【比較検証】AIランタイム保護製品6選|本番で動くAIとMCP接続を止めずに守る方法


【比較検証】AIランタイム保護製品6選|本番で動くAIとMCP接続を止めずに守る方法

チャットボットやAIエージェントを本番で動かし始めると、公開前の診断だけでは防ぎきれないリスクが残ります。利用者が送る指示や、AIが外部のツールやデータにつながる経路は、運用中も毎回発生するためです。こうした稼働中のAIへの入出力や接続を常に見張り、問題のあるものを止める製品が「ランタイム保護」です。

本記事では、本番で動くAIを守る製品6選を、同じ観点で比較します。守れる範囲や導入の形の違いを整理し、自社に合った製品を選ぶ手がかりにしてください。

ランタイム保護以外も含めたAIセキュリティの全体像は AIセキュリティ製品一覧(カオスマップ付き) にまとめています。

なぜ本番稼働中のAIに常時の保護が必要なのか

公開前の診断だけでは防げないリスクがある

診断は、公開前などある時点でのAIの弱点を見つけるものです。一方で、悪意ある指示(プロンプトインジェクション)や、機密情報を含む回答、MCPなどで外部のツールにつながる際のやり取りは、運用中に毎回発生します。ランタイム保護の製品は、こうした入出力や接続を常に見張り、ルールに反するものを検知・遮断します。

「守る場所」にも種類がある

ランタイム保護の製品は、主に次の2つの場所を守ります。どこまで守れるかは製品ごとに異なります。

AIアプリ・モデルへの入出力

利用者の指示やAIの回答を検査し、攻撃的な指示や機密情報の流出を止めます。

MCP・外部ツールとの接続

AIエージェントがMCPなどで外部のツールやデータにつながる際のやり取りを見える化し、制御・監査します。
なお、社員が外部のAIサービスを使うことの見える化・制御は「シャドーAI対策」として、別の記事で比較しています。
関連記事:【比較検証】シャドーAI対策ツール15選|社内のAI利用を可視化する方法

AIランタイム保護製品比較一覧

会社名 サービス名 特徴 提供元
パロアルトネットワークス Prisma AIRS AIアプリ・エージェントの実行時保護 海外
Cisco AI Defense AIアプリ・モデルの実行時保護 海外
SherLOCK AI Gateway 生成AIの統制プラットフォーム 国産
サイバーセキュリティクラウド AI MONBAN MCPデータフローの可視化・制御 国産
Fortinet FortiAI(Protect/Assist/SecureAI) 脅威検知・SOC自動化・LLM保護の3機能 海外
富士通 マルチAIエージェントセキュリティ技術 LLMへの攻撃的な指示を検知・拒絶(トライアル) 国産

各社の詳細解説

パロアルトネットワークス(Prisma AIRS)

パロアルトネットワークスの公式サイトトップページ

出典:パロアルトネットワークス 公式サイト

製品の概要・アプローチ

Prisma AIRSは、自社開発のAIアプリやエージェントを実行時に保護するセキュリティ基盤です。AIライフサイクル全体をカバーし、可視化やランタイムガバナンスを実現するアプローチを取ります。開発からデプロイまで、エージェントやアプリ、モデル、データを保護対象としています。

守れる範囲・導入形態

保護の対象はアプリ・モデル・エージェント・MCPで、クラウド提供型の常駐製品として導入します。エージェントのアイデンティティ確認により、リアルタイムで不正なアクションの阻止を図ります。サードパーティモデル導入時の改ざんや脆弱性スキャンにも対応しています。

できること・具体的な活用例

ライブAIインタラクション中の操作やデータ漏洩、安全でないアクションの防止に対応しています。AI Red Teamingによる攻撃シミュレーションで、エージェント全体の抜け穴を特定して修正することも可能です。また、学習や推論に使われるデータやモデルへのアクセスを可視化して管理できます。

料金・試用

料金は問い合わせで確認します。導入前に機能を体験できる製品ツアーが用意されているほか、専門家による製品デモを申し込んで詳細を確認することも可能です。

こんな企業におすすめ

・自律型AIエージェントを本番環境へ安全に大規模展開したい企業
・AIアプリ実行中のデータ漏洩や不正操作をリアルタイムで防ぎたい企業
・サードパーティ製AIモデルの脆弱性や改ざんを事前に検知し管理したい企業

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Cisco(AI Defense)

