析レポートサービス AIが脆弱性情報の影響を分析 国産
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) CTC-MSS AI SOCサービス powered by Exaforce AIが脅威の検知・調査・対応案を提示 国産

各社の詳細解説

NEC(生成AI・Agentic AI活用セキュリティサービス)

NECの公式サイトトップページ

出典:NEC 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

NEC独自の生成AI「cotomi」とAgentic AIを活用し、セキュリティ業務の高度化と効率化を支援するサービスです。専門家の知見をAIに取り込み、セキュアなシステム開発から運用、サイバー攻撃への対応まで全体を伴走支援します。IT開発者や情報システム部門が抱える課題解決を目指すアプローチが特徴です。

AIに任せる範囲・進め方

セキュア開発、セキュリティ経営、セキュリティ運用の3つの観点でAIの活用を進めます。具体的には、新たな脅威や脆弱性が自社システムに及ぼすリスクの診断と、組織の情報セキュリティ内部監査を支援するAgentic AIを活用したサービスを提供するとしています。

できること・具体的な活用例

「システムリスク診断用Agentic AI」では、脆弱性のチェックから対策立案、図を含むレポート生成までを自律的に実行します。また「情報セキュリティ内部監査用Agentic AI」は、監査用アンケートの回答チェックや報告書作成を支援します。NECは、システムリスク診断用Agentic AIについて、専門家が処理した場合と同等の品質を確保できることを確認したとしています。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。サービスの詳細は、公式サイトの問い合わせ窓口から確認できます。

こんな企業におすすめ

・セキュリティ専門人材が不足しており、AIで業務を効率化したい企業
・脆弱性診断や内部監査などの定期的なセキュリティ業務を自律化したい企業
・専門家の知見を取り込んだAIで、セキュリティ業務を支援してほしい企業

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NTTデータ(フロンティアAI活用サイバーリスク対応サービス)

NTTデータの公式サイトトップページ

出典:NTTデータ 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

フロンティアAIによる高度な分析と、専門組織の知見を組み合わせたサイバーリスク対応サービスです。10,000システム以上の運用実績に基づき、脅威の発見から修復、継続運用までを一貫して支援します。特定のAI技術に依存しない分析・判断支援を掲げています。

AIに任せる範囲・進め方

脅威や脆弱性の発見、影響評価、優先度の判断、修復方針の策定といった工程にAIを導入します。AIが提示した対応候補を専門組織が検証し、個別の業務影響や運用制約を踏まえた実行可能な方針を決定します。このプロセスにより、限られた人員でも優先度の高い対策を効率的に実施することが可能です。

できること・具体的な活用例

ハードウェアからSaaSまでシステム全体を対象に、リスクを横断的に把握できます。パッチの適用が難しい環境でも、設定変更・アクセス制御・監視強化などを組み合わせた修復方針を策定するとしています。コンサルティングから設計、監視、改善までフルフェーズでの包括的な支援が受けられます。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。導入に際しては、お客さまのセキュリティ要件や運用環境に基づき、用途に応じたAI技術や運用方式の選択肢が提示されます。コンサルティングを通じてシステム構成や業務への影響を考慮した運用体制を構築し、実際の修復対応や継続的な監視へとつなげていきます。

こんな企業におすすめ

・限られた人員で脆弱性対応を効率化したい企業
・複雑なシステムの運用制約に悩む企業
・脅威の発見から修復まで一貫した支援を求める企業

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アクセンチュア(Cyber.AI)

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出典:アクセンチュア 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

Cyber.AIは、エージェント型AIを活用してセキュリティ運用を自動化するプラットフォームです。既存のセキュリティツールと連携し、分散したツールにまたがる状況を一元的に見えるようにします。推論エンジンが環境全体を踏まえて、次に取るべき対応の優先順位を示すとしています。

AIに任せる範囲・進め方

脅威の検知から優先順位付け、修復までのワークフローをAIが自動化します。特定の目的を持つ「ミッション」を設定し、エージェントが推奨事項をアクションに変換して実行する仕組みです。公式では、AIの誤った回答を防ぐ仕組みを何層にも備えているとしています。

できること・具体的な活用例

公式では、スキャンの所要時間を3〜5日から1時間弱に短縮する、1,600のアプリと500,000以上のAPIにわたる死角を減らす、サービスの効率を35%高める、といった効果を挙げています。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。導入の検討にあたっては、AIによる脅威の動向などを扱う60分間のエグゼクティブ・セッションが案内されています。公式サイトのフォームなどから、ブリーフィングの依頼が可能です。

こんな企業におすすめ

・人手不足でもAIの力で運用のスピードと規模を拡大したい企業
・脆弱性スキャンの時間を短縮し、未対応のリスクを早期に解消したい企業
・分散したツールを統合し、環境全体のリスクを一元管理したい企業

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SHIFT(フロンティアAI脆弱性即応支援)

SHIFTの公式サイトトップページ

出典:SHIFT 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

脆弱性の発見から攻撃までのサイクル加速に対応するため、重要システムの脆弱性対応を即応支援するサービスです。AIと専門人材を組み合わせ、平時の準備から有事の対応まで支援するとしています。

AIに任せる範囲・進め方

AIテストソリューション「ネムラナイ」を用い、テストケースの自動生成や24時間365日・並列稼働のリグレッションテストを自動化します。また、AI BPaaSにより現場の業務プロセス改善も支援可能です。専門エンジニアが脆弱性のトリアージを行い、対応の優先度を決める流れです。