Ciscoの公式サイトトップページ

出典:Cisco 公式サイト

製品の概要・アプローチ

Cisco AI Defenseは、AIアプリやモデルを実行時に保護するソリューションです。公式では「AI時代の包括的なセキュリティ」として、企業でのAIの構築・利用でエンドツーエンドの保護を掲げています。

守れる範囲・導入形態

保護対象はAIアプリケーション、モデル、エージェントと幅広く、分散型クラウド環境全体の資産をカバーします。エージェントやライブラリを必要とせず、ネットワークのレベルでAIセキュリティを適用する方式です。既存のネットワークファブリックを活用して、実行時のガードレールを展開できます。

できること・具体的な活用例

AI資産の自動可視化や、プロンプトインジェクション、データ漏洩のリアルタイム阻止が可能です。また「Explorer Edition」により、開発中のアプリに対しわずか数秒でリスク評価を行うレッドチーミングも実施できます。設定不備の検出や、機密データの外部公開を制限するポリシー管理も行えます。

料金・試用

料金は問い合わせで確認します。導入前に機能を体験したい場合は、デモのリクエストが可能です。また、AI開発者向けにレッドチーミングを体験できる「Cisco AI Defense: Explorer Edition」も提供されており、全社的なソリューションに拡張する前にリスクを評価することができます。

こんな企業におすすめ

・AIアプリをネットワーク層で手間なく一括保護したい企業
・サードパーティ製AIの利用状況やリスクを可視化したい企業
・プロンプトインジェクション等の攻撃をリアルタイムで防ぎたい企業

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SherLOCK(AI Gateway)

SherLOCKの公式サイトトップページ

出典:SherLOCK 公式サイト

製品の概要・アプローチ

SherLOCK AI Gatewayは、生成AIの脅威検知・対応と機密情報の保護を担う統制プラットフォームです。技術ではなく「守るべき人」を起点に、AIがもたらすリスクから組織を守るアプローチを採用しています。イノベーションと堅牢なセキュリティの両立を目指し、安全なAI活用を支援します。

守れる範囲・導入形態

保護の対象はAIアプリケーションとAIエージェントです。導入形態は常駐製品として提供され、AIネイティブアプリケーションを保護する仕組みです。公式では、AIレッドチーミングの自動テストからガードレール、AIエージェント向けセキュリティまでを一つの基盤に束ねるとしています。

できること・具体的な活用例

AIレッドチーミングの自動テスト、ガードレール、AIガバナンスの高度化を支える基盤を提供します。機密情報の検知保護に加え、日本の特定ドメインにかかる法規制やガイドラインに準拠した対策も可能です。これにより、生成AIの脅威検知や対応、高度なAIガバナンスの実現をサポートします。

料金・試用

料金は問い合わせで確認します。

こんな企業におすすめ

・AIアプリやエージェントの安全な大規模展開を目指す企業
・国内独自の法規制やガイドラインへの準拠を重視する企業
・レッドチーミングからガードレールまで一元管理したい企業

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サイバーセキュリティクラウド(AI MONBAN)

サイバーセキュリティクラウドの公式サイトトップページ

出典:サイバーセキュリティクラウド 公式サイト

製品の概要・アプローチ

AIやAIエージェントに関わるデータフローを可視化・制御・監査する統合ガバナンス基盤です。AIとデータの間に介在し、プロンプトやレスポンスに含まれる機密情報の流出を抑制するアプローチを採用しています。特定のモデルに依存せず、社内共通のルールで複数のAIを安全に管理することが可能です。

守れる範囲・導入形態

保護範囲はAIアプリやモデル、AIエージェント、およびMCPによるデータ連携まで多岐にわたります。導入形態は常駐製品となっており、オンプレミスやプライベートクラウド環境への展開にも対応しています。社内外に散在するデータソースとの通信経路を一括で制御する仕組みです。

できること・具体的な活用例

プロンプトや外部SaaSからのレスポンスに含まれる個人情報を、リアルタイムで自動マスキングします。例えば、顧客名を伏せた状態でAIに営業提案書を作成させたり、採用候補者の氏名を隠してレジュメの要約を行ったりする活用が可能です。プロンプトとデータへのアクセス履歴は監査ログとして保存されます。

料金・試用

導入を検討している企業向けに、デモやトライアルを案内しています。トライアルへの参加により、製品開発へのフィードバックや優待価格での利用が可能です。料金は問い合わせで確認します。

こんな企業におすすめ

・社内のAI利用を制限するのではなく安全に推進したい企業
・複数のAIモデルを統一されたセキュリティルールで管理したい企業
・外部SaaSや社内データとAIを安全に連携させたい企業

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Fortinet(FortiAI(Protect/Assist/SecureAI))

Fortinetの公式サイトトップページ

出典:Fortinet 公式サイト

製品の概要・アプローチ

FortiAIは、AI脅威検知・SOC自動化・LLM保護の3機能で構成されるAIセキュリティ群です。フォーティネット セキュリティファブリック全体で統合されたAIインテリジェンスを活用し、マシンスピードで脅威から防御します。

守れる範囲・導入形態

導入形態は常駐製品であり、AIアプリケーションやLLM(大規模言語モデル)などのモデルを保護します。インフラストラクチャからワークロード、データ、サプライチェーンに至るAIエコシステム全体が対象です。モデルのデプロイ前から実行時の運用まで、エンドツーエンドでの保護を可能にします。

できること・具体的な活用例

Protect機能で未承認プロンプトのブロックやデータ漏洩を防止し、SecureAI機能でLLMへの入力サニタイズや敵対的攻撃を検知します。また、Assist機能でアラート対応や設定スクリプト作成を自動化可能です。公式では、AIを使った攻撃を1秒未満でブロックするとしており、サンドボックスでAIの脆弱性を見つける機能もあります。

料金・試用

試用については、無料製品デモが提供されています。導入前に実際の機能や操作感を詳しく確認することが可能です。料金は問い合わせで確認します。

こんな企業におすすめ

・自社開発のAIアプリやLLMを攻撃からプロアクティブに守りたい企業
・従業員のシャドーAI利用や機密データの漏洩をリアルタイムで防ぎたい企業
・AIを活用してSOC運用の自動化や脅威対応の迅速化を実現したい企業

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富士通(マルチAIエージェントセキュリティ技術)

富士通の公式サイトトップページ

出典:富士通 公式サイト

製品の概要・アプローチ

富士通のマルチAIエージェントセキュリティ技術は、AIの安全な運用を支えるフレームワークです。LLMの耐性を自動検査するスキャナと、運用中に攻撃的なプロンプトを検知・拒絶するガードレールを連携させます。これにより、新たな脅威へのプロアクティブな対応を支援します。

守れる範囲・導入形態

守備範囲はLLMおよびLLMアプリケーションです。導入形態は技術トライアルとして提供されています。プロンプトインジェクションなどの新しい攻撃や、日々増加する脆弱性からシステムを保護することを目指しています。

できること・具体的な活用例

スキャナでLLMのセキュリティ耐性を網羅的にチェックし、ガードレールが攻撃的なプロンプトを拒絶します。公式では、現場のセキュリティ対応コストを1/3削減するとしており、侵害の未然防止やLLMアプリ開発時のセキュリティテストの自動化を活用例に挙げています。

料金・試用

料金は問い合わせで確認します。技術のお試しとして、実際の動作を確認できるデモ動画が公開されています。

こんな企業におすすめ

・開発したLLMアプリのセキュリティテストを自動化したい企業
・運用中のAIへの攻撃や不適切な回答を未然に防ぎたい組織
・専門家不足の中で脆弱性への迅速な対応を目指すセキュリティ部門

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自社に合った製品の選び方

問い合わせ前に整理しておきたいチェックリスト

・守りたいAI(自社開発のAIアプリか、AIエージェントか)
・MCPなどで外部のツールやデータにつないでいるか
・使っているクラウドやAIモデル、既存のセキュリティ製品(連携できるか)
・クラウドで使うか、自社の環境に置く必要があるか

試用・検証を進める際のポイント

・デモや試用で、自社の構成で検知・遮断できる範囲を確かめる
・止めすぎて業務に支障が出ないか(誤検知の扱い)と、ルールを調整できるかを確認する
・料金の考え方(利用量・ユーザー数など)を、各社の「料金・試用」で確認しておく

関連記事:【無料DL】AIセキュリティ カオスマップ&一覧Excel|全51製品・6区分

まとめ

本番で動くAIは、公開した後も利用者の指示や外部との接続を通じて新しいリスクにさらされます。ランタイム保護の製品は、こうした入出力や接続を常に見張り、AIを止めずに守るための選択肢です。

・公開前の診断に加えて、運用中の入出力や接続を見張るのがランタイム保護
・AIアプリ・モデルへの入出力を守るか、MCPなど外部ツールとの接続まで守るかは製品ごとに違う
・デモや試用で、自社の構成で守れる範囲と、ルールの調整のしやすさまで確かめる

まずは守りたいAIと、外部のツールやデータとのつながりを整理し、気になる製品のデモを依頼することから始めてみてください。

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