できること・具体的な活用例

脆弱性診断やパッチ適用支援に加え、パッチが当てられないシステムへのWAF適用やマイクロセグメンテーションも実施できます。AIを活用したシステム可視化で、対象システムの構成や依存関係を把握します。CISO支援として、リスク説明資料の作成代行など経営層への報告業務もサポートします。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。まずは現状の課題を相談し、支援内容の提案を受ける流れです。セキュリティ専門エンジニアや業界知見を持つエキスパートが即戦力として派遣され、お客様の体制を強化します。

こんな企業におすすめ

・脆弱性対応のリードタイムを短縮し、攻撃のスピードに対抗したい企業
・パッチ適用後のテスト自動化で、品質とスピードを両立したい企業
・専門人材が不足し、トリアージから対策まで一貫して任せたい企業

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日立製作所(脆弱性・パッチ探索分析レポートサービス)

日立製作所の公式サイトトップページ

出典:日立製作所 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

国内外の公的な脆弱性情報源から情報を毎日自動で収集し、企業の資産情報と照合して分析するサービスです。AIが情報を精査し、膨大な脆弱性の中から自社に影響する可能性のあるものだけを抽出してレポート形式で配信します。セキュリティ担当者の情報収集と特定作業における負担軽減を支援するアプローチです。

AIに任せる範囲・進め方

収集したデータの照合・評価・レポート生成にAIを活用しています。製品名の表記揺れをAIが自動で吸収し、特定の機能や設定を有効化している場合にのみ影響する脆弱性の条件と確認手順までを導き出します。導入時はヒアリングや要件定義、トライアル配信を経てから本番の運用へと進めていく流れです。

できること・具体的な活用例

優先すべき脆弱性を整理した自社専用のレポートを、毎朝8時(例)などの決まった時刻にメールで受け取れます。リスク評価ルールをカスタマイズすることで、自社の運用体制に合わせた優先順位付けや推奨アクションの把握が可能です。レポートはExcelやPDFなど、希望のフォーマットで出力して社内の情報共有に活用できます。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。導入まではヒアリングやルール設定、資産情報の登録などを行い、目安として2〜4週間程度の準備期間を要します。本番運用が開始された後は、定期的なレポート配信とともに、資産構成の変化に応じたルール更新や担当者による継続的なサポートが提供されます。

こんな企業におすすめ

・膨大な脆弱性情報から自社に影響するものを特定するのに苦労している企業
・セキュリティ担当者の人手不足により、日々の監視や評価が負担となっている企業
・自社の資産構成に合わせた、優先度の高いレポートを毎朝受け取りたい企業

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伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)(CTC-MSS AI SOCサービス powered by Exaforce)

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の公式サイトトップページ

出典:伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) 公式サイト

サービスの概要・アプローチ

CTCが提供する、AIエージェントを活用した自律型のSOCサービスです。複数の製品から得られるログや設定情報をAIが関連付けることで、単一のアラートでは判断が難しい脅威も検知します。限られた人員でのセキュリティ運用を支援するとしています。

AIに任せる範囲・進め方

AIエージェントが脅威の検知から優先度判定、発生原因や影響範囲の調査、対応案の提示までを自律的に実施します。導入時は、ユーザーの環境や用途に応じたテンプレートが用意されており、円滑な利用開始が可能です。定型的な調査をAIが担うことで、担当者は判断や調整などの重要業務に注力できます。

できること・具体的な活用例

膨大なアラートをAIが分析し、対応すべき脅威を迅速に絞り込むことが可能です。製品を提供するExaforceは、導入実績で誤検知を90%削減し、アラートの平均調査時間を95%短縮したとしています(効果は利用環境や運用条件により異なるとしています)。Exaforceが管理するAWS上の共通基盤で、お客様ごとに分離した環境を提供します。

料金・依頼の流れ

料金は問い合わせで確認します。

こんな企業におすすめ

・専任のセキュリティ人材の確保や、アラートの分析に課題を抱える企業
・複数の製品ログを関連付け、単一のアラートでは見えない脅威を検知したい企業
・AIによる調査の自動化で、担当者の確認・分析の負担を軽減したい企業

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自社に合ったサービスの選び方

問い合わせ前に整理しておきたいチェックリスト

・AIに任せたい業務(監視・検知、脅威の調査、脆弱性情報の分析、対応の実行)
・すでに使っているセキュリティ製品や監視の仕組み(ログを連携できるか)
・AIの判断を誰が確認するか(自社の担当者か、提供会社の専門家か)
・対象のシステムの規模と、想定している予算感・期間

相見積もりを取る際のポイント

・各社に同じ条件(任せたい業務・対象の規模・既存の仕組み)を伝え、比較できる状態にする
・AIの判断に専門家がどう関わるか、報告の頻度や形式を確認する
・料金の考え方と、小さく試せる方法があるかを、各社の「料金・依頼の流れ」で確認しておく

関連記事:【無料DL】AIセキュリティ カオスマップ&一覧Excel|全51製品・6区分

まとめ

セキュリティの監視や脆弱性への対応をAIに任せるサービスは、限られた人手で運用を続けるための選択肢として広がり始めています。AIに任せる範囲や専門家の関わり方は各社で異なるため、自社の運用のどこを任せたいかを先に決めることが大切です。

・監視と対応(SOC)、脆弱性情報の分析、業務全体の支援など、AIに任せる範囲はサービスごとに違う
・AIの判断を自社の担当者が確認するのか、提供会社の専門家が確認するのかを確かめる
・各社に同じ条件を伝え、既存の仕組みとの連携や料金の考え方まで比べる

まずは自社のセキュリティ運用で負担が大きい業務を洗い出し、気になる数社へ問い合わせることから始めてみてください。

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